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【くちコミ情報】
薄い冊子ながら、今起こりつつある危機がどのようなものか、そしてこれからどのようなことが予測され、我々はどのように対処していけばよいのか、しっかりと書かれている。
本書は、著者が雑誌「世界」に2008年7月から10月まで連載した記事をまとめたものである。そういう意味では、表題の通り、今まさに起きつつある金融危機を生々しく論じ、臨場感のある冊子に仕上がっている。 著者の指摘は、鋭くかつ的確である。 今回のリーマンショックによる危機が表面化し、実体経済に影響が見られるようになる以前から、信用収縮は企業倒産をさらに増やすとしていたが、現実に指摘の通りの動きになっている。 また、米国中心の「金融資本主義」は破綻しつつあり、我々は今大きな歴史の波動の中に生きているという。 では、直面する経済危機に日本はどう立ち向かうべきか。著者は、自然再生エネルギーへの転換を進め、環境エネルギー政策で雇用を作り出す環境エネルギー革命をあげている。 薄い冊子ながら、今起こりつつある危機がどのようなものか、そしてこれからどのようなことが予測され、我々はどのように対処していけばよいのか、しっかりと書かれている。
濃厚な金融危機論
問題点と内容を絞りに絞った濃厚な味わいを持つ金融危機論です。以下要点をまとめてみました。 ご参考にどうぞ 第1章「影の銀行システム」の崩壊 銀行、証券会社は本体以外に運用会社を持ち、証券による信用創造機構を作っていた。 この運用会社は、本体の連結対象外、プロ同士相対取引、FRB、SECの監督規制外 という特色を持っていた。 第2章つぎの津波がやってくる 87年のブラックマンデー、98年のLTCMの危機では実体のバブル崩壊とずれが あったが、今回の危機では信用収縮と住宅バブル(実体のバブル)の崩壊が同時に 起きており、信用収縮と景気後退の悪循環が始まっている。 第3章ガス欠とオーバーヒート 世界はエネルギー転換という長期波動と「金融資本主義」の破綻という長期波動が同時 に起きており、それは資産価格デフレと資源インフレが同時進行するという異常事態を 引き起こしている。 第4章世界は壊れそうだ 不動産バブル崩壊は続いている。自動車バブルも崩壊し、米国の消費不況がグローバル 不況になりつつある。問題はそれが10年不況となるかどうかだ。 以上を読み返すと資源インフレの部分は外れはじめているようだが、それでもなお本書は、 その価値を失わない。良書だと思う。
既に古い?
ここに書かれている事は、2008年11月現在、当然のことながら既に過去のものとなっている。本書が書かれた後、アメリカ政府が米国議会下院の否決を繰り返すという異例の苦渋の決定の後、資金が逼迫した金融機関への公的資金(Tax Paye s' Money)75兆円強の投入を決定したこともあり、G7なり、G20なりのサミット等々等々もあり、毎日のようにころころと状勢は変わっている。 しかし、本書はサブプライム・ローンの成り立ちについて、実に巧く説明しているという点から高く評価できる。 良かれ悪しかれ現代資本主義を牽引してきたアメリカ資本主義の発展とその暴落というその金融メカニズムを短期間に理解する事ができる。 時事問題の面接に悩む今年の「シューカツ学生」にとっては、必読の経済書でしょう。
アメリカの金融資本主義の崩壊は始まったばかり。この不況は深くて長いものになるだろう。
今回の金融危機を収めるためには、アメリカの不良債権額を確定させる ことが不可欠と金子さんは説く。 なぜならば、不良債権の金額が確定しなければ、いくら公的資金を 投入しても、世の人々の金融機関への信用は戻らないからである。 今回の、金融危機への対処が難しいのは、アメリカの”投資銀行ビジネスモデル” の暴走が、不良債権額の確定を困難にしているからだ。 金融工学を駆使し、あまりに複雑な証券化を進めたためになかなか、損失額を 確定ですことができない。 おまけに、銀行や投資銀行の下には、連結決算対象外のヘッジファンドや SIV(投資専門のための会社)が、無数にあり、膨大なハイリスクの証券取引を 行っている。 これらの存在は、連結決算対象外であるため、高度な”飛ばし”が膨大にあると いうことである。 これら”闇の銀行システム”とも言うべきものたちが、現在、資金ショートを 起こし崩壊の危機に直面しているのだ。 FRBによれば、”影の銀行システム”の規模は10兆ドル規模に及ぶと言うが 本当の規模や闇の深さは誰にもわからないし、それらに手をつけたとき、経済や 金融が一体どのようになるのかは想像の世界でしかないのが現状だ。 今、世界中で、金融危機への対応を必死で行っているが、私はもう手遅れで 既に、恐慌状態に突入してしまったと思う。 地震であれ、ハリケーンであれ、起こるものは起こる(今回のことは人災だが) たとえ、80年前のような大恐慌が来たとしても、それはそれとして、覚悟を 固めて生きて行くしかない。今は、その人その人の”覚悟”が問われている 時だと思う。 なお、本書の理解をより深めるためには、ソロス著「ソロスは警告する」副島隆彦著「恐慌前夜」、竹森俊平著「資本主義は嫌いですかーそれでもマネーは世界を動かす」、ラビ・バトラ著「2010年資本主義大爆裂 近未来10の予測」及び「資本主義消滅最後の5年」が参考になると思われる。 上記のいずれの本にもレビューを書かせていただいたので ご一読いただければ幸いである。
「影の銀行システム」の崩壊
現在進行形の金融危機の本質を端的に分かり易く表した良書です。とても面白く70ページという分量にまとまっているので2時間で読み終えることができます(した)。 G7など政府がいろいろ対策を講じてもさっぱり金融危機が収まらない原因を「影の銀行システム」の崩壊にあると看破しています。「影の銀行システム」とは、銀行以外の決済機能を持っていないノンバンクを指し示す著者の造語です。ヘッジファンドや投資ビーグルや証券会社などが金融自由化の波に乗って、規制の及ばないところで、世界のGNPの10倍もの規模のデリバティブ取引(残高)という信用バブルを作ってしまった結果、担保となる不動産の下落により弾け信用収縮を起こしている最中と見ています。規制外の世界なので、損失が確定できない状態にあり、担保の不動産がまだまだ下がる現状では、従来のマクロ経済政策では信用収縮を止めることができないと述べています。現在、円を除けばドルは世界の通貨に対して強くなっていますが、米国や英国お得意の、金融工学を駆使した金融産業(影の銀行システム)の崩壊が進行すれば、最悪、ドル暴落と米国のヘゲモニーの終焉に進むと予想しています。 タイムリーな本であり大変参考になりました。
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必然なんて書いてない
ザクッと言えば、現在の金融システムが如何に危ないかとここ数年の投資銀行内部で行われていた事柄の紹介と言った所です。実名がかなり出ています。黒木亮の巨大投資銀行の内容ともだぶっているところがあります。 株式や債権の投資を行っている人や金融関係の人にとっては、とても参考になるし、読み物としてもまずまずです。 中程で冗長な部分があり、総頁も結構あるので、一気に読み切れないのでマイナス一つです。 結論としては流動性維持、リスクヘッジがリスクを大きくする合成の誤謬、あたりなのではないかと解釈したのですが。。。
巨大な災厄をもたらした金融イノベーション
邦訳題名が的外れだというのではないが、原題の”A Demon of ou own Design” は「俺たちが魂を入れた魔神」、つまり人間ファウストが契約を結んだ悪魔を思わせる。これが投資世界にかかわるものであることを知らせるために副題は「マーケット、ヘッジファンド、そして金融イノべーションの災厄」となっている。「魔神」とはこの「災厄」の元凶であり、著者によればその災厄は現状ではほとんど避けがたい。それが今や現実のものになってしまったことはわれわれが身をもって知るところである。 それではこの魔神の正体は何か。それは一言でいえば「市場の複雑性」(高度にレバレッジを組み込んだ多種多様な金融商品の市場)とその市場内部あるいは相互間の「密結合」状態(本来はプロセスの構成要素が緊密に連携している状態を指すエンジニアリング用語)である。これだけではまだ抽象的にすぎるかも知れないが、ここから現実に起きている事態、つまり各種のデリバティブズの流通とそれが招来するシステミック・リスクに思いを及ばせることは可能だろう。著者は「金融商品を単純化し、レバレッジを減らすことが、金融市場の制度設計を修正する処方箋である」という。(それは正しい結論だと思われるが、07年に出版された本書が現下の危機が不可避だったと主張しているわけではない。) 本書は幾つもの投資銀行でリスク・マネジメントの実務に従い、半ばは学者でもある著者の実践と研鑽にもとづいた力作である。ここに紹介した結論に到達する以前に描かれた80年代以降の投資銀行各行の浮き沈みはこの世界に渦巻く欲望の強烈さと幾多の大銀行がそれに立ち向かい、危うく立ち直った、リスクの巨大さを改めて思わせる。賢人賢者と讃えられる投資世界の大御所たちがITバブルでは一敗地にまみれていることも興味をそそる。著者はヘッジファンドとは定義不能と考えているようである。たとえそうでないとしてもその定義には明らかに手を焼いている。そうとすればリスクを対象とする本書を細部まで理解できなくても恥とするには当たらない。
金融危機の原因に迫る
本書は87年のブラックマンデー以降、金融市場に起こった様々な事件の背景についてマーケットの真っ只中に居た筆者が生々しく語った一冊である。現下に起こっている金融不安・金融危機に関する直接的な記述はないものの、現在の金融市場における暴落のリスク、市場のメカニズムについて舞台裏を知ることが出来、現状起こっている事象を理解するのに非常に役立つ。 現在我々が直面している問題は流動性やレバレッジの問題であるが、複雑になり過ぎた金融システムが「密結合」している為に危険度が増していると言え、誰の手にも負えない代物になっているという指摘がある。 その一方で、生物学的には極めて単純な能力特性の方が複雑な環境識別・適応能力よりも、種の保存には有効であるという教訓から、貴重な情報を敢えて無視するような粗視的な意思決定をする方が、市場リスクから身を守る為に有効であるという考え方を示していることは興味深い。 ともあれ金融市場の過去20年を振り返り、リスクを極小化する為に編み出された金融工学の発達にも拘らず、市場リスクは逆に増幅しているのではないかと感じる直感を裏付けてくれる著作である。
金融クラッシュの処方箋?。
数々の金融クラッシュの実況中継、みたいなところがあって、野次馬根性で読むにはなかなか楽しい読み物です。 また、著者が述べる、「今の市場にまかせたままではクラッシュは不可避」というのは、納得できる意見です。「市場に任せておけば万事OK」なんていう話が、「まさに空論」であることは、本書の中身から良く見て取れます。 といいながら、一方で著者は、それを防ぐための「各種の規制」には否定的です。で。「それではどうする?」という問いに対する答え。これはなかなか興味深いものですので、ぜひご一読の上考えられてみてはいかがでしょうか?。
地味な研究書
訳文は読みやすいかと思いますが、地味で盛り上げに欠け、専門用語や固有名詞が多く出てくる特に前半は、門外漢には読み難いです。後半は、スリーマイル島やビクトリア湖のお魚から、グレイシー柔術の歴史まで、小話が多く差し挟まれ、金融リスクへの最適解とは何かを探ります。ぜんたいとしては、体験を印象的に綴った静かな研究書といった趣でしょうか。
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意外と真面目な本
書名をみるといわゆる関連業者の暴露本みたいな感じがしたが、サブプライム問題の本質を垣間見るのに格好な本。特に日本の住宅ローンにはあまりみられないモーゲッジブローカーの役割にはこの問題を考える上で参考になる。 格付け業者も含めた関係者を俎上にのせ問題点を具体例で提示、最後には著者の問題対処方法が述べられている。基本的な考え方は、関係者それぞれのモチベーションをいかに変化させるかが重要との指摘は要をえたもの。 S&L危機では多数の金融関係者が刑務所行きになったが、この問題は関係者が広範にかかわっている点で今後の展開がどの様になるかは不明だが、ここで書かれている様ないい加減な事が処罰されないですむものなのか非常に不快な気分になる。 余談であるが、監訳者によれば、投資の指南本的な要素を読み取ることが書かれているが、その様な読み方はできなかった。(問題の関心が全く違うため)
人生を豊かにする参考に
サブプライムから何を学ぶか。多くの本が、読み手によって違うものを与えてくれるように、この本もどう考えるかによって価値が変わる一冊です。 内容を追っていくと、アメリカのサブプライム問題がどうして起こり、解決には何が必要かということなんですが、日本で普通に暮らしている人にも教訓となる事柄がいくつか見つかります。例えば、「儲かる」という言葉に踊らされる前に何に気をつけなければならないかということや、人生最大の買い物とも言われる住宅を手に入れるのに最もよいタイミングはいつか、などということです。特に、投資に興味がある方は、読んでみたらいかがでしょうか。自分がどんなものに投資しようとしているかを知ることがいかに大切か、またその信頼性を保証しているものがどれだけ主観的に操作されているかがわかるようになります。
リアルナニワ金融道〜低所得者向け住宅ローン編〜
びっくりするほど、ナニワ金融道の世界だった。 客観的に見れば破綻することは目に見えているのに、なぜ多くの人が幻想を抱いてしまうのだろう。 アメリカの後追いばかりしている日本も、いつかこんな事態になるのだろうか。バブルを経験した国が繰り返すにはあまりにも滑稽すぎるが、現状を見ると、冗談で済むとも思えない。
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実践的な内容です。
どんなことが、いくらから出来るのか、そのことが具体的に書かれています。それをどこにすれば良いかも明確なため、まさに今日から実践出来る!という内容になっています。私個人としては寄付というより自立支援という部分に力を入れたいと思っています。エコファンドという存在は知っていました。しかし市民銀行などの試みは新しい発見でしたので、驚きでしたし、斬新は発想だと思いました。難点は本書ではボランティア的な面が多いです。
金銭教育にいいかも。
ポケットに無造作につっこんである100円玉を眺めてみたくなる本。 言葉や文字だけでなく、 お金でも意思表示できるんだな、と知りました。 お小遣い帳をつけ始めた子どもや、 普段の生活を通して地球に貢献したいな、と考え始めた人に贈りたい一冊。
お金の力を考える
自分以外のためにお金を使いたくなったときに、お金にできることを具体的に知っていることは、とても大切だと思います。 お金の力と真正面から向き合う入門書として、ぜひ。
100円からできる社会貢献
寄付というとかなりのお金がないとできないと思っていました。 ところがそれは私の勝手な大きな思い込みでした。 この本を読むことによって、いままでこうだと思っていた国の見方が少し変わると思います。 これなら私にも出来るかもしれないと思って、この本の中で紹介されているある会へ 寄付を始めました。 そちらの会はその国・地域の今の状況を月に1回伝えてくれるので、こちらの方も楽しませていただいています。 ほんとに少額で役にあんまり立てないかな・ちょっと恥ずかしいかなとも思うのですが、 寄付することにとても喜んでいただいていまして、 こちらのほうも『ちょっとでも役に立ててるんだ!』と嬉しく思っています。 いずれは寄付させていただいている現地を実際見に行ってみたいという目標も胸の中にあります☆☆☆ 少しの行動で喜んでくれる方がいて、自分も嬉しい♪ 私が寄付している金額はほんとに少額なのでお金がないという多くの方でもできます。 たくさんの社会貢献の種類があり、 社会貢献したいけどどういうところにしたら良いのかわからない自分にヒントを与えてくれた一冊です。
見易いし、使い易い!
本書は、レイアウトが見易いし、キレイな装丁で、内容も非常に分かりやすかったです。 こういう類の本って、読みやすさに関しては二の次になってるもんだと思っていました。 こういう使い易さや、読みやすさに配慮した点がとてもいいです。 分かりやすかったので、僕も本書に載っているいくつかの団体のお手伝いをさせていただきました。 また、実際に自分一人でこういった社会的問題に携わっている団体にアクション起こ そうとおもっていても、信用の置ける活動をしてるかどうか分からないし、こうした コーディネーター的な本があると、とても便利だとおもいました。
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メチャメチャ面白い。ただ・・・
著者は、『フラクタルの父』の異名を持つ数学者。 内容は学術的だししかも面白い。名著。 しかし、あまりに平易に書こうとしすぎているために、厳密な議論を端折り過ぎで、 なんとなく触りを把握するには良いが、きちんと理解しようとすると逆にかなりキツい。 特に、ハースト指数の概念については 翻訳上のミスなのか、巻末の注釈だけでは 誤解を与える数式の表現となっている。 カオスと資本市場―資本市場分析の新視点 や長期記憶過程の統計―自己相似な時系列の理論と方法 などを併読すれば、理解が深まると思われる。 煽情的なタイトルは、内容に誤解を招きかねないのが残念。 以上を加味して★がマイナス一点。 効率市場仮説に疑問を感じている人が読めばかなりの発見が得られるだろう。
非常にイイ 誰もが読んだほうがいいです
この本は2008年のベストワンです。 何よりも市場の現実を捉えています。 私がある投資顧問会社でファンドマネージャーをやっていたとき、上司が効率的市場マニアでした。彼が上司になってから苦労しました(笑)。 市場が効率的なわけないことは、現場でやってるディーラーやファンドマネージャーには当たり前のことですが、セールス上がりの彼にはわからないようで、ベータとか盲信していました。 本書に書いてある通り、経済学は未だに300年前のニュートンの理論ですよ(笑)。 ARCHとかGARCHとか小細工もウンザリです。 現場の世界だけでも、物理学の世界くらいに進歩してほしいものです。 マンデルブルの偉大な研究は、経済学の世界では受け入れられるのは当面難しそうですが、現場の人たちには受け入れられやすいと思います。 ちなみに「金融リスクの理論―経済物理からのアプローチ」の著者J.‐P.ブショーはヘッジファンドを運用しています。 とにかく素晴らしい本です。
含蓄のある書籍のようですが。。。
資産運用の世界に、「現代ポートフォリオ理論」があります。 この理論は、人間は合理的な行動を行い、将来の資産価格は過去の価格とまったく無関係で、その分布は正規分布に従うといった仮定の上に成り立っています。 仮にこの理論が正しいと、ブラック・マンデーのような株の大暴落は、我々が生きている間にはまず起こらないはずなのですが、金融市場は似たような暴落に事欠きません。 つまり上に書いたような仮定は現実的ではない、ということになるわけです。 つまり理論として役立たずだと。。。 この本の著者はそうした主張を何度も行い、自分が確立した「マルチ・フラクタル」の方が、現実の金融市場をよりうまく説明できるという主張を誇らしげに展開しています。 確かに現代ポートフォリオ理論はいかにも非現実な仮定の上に成り立っていますが、かといってマルチ・フラクタルの方が優れているかどうかは、この本を読む限りわかりませんでした。 マルチ・フラクタルとは個々の構成パーツが全体の縮図のような図形で、要するに、ある図形を顕微鏡で見てみたら同じ物が見えるといったイメージです。 確かにマルチ・フラクタルで描いた仮想の株価の線は、たまに大きく急落するなど現実の株価により近くなることはわかりましたが、なぜそうなのか?単なる偶然ではないのか?といった理由についての説明がないので釈然としません。 筆者のこれまでの研究論文の中にはそういった理由まで踏み込んでいるものが当然あると思いますが、そのエッセンスでも書いてくれれば、もっと示唆のある本になったと思います。
文系には難解だが投資を志す人は読むべき
幾何学権威の数学者による経済・投資を考察する希有な本。 一般人には非常に難解な書であるが、 投資を志す人は読むべきと思う。 なぜなら、これまで正しいと思われていた投資理論が全否定されているからだ。 著者は現在の金融工学は300年前の物理学の考え方でやっているという。だとしたら、現在の投資理論は非常に危険なものと言えないだろうか?
フランクラル理論は金融市場を解明する
まずマンデンブローは従来のファウンダメンタル理論を徹底的に否定して、 マルチフランクタル理論こそ金融市場を最も適切に表現できる理論と提唱しています。 それはファウンダメンテル分析は現実の株式相場に通用しない、現実の株式市場は 正規分布(ベル分布)よりもずっと変動が大きい、ランダムウォークを使ったチャートは 現実の株式市場のチャートとは似ても似つかないから。 一方マルチフランクタル・モデルから導き出せるものは市場がどのように動くか パターンを予測できる。 法則性とは 1・安全な市場はない 2.トラブルは続いて起こる 3・市場には個性がある 4.チャートは人を欺く 5.市場の時間は相対的である とにかく金融市場では正規分布を信じるな!とくどいほど解説しています。 実は本書の内容は金融市場一辺倒ではなくて、フランクタル理論の元になった 天気予報の話題からアスワンダムはどのくらいの雨量を溜め込むのに必要な容積は? 綿花の変動をフランクタル理論で分析したりと、ありとあらゆる事象を解析しています。 こちらは枝葉の領域ですが、読んでみて実に興味深く読み応えあります。 また最も基本的なフランクタルをフリーハンドで描ける事も説明しています。 科学的に興味のある方はこちらもじっくり読んでみてください。
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ファイナンスのエッセンスを1冊で学ぶことができる本である。オプション理論に関してノーベル賞を受賞した著名なロバート・マートンが書いているので、デリバティブの専門的な内容に偏っている本ではないかという危惧(きぐ)があったが、それには及ばなかった。実際は、現代のファイナンス理論のダイジェストといった内容で、それぞれの章で各種のトピックのエッセンスを解説している。 本書は、ポートフォリオ理論、デリバティブ、コーポレート・ファイナンスといった基礎ジャンルが、別立てになっている。第1部、2部は必読で、以後の部分は、CAPM、アニュイティ、財務レバレッジ、リアル・オプションといった用語の解説を参照する金融辞書的な使い方もできるだろう。 ビジネススクールのテキストらしく、例も平易でわかりやすい。たとえば流動性に関しては、「億万長者がクレジットカードを持たずに見知らぬ土地に放り出されたら?」という説明から始まる。また、時間的価値やプロジェクト選択では、老後資金やカーローンといった例が用いられている。 各ジャンルでは、独立した専門書で説明されているような高度な内容がさらりと書いてある。それを補う工夫として、短時間でファイナンスをマスターするためのメリハリがよく考えられている。ファイナンスに必須であり、日常生活から投資プロジェクト選択まで役立つ複利計算や現在価値、キャッシュフロー分析、NPVについて十分な解説がされている。一方、第4部のリスク管理とポートフォリオ理論、第5部の資産とデリバティブの評価については、簡潔によくまとめているが、内容の紹介にとどまっている。わかりにくいところは章末の練習問題で理解度を試しながら読み進むとよいだろう。 これからファイナンスを学びはじめる学生や金融機関への就職を考えている学生のみならず、将来自分の会社を興したいという企業家の卵にとっても必読であろう。また、企業経営者や企業の財務担当者にも役立つファイナンス入門書に仕上がっている。(土居践理)
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分かった気になれるかも
流行にぶら下がって、投資信託というものをはじめてみました。自分のお金を投資すると自然と経済にも興味がもてるようになるというのは本当です。ちょっとヒマな時間があったので、少しまじめにファイナンスの勉強をしてみようと思い、本書を読んで見ることにしました。 まず言えることは翻訳がすばらしいということです。原文が良いのはもちろんでしょうが、その価値が翻訳の過程で失われていないということは、十分に賞賛に値することだと思います。 本書は6部構成になっており、ファイナンスの基礎知識から始まり、時間的価値の概念の導入、資産評価、リスク管理、デリバティブ評価、コーポレートファイナンスと、広い範囲をさらっています。 本書のもう一つの特徴として、数式が少ないことが挙げられます。本来なら数学を用いて表現することを、直観的に定性的に説明してくれます。数学的証明が少ないことは欠点にもなりえますが、ファイナンスの本質を理解したい初心者には、むしろ数式がないほうが分かりやすいと思います。 これを読んだからといって、ファイナンスの全てが分かるようにはなりません。しかし、どの分野を勉強すれば知りたいことが分かるようになるかは分かると思います。ちょっとファイナンスの勉強をして見たいという方は、ファイナンスの地図として読まれてはいかがでしょうか。 なお、ボクはファイナンス初心者ですので、その点を割引かれますよう。
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コーポレートファイナンス分野だけでなく、一般に経済学の金融論が取り扱う金融制度や家計の意思決定などにも相当のページ数をさいており、訳者がコメントするように一般とは違った構成となっている。このため、コーポレートファイナンスの書物が取り扱う一般的な”本論”がなかなか始まらない。 また、本論の説明にやや説明不足の感があり、一から学んでこれ一冊でOKという訳にはいかない。数学的な説明も殆ど定義を挙げるだけで展開ができない。たとえば、リスク資産の合成に当たっては確率変数の和の統計量の計算方法が必須であるがこの計算方法の証明が無いなど、ちょっといかがなものはと思われる内容。数学的な取り扱いをあえて避けて歩いているようである。
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最高の名著。全ての投資家必読!
基本的には機関投資家のファンドマネージャー用に書いた本であるが、他の山崎氏の著作と同様に個人投資家や投資初心者も十分咀嚼できる内容だ。出来るだけ数式や複雑な理論を用いず、一般的な「理屈」で説明しようとしている著者の姿勢は非常に良心的だといえる。 この本一冊で投資理論の基本的構造は理解できると思うので、入門用にもオススメ。 残念なのは発行が十年以上前になるのでデータ等がやや古さを感じる。もちろんそれを補って余りある内容だと思う。
おすすめ05-15
ファンドマネジメントに転職する際に参考書がなく苦労した 経験をもつ筆者がファンドマネジャーのための実用書として 記した本。 ファンドマネジャーのための本なのだから当然なのだが、 数式や難しい理論がおおくさっぱりわからなかった。 ファンドマネジャー以外が本書を読んでもあまり参考には ならないと思う。
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本書はもとファンドマネージャーであり、今や資産 運用業界のご意見番的な位置を占める山崎がプロの ファンドマネージャー向けに書いたデビュー作である。 しかし、アマチュアの個人投資家にも充分参考になると思う。 p 評者も1000万円ばかり現物株で運用している なかで、日々参考にさせてもらっている。 p 例えば「心構え」「考え方」としてだけでも、 p 経済的には合理的だが心理的には抵抗を伴う 投資行動は超過リターンの源泉たり得る p (自分だけが特別に儲かるとしたら) 「損の引き受け手」は充分供給されるか? p といったアイディアはおおかたの局面で有効だろう。 p 具体的な投資方法も、バリュー投資、グロース投資といった スタイルがなぜ有効なのかという論理的枠組みとともに詳解してくれる。 p 個人投資家が直接応用するにはむつかしい部分も多々あるが、 考え方の整理が自分自身の中でついていることが大切なのだ。 p 本書は「山崎ならではの示唆に富んだ叙述が光る」(木村剛、 「投資戦略の発想法」)一冊であり、どのような投資スタイルを 採るにせよ、かみしめて味わう価値は十分である。 p ただし、ファンドマネージャーがどういうルールに基づいて 運用しているかは予備知識として知っておかないと理解が難しい 部分があろう。この点については「ファンドマネージャーの知恵」 (渡辺幹夫、同友館)を読んでおかれるようお勧めしておきたい。 p 本書の如き良質な参考書をよく読んで、「投資」の何たるかを p 自らよく考え、納得してから実際の株式投資を行うようにしたい。 「15分ポーカーをやって誰がカモか分からなければ あなたがカモなのだ」(ウオーレン・バフェットの名言)。
初心者にも良いです。
内容は山崎さんの考えを書いている部分も多く、共感できることが多かったです。 私は、資産運用に関しては素人ですが、運用の実際を知る良い書籍です。
ファンドマネージャーを「目指す」「選別する」ための実践書
理論的かつ歯切れのいい言動で業界に確固たる地位を築いている山崎氏の初の単行本。ファンド運用の理論・技術・管理やパフォーマンス評価の具体的な手順等についてファンドマネージャーの視点から解説されており、プロが投資理論を実践の場でどう活用(あるいは取捨選択)するのかといったノウハウめいたものが垣間見えるのが本書のウリ。また、ファンドマネージャーの選び方・評価についても詳細に触れられており、ファンドマネージャーを志す者は勿論、年金基金などファンドマネージャーに資産を委託する側にとっても有益な一冊である。1995年の発刊にも関わらず、本書を凌駕する類書が未だ現れないことからも、その完成度の高さが伺い知れよう。特に、本書の主張を曲解したまま低評価を与えて悦に入って!いる輩には『気付かせてあげたい』という慈悲の念を抱かずにはいられない。
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