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Jonathan Weiner(原著) 樋口 広芳(翻訳) 黒沢 令子(翻訳)  
¥ 945(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:22284位  
カスタマーレビュー数:8

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進化とは何か
 1995年に出た単行本の文庫化。  Jonathan Weine の『The Beak of the Finch; a Sto y of Evolution in Ou Time』(1994年)の翻訳。  フィンチとは、ガラパゴス諸島に住む鳥である。虫、種子、血、植物などエサごとにくちばしの形が違うことで知られ、ダーウィンの進化論を支えたことで広く知られている。  本書は、ガラパゴス諸島の島のひとつ、ダフネ島で20年間にわたってフィンチを観察しつづけたアメリカ人生物学者夫妻の記録である。彼らの観察からは、「進化」が現在進行形で起きていることが分かった。気候条件と、それに基づくエサの多寡によって、くちばしの長さや太さが変わっていることが判明したのである。  本書は綿密な取材をもとに、フィンチの「進化」がどのようにして起きたか、再現してくれている。厳密で定量化された「科学」であり、非常に説得力があり、また知的好奇心を満足させられた。  フィンチのほか、害虫と殺虫剤の関係、グッピーの「進化」、ダーウィンについての話も豊富で、現在進行形の「進化」つにいて、総合的に理解することが出来た。  難しい話を分かりやすく書いてくれているし、調査の時間軸に沿った記述となっているので、ストーリーとしても楽しめる。
ちょっと冗長かな
おもしろい.しかし,ちょっと冗長かな,というのが率直な感想.3文2くらいの長さにできたのではないか. それはともかく,内容を少し.進化論の問題として,進化という現象が地質学的な時間を経て生じる現象であり,実際には観察不可能であること,そして,個体の変異というのは非常にわずかなものであり,そのようなわずかな差異が本当に自然選択に有利になったり不利になったりするのかということのふたつがある.特に後半部分は,創造論者のようなひとたちが,進化論を否定する際の論拠にも,同じ進化論者でも自然選択を進化の原動力として認めない人たちの論拠にもなっている.本書では,ガラパゴス島のダーウィン・フィンチを20年にわたって研究した進化生物学者グラント夫妻が, 1.実は進化というのは,地質学的な時間ではなく,もっとずっと短い期間でおきること, 2.わずか1ミリとか0.5ミリとかといった嘴の大きさの違いが自然選択に有利になったり不利になったりする様子が実際に観察できること, を証明した様子が描かれている.進化とは,短い期間でおきるのだが,それは「ゆらぎ」のようなもので,あるときは嘴の大きな個体群に有利な状況が発生し,わずか1ミリ嘴が大きいだけで,たとえば旱魃を生き残れるかどうかが決定する.ところが別のあるときには,嘴が小さい方が有利な状況が発生して,今度は嘴の小さい個体群が生き残る.それゆえ,化石を調べるような「飛び飛びの期間」しか調べない方法では,その揺らぎは観察できないので,あたかも地質学的な時間をかけないと進化は観測できないように思われてきたというのだ.
秀逸の一言、面白い
この本を読んで、進化論に対する私の捉え方は大きく変わりました。とても意義深い本だと思います。いままで、突然変異というと、さいころを振ったときのように、遺伝子に意味のない変異が生じることかと思っていましたが、そういうことよりももっと深い内容があったんだということを知りました。突然変異という言葉から受ける浅薄なイメージとは裏腹に、そこに含まれる内容は、人智をはるかに超えた生物の智恵と能力でした。 おそらく、ダーウィンがガラパゴスでフィンチを見た時代にも、フィンチには今と同じ能力が備わっていたのでしょう。 創造主が生物を、限りない愛をもって、環境に適応しながら進化しうるものとして創造なさったことが、はっきりとわかる一冊です。
珍しく途中で挫折した本。
 詳細なデータに基づき、延々と「目に見える進化」を検証している。ピューリッツァー賞を取ったと言う事で英文で読んでいたが、2/3を読んだ所で、途中で珍しく挫折してしまった。滅多に途中で投げないのだが、英文が平易でも延々と続く検証に退屈してしまった・・・。こういう科学的な実証が好きな人には向いているかもしれない。
目に見える生物進化
進化は現在進行形で続いている、決して終わることのない現象である。 今現在もそこら辺の草木で、動物の体内で、目に見えない微生物の中で、そして当然ヒトの体内でも進化は常に進行している。 著者はガラパゴス諸島を舞台にある研究者の夫婦が観察した、気候の変動という淘汰圧の変化がもたらしたダーウィンフィンチのくちばしの変化を例として、自然淘汰を解説している。 ダーウィンが進化論を着想するきっかけとなったガラパゴス諸島で現在進行形の進化を定量的に観察できたのは、ある意味必然といえよう。 この本は科学ドキュメンタリーの傑作だと思う。




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カスタマーレビュー数:3

くちコミ情報
孫に、、、
こんなカラフルで一緒に見て都会にもいる鳥を みつけたり、樹にリンゴをつけたりしては 朝に夕に観察している。  よくまとめられていて感心する。 新入生への贈り物にもよいかもしれぬ。 ぜひ一読推薦。
バードウォッチャーにも役に立つ高度な内容
図鑑は基本的にデスク用とフィールド用に分けられる。本書は明らかにデスク用。 p 司馬遼太郎は、「ある事柄について、基本的で広範な知識を得たいときには、子供向けの入門書がよい。わかりやすい上に執筆者は一流だから」と述べている。 本書は、子供向けを念頭に作られてはいるが、大人にも十分楽しめ、かつバードウォッチャーにも役に立つ内容である。 p 特筆すべきは絵の見事さ。色々な鳥類図鑑を見ているが、これが一番きれいである。図鑑として、種の特徴をわかりやすく表わすには、写真よりも精密な絵の方がよい。
Best 鳥図鑑
本書は写真では無く、基本的にはイラストなのだが、非常に綺麗な精密画でとても分かりやすい。日本はもとより世界の各地域別に解説されている点もとても見やすい。所々にクイズ形式で「ハチドリの羽ばたくスピードは?」等と印象に残るページが多く子供にもとても良い図鑑となっている、と言うか大人にも非常に理解しやすい。フィールド用ではないぶん、大きく情報量の多い図鑑となっていてお勧め。



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¥ 777(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:10935位  
カスタマーレビュー数:4

くちコミ情報
DNA世界の向こうの、驚異的な世界
最高の名著だ。ものすごく面白い。息をのむような、タンパク質の世界が広がっている。本書は細胞生物学の読み物。それも、タンパク質の生成から消滅までを人の一生のように語った本である。 DNAの転写と翻訳を経て、アミノ酸が生成される過程は知られている。タンパク質はアミノ酸が集まり、複雑な構造を取ったもの。ではアミノ酸が生成されれば、タンパク質は自動的に形成されるのか。以前はそのように考えられていたらしい。DNAからタンパク質への過程はそう難しくないと。しかし、アミノ酸からタンパク質が作られるときには、DNAの物語に匹敵するほど凄まじい世界が広がっていることが明らかになってきた。それが、アミノ酸からタンパク質を作り出す際に助けとなる、分子シャペロン。分子シャペロンによるタンパク質の合成は、とても美しく、驚かされる。 ついで生成されたタンパク質は、細胞内の様々な場所や細胞外に運ばれる。その運搬(「交通」)の仕組みも驚かされる。細胞内にある、タンパク質を運ぶレール。そのレールを上り・下りどちらかに動くモーター。また、核やミトコンドリアでのタンパク質の取り込み方。 さらに、不要となったタンパク質の回収、リサイクル方法。ユビキチン・プロテアソーム系分解による選択的分解と、オートファージによるバルクの分解。タンパク質の効率的な分解、リサイクルの仕組み。 最後に、生成において不良品となったタンパク質への対処法。ここは製造業の工場での品質管理になぞられて説明されている。これはとてもうまい説明だ。生産ラインを止める、不良品を修理する、不良品を廃棄する、工場を閉鎖する。ここでも、細胞が備えているシステムのすばらしさに感嘆する。 総じて著者の説明の仕方がうまく、どんどんと引き込まれていく。そうして明らかになる細胞のシステムにただただ驚くばかりである。ここまで面白い生物学関連の本は、久々である。願わくば、次に読むと良い読書案内があるとよかった。そう思うほど、すっかりタンパク質の世界に魅せられてしまった。
かつて私は、このような健気なシャペロンを「細胞内の名脇役」と呼んだ。
 08年7月下旬頃の朝日新聞の日曜書評欄にこの著作が紹介されていた時の、歌人でもある著者が専門であるタンパク質について、人の一生になぞらえてまとめてみました、というような紹介文に、私自身の普段から抱く生命の神秘、そして著者の、何かとても豊かな印象を受け、手にとってみました。  私たち生物が膨大なタンパク質から成り立っていることの不思議さや神秘を、ずっと抱いてきましたが、ともすると生命をDNAメインで考えがちであった私には、視野をずっと広げてくれる刺激的な著作でした。「遺伝暗号が指定するのはアミノ酸の情報、正確に言えばアミノ酸配列の情報だけであった。」(57ページ)であって、「タンパク質が正しく作られなければ、細胞は生命を維持していくことができない。」(70ページ)なのですね。私たちを含めた生命の体の中で、実際に日々刻々と働くタンパク質の世界が非常に複雑・精緻で、その複雑さの中にも理路整然としたものを感じ、驚くとともに、読めば読むほどに、この地球上での進化で何故に、そして如何にこの複雑精緻な仕組みが築かれていったのだろうか、と想わずにはいられませんでした。著者自身が「人間社会における現象を、細胞の世界にアナロジーとして持ち込んで解釈することには慎重でなければならないだろう。」(191ページ)と断りつつも、例えば異常なタンパク質が発生した際の対処方法など、まるで人類の築いた合理的な生産工場のようで、「見事に合理的なシステムであると驚くほかはない。」  HSP47、というコラーゲン・タンパク質を誘導する分子シャペロンについて、これを発見したのが著者であるそうで、その発見のいきさつ、仕組みなどが熱く語られています。著者の、タンパク質研究に対する情熱を感じ、私自身、何かこうした研究者の方々に憧れを憶えてしまいました。 
細胞内小器官の機能の本質が分かる
 書名は「タンパク質の一生」であるが,この本は,細胞の機能を俯瞰し理解する上で,非常に優れた本である。いわゆる細胞生物学の本では,細胞内小器官自体について,その機能を解説するというスタイル,叙述方式になる。しかし,この本では,タンパク質の生成から,「成熟」,そして分解までを一連のプロセスとして描き,その中で各々のオルガネラの機能を展開するというスタイルとなっている。  勿論,細胞の機能は,タンパク質代謝系だけではなくて,エネルギー代謝系もあるので,タンパク質の生成分解過程だけで,細胞の機能が解明される訳ではないが,「タンパク質の一生」に細胞内小器官がどのように関与しているかという,一本筋の通った叙述方式は,オルガネラの役割を説明し,理解させる方法として,非常に有効で分かりやすいものであると思う。  少なくとも,評者にとっては,本書により,細胞内小器官の機能の連関の一部を理解できたような気がする。
生命の精緻な機構に驚かされる
 DNAには、タンパク質のアミノ酸配列が塩基配列としてコード化されている。 その塩基配列をRNAが読み取り、アミノ酸の鎖ができ、タンパク質が合成される。 本書を読む前からそのことは知っていたし、そのことだけでも、十分に生命の不思議を 感じていた。しかし、本書で丁寧に説明されているのは、その後のプロセスにおける、 生命の仕組みの驚嘆すべき精緻さである。  一次元のアミノ酸の鎖から、どのようにして複雑な構造と機能を持つタンパク質が 形成されてゆくのか? 形成されたタンパク質は、細胞内をどのようにして 運ばれてゆくのか? 大きなタンパク質が形成されてしまった後では、膜を通過できない 場合があるではないか。その場合はどうなっているのか? 中にはタンパク質がうまく 形成されない場合もあるだろう。その場合はどのような機構が働くのか?   本書には、細胞内におけるタンパク質の誕生、成長、輸送、死、そして品質管理の 仕組みが、専門外の読者にもわかりやすく、読みやすい文体で記述されている。 ページをめくるたびに、細胞内に存在する精巧な機構に、驚きの声をあげそうになった。 分子生物学が明らかにしたところによると、我々の身体を形づくっている細胞の中で、 音も立てずに素晴らしいスピードでまことに合理的な機構が働いているのだ。 この仕組みが、進化の過程で発達してきたことを考えると、生命の不思議さに 改めて感動する。  著者もあとがきで述べているが、いわゆる「科学もの」は一般の読者に伝えるのが 難しい。正確に伝えようとすると専門的になりすぎ、一般を意識しすぎると中途半端 なものになってしまいやすい。本書は、そのような困難な課題をみごとに乗り越えて、 正確でかつ一般の読者にも分かりやすい、稀有な書物である。



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くちコミ情報
未知の世界へ
長期療養中のおじにプレゼントしました。 文字を読むのに困難のある人、読むことに疲れた人にも最適だと思います。 ページをめくるたび、そこにあるのはじっとりと汗のにじむ熱帯雨林、血の匂いの混じったサバンナの乾いた風、 息も凍る極寒の大地、動物たちのごまかしのない生態。 美しいです。 また、写真家や撮影時のエピソードが所々控えめに紹介されていますが、実はこれが相当面白い! 全身蚊に刺され、あるいは肉食動物の気配に怯えながら草むらの中で、木の上で日夜息を詰めてカメラを構える写真家たち。 かたや一週間お風呂に入れないなんて想像も出来ない、蚊一匹に大騒ぎし、ちょっと寒いだけでヒイヒイ言う自分。 …この写真集は憧れはすれど現実問題夢のまた夢な写真家ワールドも 垣間見せてくれるのです。
動物図鑑では味わえない楽しみ
動物好きの息子に、動物図鑑とは違う写真集を、と考えこの写真集を購入しました。 テレビにも動物の映像はあふれていますが、迫力という点では、一瞬の野生を捉えた写真の 方が動画よりも優れているように思えます。その魅力は子供にも十分に伝わります。 息子は、この写真集に出てくる動物を図鑑で調べて楽しんでいます。 昔からジオグラフィックの写真集が好きでしたが、相変わらずの良心的な価格だと思います。
傑作写真ベスト100−ワイルドライフを読んで
私が最初に惹かれて購入に至ったきっかけは表紙のシロクマの写真でした。何とも愛らしくつい笑みがこぼれてしまうようだったからです。こんな写真がいっぱい入っていたらいいなと思い手にするのを楽しみにしていました。数日後に手に届き中を開くと・・・スゴイと思う感情と思っていたのと違うという少しガッカリした気持ちがあったのです。それにカエルや昆虫のアップの写真はちょっと耐えられないものがありました。ワイルドライフ・・・野生動物。昆虫は動物なのか?と少し思いましたが数枚のその写真さえなければなって思ってしまいました。昆虫が本当に苦手な人には要注意!!その他の写真は本当に野生を生きる過酷で時に美しい動物達の光景が広がっています。でも表紙のようにひょうきんな感じはありませんので、それを求める人は向いてないかも知れませんね。
写真家の勇気に脱帽!
表題のままの感想デス。 一才の息子と見ようと買いましたが、かなり早すぎました。 大切にとっておくことにします。
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さすがナショナルグラフィックと思わせる数々の決定的瞬間に息をのみます。 動物たちの息が聞こえてきそうな迫力でした。 同じ地球に人間の全く踏み込めていない世界があると感じました。 お勧めです。ナショナルジオグラフィックの世界を体感してみてください。



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真の科学者とは?
 現代の基準に照らしてみても「ダーウィンってすごいな」と思わずにはいられない。現代の研究者にはものをじっくりと考える時間がほとんどなく、ともかくもデータを取るので必死だ。そして研究の先にあるビジョンについて語らせれば、テレビのワイドショーで使われているような陳腐な決まり文句がポンポン出てくるので、聞いている方が恥ずかしくなってくる。本書を読むと、物事をとことんまでつきつめて考えることがどれほど重要であるか、身に染みて分かってくる。
衝撃的な理論は、人並み外れた真摯な態度から生まれるのだ
画期的な論理を展開した科学者の多くが、宗教との対立など、センセーショナルに語られるのだが、彼らは、驚くほど挑戦的ではない。より真実に近いことを追求しようと、あらゆる情報を精査し、長い時間を考え続け、そして、自分が納得できる論理を紡いでいく中で、やっと、その理論に至っている。この本を読むと、その思考の過程を垣間見ることができる。いや、かなり実感できる。しかし、この本を手にしたほとんどの人間は、最後まで読みきっていないことが、ほぼ確実に予想できる。大抵の人間には、ダーウィンほどの忍耐強い観察と思考についていくことは不可能なのだ。しかし、読みきれないからこそ読む価値がある本もある。数ページでも読み進めれば、自分が如何に浅はかな閃きを求められる世の中に生きているか、ということに気づいてしまうだろう。そして、いつか、これを読みきれる人間になりたいと願う。(読みきれない人間のメモ)
論理の飛躍
 古典を批判することは厳禁であると考えれている。これがすべての科学的な書物に妥するとは限らない。  種の相違をDNAの相違、ゲノムの相違として1%異なるとかと考えられて種が区別されるが、この区別はどこまでも相対的区別であって、一つの種が他の種から分岐したとは考えられない。分岐というからには、一つの種が一定のゲノムをもち、それから別の一定のゲノムをもつ種が派生したことを証明しなければならない。これを現存のゲノムの相違から分岐したするのは非論理的である。  生物であるから、全く相違しているとは考えられないが、だからといって、現存の種の違いから、一つの種から別種が連続的に分岐、派生してきたいうのは論理の飛躍である。さまざまな種が存在しなければ、生物ということも考えられないし、逆に生物というときには、さまざまな種を考えているのである。これを分岐によって一つの種に連続させてしまうのは、論理の飛躍である。人はこの論理にいつになったら気づくのであろうか。
進化は認めても“生物意識”は認めない「非科学進化論」
◆本書は、「種」を定義することなく「種の起源」を論じるという根源的誤りを犯した。それが「ヒト種の始まり」を定義できずに、類人猿との差異化の起源を「ヒト起源」と呼ぶ、今日の進化論をもたらした。このような進化論は、「ヒトはその起源からヒト」という「創造説まがいの進化論」である。◆本書が表す進化論では、進化を認めても、「ヒト=理性(意識)ある動物」という近代的ヒト定義は変わらない。もともと「理性(意識)」そのものをヒト固有で定義しているから、「ヒト起源が最初のヒト」では、「ヒトに意識は最初からあった」としかならない。つまりこのような進化論では「意識の起源」は求めようがない。◆また、本書は育種のメカニズムを「人為選択」と呼んで、自然選択とは対置した。これも「理性(意識)はヒトに固有」という近代的ヒト定義(人間観)に基づいている。◆「人為選択」とは、ヒト脳の演算機能により、ある規則に基づいた交配を、ある生物種に対して累代的に行うことだ。しかしながら、脳を持つ動物なら、配偶者選択は必ず自分の脳の演算で行っている。また、交配を動物に依存する植物だって、動物脳によるある規則に基づいた交配選択を、累代的に受けている。◆ヒト脳による交配選択を特別視した「人為選択」は、進化起源論を誤り、意識をヒト固有と思い込む概念設定である。一方「自然選択」はこの裏返しで、意識がヒト以外にないという思い込みから生まれた“虚構”である。本来、進化を認めるなら、意識も時系列上の各「種(ステージ)」ごとに進化したと考えなければおかしいのだから。◆ゲノム生物学は今日、「ヒト=包括的ヒトゲノム(ヒト細胞核機能)による表現型の総合」という科学的ヒト定義を提供する。本書のような非科学的ヒト定義に基づく「非科学進化論」は、ただちに棄却すべきである!
共時的種と通時的種~看過ごされてきた基本問題:One Point Review
◆ダーウィンの種分岐論はこういう。昔ある種Aがあったとする。あるとき、それが亜種を経て独立の種Aa、A に別れた(A→Aa&A )。このとき、もとの「種A」は「属A」に“繰り上がる”(奇妙なことに、ここで種Aが「絶滅した」と彼は考える。Aは「生き続けた」からこそAa A に進化したはずだが)。◆さらに時を経て、種AaがAa1とAa2という種に分岐したとする(Aa→Aa1&Aa2)。このとき、同時にA も種分岐した(A →A 1&A 2)とすると、A も属になる。AaとAbの共通の祖先Aは、「属Aa」と「属A 」の上位タクサ、つまり「科A」ということになる。この場合、系統進化の「繰り上がり」は整合的である。じつは、ダーウィンはこの場合しか考えない(4章、14章)。◆ところが、Aaの分岐時点で、種A がまだ単一種に止まっている場合、系統「繰り上がり」に矛盾が生じる。つまり、Aは「属Aa」に対しては「科」になったのに、「種A 」に対しては「属」のままである。この矛盾を解決するには、「種A 」を無理に属扱いすればよい(「1属1種」)。ダーウィンは長期間同一の種に止まる場合もあると認めている。もし当初のAの分岐でAa、A のほかにAそのものがそのまま存続したらもっとややこしくなる。◆さて現代進化学では、形態的に大きな差異が生じると、単系統で生殖的に連続(親子関係継承)の生物系統にも、異なる属名をつける。人類は、ラマピテクス属、オーストラロピテクス属、ホモ属(種はH.ハビリス、H.エレクタス、H.サピエンス)を渡りあるいた(?)ことになる。これはダーウィン的な系統「繰り上がり」論とは相容れない属概念である。ダーウィン流では種を遡ると属、それを遡ると科に行く。種(共同生殖集団)は種から生じる。しかし、属から他の属に遡るという話にはならない。論理的にはダーウィンのほうが正統的である。彼は、「種の通時的な変遷」をとらえている。現代進化学は、単系統の生物種(通時的な同一種)を形態種(共時的種)で区分して矛盾をきたし、ついには「種は実在しない」という逃げ道に逃げ込んでいるように思われる。



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微視的思考ではわからない生命の不思議
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 清水博氏によると、生物の世界においては単独で活動するよりも、幾つかの異なるものが複合的なサイクルを作る方が、お互いがより高次な系に組み込まれていくことによって、さらに安定した共存的システムへと進化していくのだそうです。  さらに清水氏は、自然界においては<個>と<全体>は互いにループで結ばれた階層構造をなしており、両者は構造的にも機能的にも分離することができないという考え方を土台にしながら、その階層構造の中に人間の社会や組織をも組み込んだ自然観を提示しようとしており、それをバイオホロニックスと呼んでいます。  バイオホロニックスは生物の世界において<個>と<全体>がどのように調和しているのかを説明するものですが、同氏は要素還元論的な発想から<個>を捉えることはせず、「ホロン」=「関係子」という概念を使って「生きている自然のシステム」を解き明かそうとします。  関係子とは従属子や独立子ではなく、自由な<個>でありながら、その自由選択性ゆえにシステム全体における秩序形成に自主的に参画し、<全体>を形作るものであり、そういう仕組みこそが生命システムであると清水氏は述べています。



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我々は一体何処から来たのか?、生命とはなんぞや??。それを教えてくれるのは、細胞内の小宇宙、開きかけた秘密の小箱、陰の支配者、死の天使、じゃじゃ馬娘:そいつの名はミトコンドリア。彼女との知的冒険旅行へ貴方をご招待!。
 ミトコンドリアはいわば、細胞内の小宇宙:超々小型高性能発電所である。酸素という超危険物を扱うエネルギー・プラントなのである。細胞の生命活動に必要なエネルギー(ATP)の供給源であり、生きていく上で絶対に無くてはならない細胞内小器官なのだ。その一方で、活性酸素種等のフリーラジカルを大量に発生させる、困った面も持ち合わせている。また、ミトコンドリアは単なる発電所ではない。我々真核生物に両性が在るのも(有性生殖・片親遺伝)、生きるも(エネルギー供給)、死ぬも(アポトーシス)、すべて彼女が支配していると著者はいう。副題の”Powe ,Sex,Suicide”(原著ではこれが本タイトル)とは正にこの事を指すのだ。更には真核生物として進化したのも、また生活習慣病も発ガンも老化も、全て彼女が決めたのであるとのご主張である。彼女はいわば、全知全能の”陰の支配者”である。そう、この本はミトコンドリアに関する壮大な最新統一理論への招待なのである。実に面白い。ミトコンドリア学はここに来ての進歩が愕くほど目覚しく、殆んど毎週の様に注目論文が出て、その”箱の秘密”がどんどん解き明かされつつあるのだ。  15〜20億年前の太古の昔、我々のご先祖の原始的生命体(アーケア:メタン生成古細菌)が、その体内にミトコンドリア(アルファ・プロテオバクテリア)を取り込んだ事(収奪的共生、融合、というよりキメラ生命体誕生が正しい表現である。それは決定的に衝撃的で、言語に絶する特異的で偶発的な瞬間であった。)により、我々のご先祖には真核生物と呼ばれる複雑で多細胞の大型生命体(筆者は”戦艦”になったと表現している。)へ進化する道が拓けたのである。その代わり、進化上の”ある宿命”を負うことになった。それが活性酸素・フリーラジカルの発生とそれによる酸化である。因みに、私はこの生命史上のエポックメイキングな特異的偶発的事象(singula ity)を、”16億年前の大事件”と呼んでいる。ミトコンドリアは機嫌が悪い(電子伝達系不全という)と、辺り構わず危険なフリーラジカルを撒き散らす、とんだ“じゃじゃ馬娘”であるのだ(笑)。この大量に漏出したフリーラジカルが老化が加速し、結果として、ありとあらゆる病気、即ち、アルツハイマー・パーキンソン病などの神経変性疾患、糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病、癌・悪性腫瘍などが起こって来るのだと筆者は言う。全く同感である。その通りである。  まさに、”改訂版”ミトコンドリア老化仮説である。ミトコンドリアゲノムは”焼却炉”のすぐ横に納められている上に、核DNAと違って保護蛋白ヒストンにくるまれておらず、修復能も低いので、極めて障害され易いと言うのがミソである。障害が蓄積したミトコンドリアDNAは、ミトコンドリア機能不全をもたらし、エネルギー(ATP)不足が閾値を超えた時点で、宿主細胞はアポトーシスによって、その傷害されたミトコンドリアと供に容赦なく排除される。引き金を引くのはミトコンドリアである。つまりミトコンドリアが宿主細胞の”生殺与奪の権”をがっちり握っているのである。全体の利益のために、宿主細胞は”抱きつかれ心中”に追い込まれるのである。それが”内部からの処刑”即ちアポトーシス(Apoptosis:P og ammed Suicide)である。ミトコンドリアと宿主細胞は太古の宿命的出会い以降、ずっと”運命共同体”であるのだ。しかし、何らかの原因によりフリーラジカルの漏出が異常に増加し、この浄化・排除機構が著しく高じると、細胞脱落亢進・臓器萎縮そして段階的機能低下からいずれ変性疾患、老化、癌などにつながって行くという理屈である。その原因とは、喫煙、過剰運動や睡眠時無呼吸による虚血再還流障害、過剰ストレス、感染、過剰紫外線等、いろいろであるが、恐ろしい事に、食事が最も係わっている事実が最近解ってきたのである。食後は細胞内は大変な緊急事態なのである。筆者は、高齢者の組織細胞に今残っているミトコンドリアゲノムを調べても、大した障害は滅多に見つからない筈だと言う。実際の解析データもそうなっている。これは、宿主細胞は我々の想像以上にダイナミックにアポトーシスに追い込まれて、浄化されている事の1つの証拠である。その細胞が今残っているという事は、ミトコンドリアゲノム障害が少ないからであって、その背後には、消滅した膨大な細胞群がある事を忘れてはならない。そう、アポトーシスとは現場に証拠が一切残らない”静かな心中”なのである。  我々は、食べる毎にどんどん老いる。食べるとは、生きる為であり、同時に老いて死ぬことでもある。それがメタボ・エイジング理論(仮説)の真髄である。何と言うパラドックスであろうか!。筆者は本著内でチトクロームcを、”双面神ヤヌス”に喩えている。一方の顔は生、他方の顔は死。チトクロームcは呼吸鎖(エネルギー産生部位)のメイン分子の1つでありながら、かつアポトーシスに欠かせない要素でもあるからである。そうなのだ。食べること事体、ヤヌス神みたいなものなのだ。しかし、”食べたら老いる、食べたら早よう死ぬなんて、そんなア0な!。生きる為に食べるんやろ。”と仰る向きもきっと多いであろう。この仮説(伊藤理論)が、かの地動説にも匹敵する大パラダイムシフトであるからして、皆さんが付いて来れないとしても、それは致し方ない事である。地動説(1543年発表)が定着するのに、何世紀もの長時間を要した歴史は皆さんご存知の通りである。ガリレオやG.ブルーノら、迫害と犠牲の歴史でもあるのだ。メタボ・エイジング仮説の普及一般化にも、それ位の時間が掛かってもなんら不思議はない。しかし、その逆説に気付いた事で私が救われたのも事実。そして奇跡が実際に起こったのである。メタボ・エイジング仮説、万歳!である。皆さん、ゆめゆめ忘れる事無かれ!。食べなかったら死ぬ(餓死)が、食べたら老いる事も(メタボ・エイジング)。    そこで、病気にならずに長生きしたければ、ミトコンドリアからのフリーラジカルの漏出を最小限に食い止めることが肝要である筆者はいう。そう、ミトコンドリアの高効率化である。これを”Efficient Mitochond ia”という。即ち、より多くのATPを産生しつつ、活性酸素の産生は逆に少ないミトコンドリアのことである。筆者によれば、健康長寿を目指すには、“ミトコンドリアよ。分裂せよ。”と叫ぶ事だそうだ(笑)。即ち、その心は、身体活動や精神活動を若い時から歳を取ってからも保ち、ミトコンドリアを存分に働かせる。このエネルギー需要がミトコンドリアを分裂させ、ミトコンドリアに予備力と高効率化をもたらすというのだ。実に素晴らしい。筆者の考え方は、私が提唱するLOLAS(ローラス)にそのまま通じるのである。また、筆者はアスピリンという極めてお安いお薬がミトコンドリア(呼吸鎖)の脱共役化剤である事を指摘している。つまりアスピリンは寿命延長物質(ミトコンドリア機能改善剤)であると予言しておられるのである。実際、それを支持するデータ(JPADなど)が最近ドンドン出てきているのである。実に素晴らしい。  また、”鶴は千年”という位で、鳥類(恐竜の生き残り)のミトコンドリアは哺乳類のそれより遙かに効率がよく、予備力にあふれ、代謝は亢進しているにも拘わらず、フリーラジカルの発生はむしろ少ないのである。なぜ鳥ミトコンドリアがそんなにスゴイのか?。なぜそんなにefficientなのか?。平均でも3〜10倍は高効率で、鳥は長生きかつ病気知らずなのだ。なにせあの小さい鳩が、驚くべき事に35年も生きるのである。その凄さの理由を世界中の研究者が日夜追いかけているにも拘わらず、残念ながら詳細は未だに不明だが、我々ヒトも、何とか鳥のレベルを目指しましょうよ、というご主旨なのだ。その為に今出来る事で、最も大切なのは言うまでもなく、”食事”であると私は考える。フリーラジカルの最大漏出原因が食事によってもたらされる以上、何を食べるか、食べてはいけないか、何度食べるか、どういうタイミング・インターバルで食べるか、これこそがフリーラジカルの漏出抑制のキーポイントになるのである。生きて行けるだけの栄養素を、最小限・最少回数で食べる事である。私は現在、Si tuinDietやLOLAS(脚注参照)を実践する事で、”鳥になる”ことを目指しているのだ。その内、”コケコッコー”と鳴き出しそうだ(笑)。因みに、コウモリは哺乳類ではあるが、寿命は鳥並みである。実際、中国では、蝙蝠は長寿のシンボルで、日本での鶴・亀のように誠にお目出度い動物とされているのだ。どうも飛行する事がミトコンドリアの効率化、余力アップにつながるようである。逆に、Efficient Mitochond iaを持つまで進化しないと、飛べないと言うことなのだ。バットマンを敬うべし(笑)。それにしても鳥類は、6500万年前まで地球上の盟主として君臨していた恐竜の末裔・子孫だけのことはある。ミトコンドリアの能力からすれば、鳥は地球上で最も進化した生命体と言っても過言でないのだ。だから、最近の私は鳥のことを敬意を込めて”おお鳥さま”と呼ぶ(笑)。話しは脱線するが、その病気知らずで元気印の、”真の地球上の盟主様(おお鳥さま)”でさえも脅かすインフルエンザというウイルスは、我々下々の動物どもにとっては正に最大の脅威(デーモン)そのものである(怖)。努々、新型パンデミックへの準備を怠ってはならない。  確かに筆者が言うように、運動・身体活動がミトコンドリアの効率化に良いというのは事実であるが、有名アスリートで”百寿者”は殆ど聞かない。鍛えに鍛えている訳だから、そういう方はもっともっと長寿でもよさそうだが、実際はそうならない。なぜなのか。要するに、程度モンなのである。長生きにはやっぱり、適度な運動とストレスなのだ。適度な運動はミトコンドリアに少量の酸化ストレスをもたらし、その機能亢進につながるが(これをミト・ホルミーシス効果という。)、無理で過激な運動は過剰な酸化ストレスを産生し、かえって危険であるという事だろう。余りにハードなトレーニングは虚血再還流障害を頻回にもたらし、フリーラジカル・酸化ストレス・炎症の嵐を呼ぶという事なのだ。そうなると長生き出来る筈がない。運動とストレス・コントロールはあくまでミトコンドリアの鍛錬・機能亢進・高効率化の一環であるのだ。やっぱり、過剰でも皆無でもダメで適度が宜し、という事になるのだ。また、著者は抗酸化物質の過剰摂取が殆んど長寿につながらない事を指摘している。激しく同意である(笑)。同じ理屈である。”ミト・ホルミーシス効果”概念からすれば、寿命延長どころか、むしろミトコンドリアの機能低下を招き、事態を悪化させる可能性さえあるのだ。従って、大金を払って抗酸化サプリを沢山取ればよいと言うものではない。業界が躍起になっても一向に、芳しいデータが出てこないのも当たり前の話しである。おっと、こんな事言ってると、サプリ業界にやられそうだ(笑)。  本著で唯一異論があるとすれば、エピローグの章で、”脂肪の多い西洋型の食事は安静時に発生するフリーラジカルを増やし、特にアフリカ系人種が心臓病や糖尿病になり易くなる”としている点である。問題は脂肪の取り過ぎではないのだ。フリーラジカルの過剰漏出をもたらすのは、実は、炭水化物の方なのだ。1万年前に穀物食を始めた現生人類は、過剰に発生した活性酸素・フリーラジカルの消去・スカベンジに四苦八苦し、”じゃじゃ馬馴らし”に本当に難儀しているのである。この事態を私は”1万年前の取引”(脚注)と呼んでいる。この地球上で何億人もが、炭水化物の摂りすぎによるミトコンドリアの機能不全・効率低下、それからもたらされる諸病、例えばメタボや糖尿病、神経変性疾患、癌等に悶え苦しみ、老化加速の罠に嵌っているのである。かく言う私も昨年7月までこの罠に嵌っていた(恥)。そしてメタボエイジング理論にたまたま出会って救われたのだ。伊藤裕教授に感謝。もし貴方が健康でいたければ、長生きしたければ、いつも彼女(ミトコンドリア)の存在を意識し、上手く付き合う事(フリーラジカルの漏出抑制)に全力を傾けるべきである。兎にも角にも、まずは食事に気を付けることである。食べるものの種類、食べる回数・間隔・タイミング、最後に食べる量である。  それからもう1つ、本著で、せっかく”使い捨ての体”理論(寿命と生殖は釣り合いを取るようになっているという概念)に触れているのだから、CR(炭水化物制限)やSi 、Si tuinとの関連にも出来れば詳しく言及して欲しかったものだ。餌が豊富な時は、個体の寿命がたとい短縮しても、ドンドン喰って生殖を盛んにして、個体数を増やした方(早めの世代交代)が種の繁栄には有利である。一方、餌が乏しい時は、生殖を犠牲にしても、個体の寿命を延長して若さを保ち、いずれ餌が豊富になった時に生殖出来る様に(いつまでも若く、世代交代を先送りして)備える。それが種の保存に有効であるというのがSi tuinの本質と私は考えている。つまり寿命と生殖は本質的に二律背反なのである。但し、ここん処はホントに新しい処なので、次版の楽しみに取っておく事とする(笑)。私は昨年7月のメタボエイジング理論との衝撃的出会いから、彼女(ミトコンドリア)の存在を常に意識したライフスタイル、即ち、Si tuinDietやLOLASをこの15ヶ月間実践して、奇跡的に生まれ変わったのである。私が実際若返った事は自他共に認めるところである。お頭の天辺など髪の毛が細くなって地肌が見える、所謂、ハOであったのが、今は見事に復活しているのである。腹囲120cmの頃は殆んど棺桶に片足を突っ込んでいたのにである。詳しくは私のプロフィールを参照して下され。この事実は、彼女(ミトコンドリア)が全てを決める陰の支配者で、奇跡を起こせる天使でもある事の一つの証拠である。Si tuinのパワー何と恐るべし!。食事(炭水化物制限、断食24h・48h・72h、レスベラトロール)、Si tuin、PGC-1・mtTFA、ミトコンドリア、アポトーシス、細胞脱落・臓器萎縮、老化・病気 健康長寿、早死 PPK。この流れを常に意識すべきである。  最後に、筆者は、”ありとあらゆる老化性疾患にミトコンドリア機能異常が関与しているとなると、個別の病気の解析に一々対応していても仕方がない”と仰る。”個々にやっても、今まで意味のある突破口(ブレイクスルー)を1つも切り開いていないし、これからも上手く行かないであろう”と予言する。そして”今の(西洋)医学はどうも間違った方向に向かっている様だ”と警告する。実に素晴らしい。全く同感である。間違っているからこそ、アンチテーゼとして、統合医療とか補完代替医療が登場してきた訳だ。アルツハイマー病の遺伝子変異がどうだとか、パーキンソン病の方はどうだとか、下流で個別にアプローチしてもホント仕方がないのだ。労多くして、効少なし。民の幸せも少ないのだ。健康長寿(PPK:ピンピンコロリ)になれるかどうかは、もっと早い時点から、彼女(ミトコンドリア)のポテンシャルを如何に引き出すか(Efficient Mitochond ia:より多くのATPを産生しているのに、フリーラジカルの産生・漏出はむしろ少ない状態。これを達成出来るかどうか。)、この一点に懸かっているのである。早い内から一番上流を制する事が大切である。もし、ここを制御できれば、老化関連諸疾患は一気に解決、そう一網打尽にできるかも知れないのだ。それこそ、大ブレイクスルーが訪れるに違いない。それにしても、筆者の見識の高さには驚くばかりである。    このご本は少々お値段が張るし、500頁近い大冊でもあり、しかも専門用語に溢れているのである。巻末に用語集が附いてはいるが、ほんの申し訳程度なのである。また、大学の理系学部のセミナーの教材として使用されている位の代物だそうで、一般の方には少し難しいかもしれない。実際、私がこの本を購入して読み始めたのが2008年4月だったのに、レビューを漸くアップ出来たのが半年後の10月になってからである。しかし、知的好奇心が旺盛で、刺激を受けたい方は一度チャレンジされては如何であろうか。少々苦労しても、それだけの価値があるご本である。生命に対する深い洞察と最新の思想・世界観を得られる筈である。私のように人生が変わる方が出て来るかもしれない。さすれば、むしろお安い位である。お金と時間を費やした甲斐があるというものである。生物学、医学、生理学に関心のある人や学生さんのみならず、哲学、人類学、社会学など関心が文系の方にも、そしてメタボや糖尿病の患者さん、健康長寿(PPK:ピンピンコロリ)を目指しておられる方にお勧めできる実にエキサイティングな意欲作である。(尚、原著は英Economist誌による”Book of the Yea 2005”の栄誉に浴しているとの事。英語に自信のある方はそちらにも挑戦されては如何であろうか。) (脚注)ホルミーシス効果:高用量で有害影響を持つ化学物質(放射線、酸化ストレス等)は低用量では有益な影響を持つことができるという概念。例えば、低用量において、ホルモンの放出の引き金、遺伝子発現のオンオフ、細胞成長の刺激など様々な影響を持つことがあり得る。高用量の暴露を受けた時にダメージを受けないよう、低用量時にある種の防御メカニズムを刺激するもので概念的にはワクチンに似ているとも言える。ミトコンドリアにおいて、少し酸化ストレスがある方が機能亢進を得られる事を”ミト・ホルミーシス効果”と呼ぶ。従って、過剰な抗酸化物質の摂取で活性酸素を消去し過ぎるのも逆効果になるのだ。過ぎたるは及ばざるが如し。過剰でも皆無でも駄目なのだ。        メタボ・エイジング理論(仮説): ”食べる”とは、ヒトが生きるため、成長するため、活動するため必須であるが、”食べる”と言う事は、同時に、老いる事であり、病気になる事であり、早死にする事でもあると言う極めて革命的な概念。伊藤裕教授(慶大)の提唱なので、私は”伊藤理論”と呼んでいる。私を救ってくれた有難い理論である(笑)。蛋白質と脂質は前者(即ち栄養、材料である)、炭水化物は後者の面(即ち燃料に過ぎない。栄養素と呼ぶに値しない。むしろ嗜好品。タバコと一緒で依存性まである。)が強い。(炭水化物を)”食べる”度に、細胞内・代謝環境は大撹乱の緊急事態で、火事場のような大騒ぎである。これが老化、万病、早死につながるのである。(炭水化物を)”食べる”事が、緊急事態で修羅場を招き、上へ下への大騒ぎで、かつ万病や早老・早死につながるのなら、食べる回数は少ない程良く(1日1食)、しかもゆっくり休む前に(夕食のみ)、そして炭水化物は出来るだけ控えめに(糖質ゼロ食でグルコース・スパイクやインスリン・シグナルが少なければ少ない程良い)と言う事になる。さすれば、2型糖尿病や脂質異常、メタボは忽ち雲散霧消し、 更には、余程のことが無い限り、発癌もして来ないのである。結果、健康長寿(PPK)になり、言う事無しである。つまり、長生きしたければ、”糖質摂取回数券”は浪費してはならないのだ。ついこの間(70-80年前)までは浪費したくても出来ない時代だったが、現在は誰でも浪費できてしまうのである。”精製糖質・自由摂取の罠”に嵌ってはならない。まずは、この”糖質摂取回数券”の存在に気付かないといけない。そして日々、券を如何に有効に使うかを意識すべきである。 但し、回数券を節約するのも、浪費するのも、結局、貴方(貴女)次第ではあるが。”太く短く”も大いに結構。自分の人生は自分で決める、である。    CR:一般にはCalo ic Rest iction(カロリー制限)の略と言われている。通常エネルギー摂取量の60%にカロリー制限するとSi tuinsが活性化してくる。従って”腹六分”でいいのだ。しかし、ヒトではタンパク質と脂質の制限は奨められない。この二つは身体の大切な構成成分であり、また、体内で合成できない必須成分(必須アミノ酸と必須脂肪酸)も多く、制限すると栄養失調のリスクが高まるからである。ヒトでは炭水化物の制限、即ち、Ca ohyd ate Rest ictionのCRの方 が、Si tuinsを活性化する安全かつ確実な方法と私は考えている。従って、ヒトでは、CRと