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カスタマーレビュー数:4
【くちコミ情報】
タイトルの付け方が面白い
本書のサブタイトル「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ」が あまりにつぼにはまり、手にとってページをめくりました。 どこまで裏づけが取れているか? そんなことを意識しながら読み進めて、興味深く字面をおいました。 タイトルの付け方が面白く、工夫されています。
世の中そんなものなのかもしれない
ノンフィクションライターからの視点でこの金融恐慌を分析しているのでスパイ小説を読んでいるような面白みがあった。世の中ひょっとして裏はこんなもんなのかもしれないなと思う。 ただあくまでも著者の想像(?)であり、決定的な裏付けはない内容。集めた資料からこうだろうと言っている通り、結局、他者の情報を収集した中からの著者の考えでしかないのが残念だ。
苫米地博士の洗脳支配、そして苫米地社長との対談が契機となった書
洗脳支配でサブプライム問題の本質を描いた機能脳学者苫米地英人博士と鬼塚氏の対談が契機となり生まれた本。 サブプライム・ローンが、なぜ生まれ、世界中に広がったのかの検証と、 ローンのカラクリと首謀者の洞察を鬼塚氏が丹念に描いた。 資本主義を選択したかに見える社会の背後にうごめく存在を描き出し暴いて読者に知らしめてきた鬼塚英昭先生が世界構造と金融マフィアの動静を追いかけて、きちんと分析し、今回のサブプライムという八百長の首謀者を、イギリス貴族としている。 八百長恐慌はイギリス発でしょうが本当に首謀者はイギリス貴族かどうかは大いに疑問ではあります。 苫米地英人博士との対談DVDで鬼塚氏が検証するとの宣言され実行された。 この本は副島隆彦批判と読むこともでき、副島隆彦さんを信奉する者がどう受け止めるか大変興味深い。
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| 覇権の終焉 (Voice select)
¥ 1,000(税込)
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カスタマーレビュー数:5
【くちコミ情報】
鍵は歴史の中にある
「アメリカ一極主義による覇権はいずれ終焉し、多極化の時代を迎える」それは必然であり、歴史の中にそれを読み解く鍵があります。ローマ帝国然り、大英帝国然り。本書はアメリカの変化を文明史的に理解すること、戦後日本の歴史観を見直すことで、日本の大戦略を模索した良書です。
日本が自立するために。
中西さんが本書で述べられていることを日本が中国やロシアに従属させられる前に達成するためには、 自衛隊がクーデターを起こすか、自民党が自衛隊を使って軍事政権にならなければいけないと考えます。 普通に国民に訴えかけるだけでは、「戦争はダメ。核兵器はダメ。」などと考える 左翼に洗脳された国民を納得させるには時間が足りないと思うからです。 中国・ロシア・北朝鮮・韓国という4つの反日国家(おまけに核を持ってる)国に侵略されないためには、 軍国主義くらいがちょうど良いと思います。戦前の体制は正解でした。 私は日本が軍事政権になり、田母神さんのような人が総理大臣になることを希望します。
歴史の検証と今後とるべき道のバランスがいい
ここ数年(とくに今年になってから)米国の覇権の終焉について論じられた本が増えてきた。いずれの本も、冷戦終結から米国の一極支配への道のりを説明し、そしてこれからは多極化への時代だという主張ではほぼ一致している。しかし、ほとんどの本において、多極化の時代で日本はどういう行動をとるべきかの説明が不十分であり、あったとしても「日本は多極化の時代に向けて全方位外交をとるべきだ」といった具体性に欠ける示唆が中心であった。 本書においては、近い将来は米国との関係を密にするのは最重要課題としつつ、旧英連邦との協調体制を築くべきであることを、利害が一致することを具体的に説明の上、主張している。 また、中国外交の二面性の特徴、そもそも友好国との同盟関係も緊張感を伴っているのが当然であること、等々、歴史を振り返りつつ解説している。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」といいますが、いまこそ歴史を振り返るのは大事なことと、私は思います。 大きく時代が変わろうとしており、恐慌寸前の暗い時代の今だからこそ、今後の指針を自分の模索していくために、本書の一読をおすすめします。
やや物足りなさが
アメリカの衰退と多極化への流れを解説。これまでの筆者の論文を再掲載したもので、筆者の予測の正しさを明示しようとするが、その分、アップツーデートな情報を得たい向きにはやや物足りなさが残ってしまおう。
さすがの一言
さすがです。中西教授。アメリカ一極支配の崩壊から、日本の自立を促す論旨。 その先見の明にはさすがの一言。 オバマ大統領就任、サブプライムローンの経済危機に伴う、アメリカンパワーの衰退。 その時、日本は本当の意味で自立しなければいけない。世界のリアルな現実に目を向け、憲法改正、防衛体制の確立。気概ある政治家の出現。我々も勉強していかなくてはいけません。 マスコミの古い頭の人達にぜひ読んで頂きたい。あの人たち、本当に古い、古すぎる。何であんなに古いのか。こちらが恥ずかしくなるほど、古い。恥ずかしいですよ。ほんとに・・・
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| 容疑者ケインズ (ピンポイント選書)
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【くちコミ情報】
不況、バブル、格差。その原因の全てはこの天才の頭の中にあった!!
不況はなぜ起こるのだろう。頭をひねったあなた、「お金(貨幣)が好き」という、人々の 一般的な性向が不況を引き起こす真の要因である。そんな意外な論説があったら、「読みた い」と思われないだろうか。しかも、それを唱えたのが、誰あろう、あのケインズだとわかり やすく語っているのが本書である。 本書は分量わずか150ページ足らずであるが、経済学者でもよくわからない位、難解で有名 なケインズ理論を、その誤りやケインズ自身が混乱している部分も含め、コンパクトに解説し てくれている。 一方、最新の経済理論とケインズの理論との符合を指摘、一部で「ケインズは死んだ」との声 もあるケインズ理論を救出し、ケインズの時代の先を読む先見性に新たな光を当てていること は著者の功績であろう。 題名に対して結局、ケインズに対して、どんな容疑がかけられているのかは、本書を読ん でもはっきりしない。しかし、ケインズは物やお金の流れというよりは、この世に存在する” 不確実性”に対する人間の行動を支配する心理を見ており、それこそが経済を動かすのだとや さしく教えてくれる。
ケインズについて書いてない本です
「不況、バブル、格差。すべてはこの男のアタマの中にある。」 表紙のこのフレーズに惹かれて手に取りました(この手に弱い)。 ケインズ理論の解説、時代背景、歴史的な意義、現代から見た 再評価(功罪)、等々が書かれた本だと期待したのですが・・・ 残念ながら、この本は、ケインズについてあまり書いていない本 でした。かわりに何が書かれているかと言えば、著者自身のケイ ンズへの出会いや思い、自らの研究や知識。ケインズは、あくま で著者の書きたいことを書く為の”ふろく”という印象です。 この本は、ケインズについて知りたいとい方には向いていません。 著者の意見や研究について知りたいという方には、良いな本だと 思います。 間違って買ってしまうので、こんな売れ線なタイトルはつけない で欲しかったです。
サブプライム危機の本質を考えるヒントがここに
ケインズの理論の中に、今日起こっている経済問題を解く発想の根源を見出そうとした著作である。3章からなる構成で、第1章では『一般理論』を基に、ケインズが論じた経済メカニズムをおさらいする。第2章では今日の経済でたびたび起こるバブルとはどのようなものかが解明される。投資家でもあったケインズの見方に加え、ナイトの不確実性理論や経済物理学も紹介している。第3章では金融バブルの生成と崩壊におおいに関係する、人間の選好と意思決定メカニズムを論じている。 末尾で述べているが、著者はケインズの流動性に関する議論を近年の意思決定理論を踏まえて解き明かし、精緻な貨幣論として構築する研究に取り組んでいるという。本書はそうした問題意識をそのゴールとして、ケインズ理論のエッセンスを一般人にもわかりやすく示している。経済学が現実の経済社会をうまく説明できない今日、再びケインズを振り返る試みは非常に興味深い。また、人間の投資行動に関する議論は、折しも世界に想定以上の打撃をもたらしたサブプライム危機のナゾに迫る取り組みと言えるだろう。本文は135ページと少ないが、焦点をしぼった構成と読者を引き付ける文章で問題をクリアに理解させてくれる。
■今、ケインズに焦点を当てるのは時代遅れも甚だしい。説得力もなし。
・ほぼ全文を読みましたが時間の無駄でした! 「それでも」という方には無理には止めませんが、読まれた方には感想を伺いたい。私には得られるものはほとんど無かった。 ・著者は「ケインズの論理にはひどい錯綜と破綻が見られるが、説明が芳しくない、というか、完成度が低い、とは思うのだけど、全面的に間違ってるか、というと、そうも思わないんだよね。いい線いってる感触がある。」「「公共事業の景気浮上効果はない」とも断言できない。」と言っていますがナンセンスの局地だと思います。 ・日本の失われた20年弱の結果から因果を理解することすらできなのでしょうか? 今、自民・民主党共に進めようとしている積極的財政出動=現金のバラマキは以下のようなステップで、国力を落とすだけの施策です。 バラマキ→国債増発→金利上昇→円高→輸出産業中心に利益毀損 ◆つまり、これは税金を、競争力ある輸出企業から 本来とっくに退場すべきゾンビ企業への所得移転でしかなく、後に残るのは天文学的財政赤字だけではないか。そういう、明らかな失敗を再度やろうとしている。(本書はそれを助長している。) ・2008 10 9現在、パニック的な金融の信用収縮が発生しているのでそれを止める為に公的資金を銀行に投入するのは反対しませんが、高速道路や箱物を造ることには大反対という立場です。 ・ということで、なぜこの時期に、ケインズに焦点を当てて本を書いたのか? 著者は経済学者を自称するならば専門家としての責任感がなさ過ぎると思います ・ツッコミどころ満載ですが一つだけ反論します。効用というのは人それぞれ違います。リンゴとみかんの足し算は?のレベルで効用の最大化など机上の空論だと思いますがいかがでしょうか。
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| 人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
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【くちコミ情報】
良い本
きちんと、マクロ経済学ISバランス論を踏まえて議論されている。出た時に読み、今回改めて読んだが、しっかりしている。 ISバランス論とは、(S-I)=(G-T)+(EX-IM)のこと。Sはsaving(貯蓄)、IはINVESTMENT(投資)だから、その国の貯蓄超過、Gは政府Tは税金だから、G-Tは公債(財政赤字)、EX-IMは輸出-輸入だから、経常(貿易黒(赤)字)。日本や、中国は左辺のS-Iがプラス。だから、右辺の2つがプラス(財政赤字)・プラス(貿易黒字)。 アメリカは逆に、左辺がマイナス(国内の貯蓄不足)、だから、左辺を合計するとマイナス。つまり+財政赤字、大幅な−貿易赤字。 経常(貿易)赤字は、イコール外国からの資本流入額だから、アメリカは世界中から、アメリカに投資してもらっている。貿易赤字なのに、この10年で、GDPは1.69倍。 まあ、この儲けシステムが、例の土地バブル崩壊により、壊れてしまったのだが。
今まさに歴史の分水嶺にいる
昨年のサブプライムに始まった資産下落、 ここ1週間の世界的な株価暴落、 協調がとれない各国施策の無意味さ、 金利を下げることしかできない先進国の中央銀行、 効果の乏しい内需向けの景気対策などのニュースを見るにつけ、 本書はまさにこの状況を予言していたと言えるのではないだろうか。 「近代の終わり」と「新たな帝国時代の始まり」を まさに我々は目撃しているのだろう。歴史の分水嶺である。 読み進むにつれて著者の時代スケール感にも唸るばかりであった。 内需に頼っている企業の業績はあがらず、 グローバル企業との格差が確かに拡大している。 しかしながら、近代経済が始まった新興国や資源国に 進出しているグローバル企業でさえ、翻弄される状況を見ると、 世界中で21世紀の成長へのパイの食べ合い競争が 始まっているということを実感する。 つまるところ、著者が言うように、その新金融時代のキーは 新興大国(新たな帝国)が握っているといえるのだろう。 とても奥深く密度の濃い内容の本であった。
壮大な視野で
2007年上半期「ベスト経済書1位」(週刊東洋経済)である。 大変評価の高い本ではあるが 「ベストセラー」だと思って読むとちょっと堅苦しい。。。 理論や数字が多いし 小見出しと内容が少しずれているし 本のタイトルと内容も少しずれている気がする 引用も多いが 文脈にピッタリはまる感じがしないところもある。 このタイトルなら 普通はこう見られているが 私はこう見る 何故ならこういう理由による という展開になりそうだが 必ずしもそういう展開になっていない。 やや読みにくい本である。 というか 本としてはそれほどこなれていない気がする でも、内容は 国民国家の資本主義的発展とその限界点を 中世のイタリアと現代の日本を比較して論じたりしていて とても魅力的である でも、ブローデルとウォーラースティンに偏りすぎかなぁ。。。 というか ブローデルとウォーラースティンの歴史観に スーザン・ストレンジの現代社会論を継ぎ足した上に ドル 円の『通貨燃ゆ』を載せて 現状を理論的数値で表現した という感じか。。。
ごみ処理の問題のほうが大切
アメリカって戦争をしたら不況になるそうです。 改革って不良債権をなくすことだったのに日本から日本企業を逃避させやすくしただけ。 グローバルっていうけれど日本ってどうも引きこもりの方向に向かってる。 どうもアメリカ=中国で日本は冬眠。 これからの日本はどちらかというと国内のインフラ(特にごみの問題)維持に必死になるのではないかと思います。 そしてあらゆる手続をもっと簡素化するべき。 お金は苦しみの代償。 3歩進んで2歩下がる。 グローバル化とはなにかよくわかる本です。お勧めです。
幻惑的な雰囲気が魅力
ビジネス書として大変売れたとのことですが理由もわかります。経済書に限定されないさまざまな出典からの引用を駆使してグローバル経済下の我が国の行方を描きだしています。個々の論理的整合性や観察の当否を論ずる素養はありませんが描きだす世界は幻惑的で惹かれます。
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評価は5だけど、入門には不向き
本書に出てくる用語は金融商品やアメリカ経済史などをある程度知っている人ではないとよく分からないものが多いと思います。一応、文中にそれぞれの用語の説明は少しはありますが、素人では理解し切れません。 論旨自体は高評価されるのも頷けるものですが、いきなり読むには少し敷居が高いと思います。
魔法の代償
サブプライムに端を発する金融混乱の原因、展望への考察。当初の見込みをはるかに上回る一兆ドルと言う数字は、11月時点では既にとっぴなものではなくなってしまっている。民主党支持の筆者のバイアスは若干感じられるが、よくまとまっている。一部金融商品の説明で難解な部分もあるが、一般向けと言ってよい内容。 本書を読んで感じたのは、これがけしてサブプライムだけの問題ではなく、証券化という魔法のツールを手に入れた直接金融の構造的問題なのだということ。債権の証券化は資本の流動性を爆発的に高め、間違いなく経済を成長させるが、貸し手のコミットメントははなから存在しないから、必ずバブルに通じる。といって、いまさら商業銀行主体の護送船団方式にも戻れないだろう。本書の唯一の弱点はそういう意味での「今後の展望」が無いところだが、それは誰にも分からないのかもしれない。
いま起こっている現象を知る
読む時点で内容の価値が変わるでしょう? 今回の世界同時金融危機は一言で言えば『金融収縮』なのだが 単純に膨張したレバレッジが収縮に向かうレベルではなく 長い間、金融工学のインチキなデリバティブ手法によって積み上がったことの崩壊 最先端をいった金融工学の清算がはじまっている感じがする。 よくよく考えれば変な話なのにその時々には変に思えないのがバブル現象でしょう まぁ今回の一件で無茶をしたヘッジファンドや投資銀行などは精算されて堅実で健全なる金融業界への回帰に期待をしたい 高い収益の時には会社が潤い 損失が出た時には社会が負担する ・・・ここにもっともっと疑問を持つべきでしょう? 本来、金融はカネを必要としている人や会社にカネを融通してくれるだけの地味な産業なはずである それがいつの間にか花形企業と呼ばれ高学歴者がこぞって金融業界に向かう 他の業界に比べて利益率(ROE)が高いことや平均年収が高いことも疑問に持ってもよい モノを創り出さない金融業界にとってこれらは価値の高いことではなくリスクが高いビジネスをしていることの裏返しでもあるのだから・・・。 いま起こっている現象とは結局、無理を通して無に還っているにすぎない レバレッジを掛けて駆け上った世界の経済は投資の限界に達したときに 溢れかえって暴れたカネが世界経済の首を絞める方向に一斉に向かい出した・・・。 これで文明が崩壊することは考えられないが回復には非常にカネと時間の掛かる作業でしょう?
墓穴を掘った市場万能主義
「バブルは予知できないし、それを防ぐことは出来ない」と言うのがグリーンスパンFRB前理事長の不可解な弁明である。しかしバブルを予測し懸念した人がいなかったわけではない。グリーンスパンは彼らを無視しただけでなく彼らが具申する意見を積極的に妨害した。このようなグリーンスパンの確信の拠って立つところは、ミルトン・フリードマンを総帥とするシカゴ学派の市場万能主義のイデオロギーである。それはウオール・ストリートの利益を代弁するものであることによって世界的な潮流となった。マスメディアも手遅れになってから初めて問題の大きさに驚いた。レヴァレッジが多用される各種の金融派生商品が膨張させたバブルは単なる「資産バブル」ではない。それは膨張係数が高いだけでなく、強烈な浸透力で経済システムの根幹をなす信用制度を蝕む「信用バブル」となって世界を震撼させている。 著者はこの問題にいち早く着目し、この予言的な書物は今年3月に出版された。原題は「一兆ドルのメルトダウン」であり、バブルのもたらす破壊は1兆ドルに及ぶことを示唆している。その後に発表されたIMFの推計では「信用収縮」に関連する評価損とデフォルトの合計の予測中央値は9,450億ドルである。本書の視野は広く政治経済の動向全般にわたっているが、後追いになったマスメディアが小出しにしてきた、サブプライム・ローンに始まってCDS(信用デフォルト・スワップ)に至るまでの各種の金融商品の羅列に幻惑され続けてきた読者には第3章以下にある説明がとりわけ有用である。 それにしても驚きに満ちた本である。ここに描かれた政界、ウオール・ストリートの腐敗、拝金主義は想像の上を行く。しかも著者の柔軟な思考は「1980年代に経済政策が政府中心型から市場重視型に変化したことは80年代と90年代にアメリカ経済の回復をもたらす決定的な要因になった」と述べて、金融派生商品が経済の効率化に貢献したことを十分に受け入れている。しかしその上で、今や「市場重視が問題の解決に役立つ考え方ではなくなり、問題そのものになる時期がきたのだと思える」という結論に到達している。易しい本ではないだけに翻訳に丁寧さが欠けているのは残念である。
2008年4月1日付けの英語版レヴューへのコピーです
最近出版された作品です。最新の情報が満載です。でも最新の情報はその瞬間に古くなるわけで、それ自体はどうでもいいわけです。この作品の特徴は、1980年代前半に銀行の経営陣だったというold time による戦後アメリカの金融史の振り返りです。ユニークなのは、今回の信用市場の崩壊をアメリカの歴史のサイクルの変わり目と位置づけた点です。この考え方自体は、a thu schlesinge の「アメリカ史のサイクル」を参考としたものです。20−30年周期でアメリカ政治の傾向は内向き(int ove t)と外向き(ext ove t)にガラッと変わるという傾向を持つというわけです。この考え方の今回の危機への適用は魅力的なものです。ヴィエトナム戦争の後遺症から抜け出した1980年以降のアメリカは金融自由化のイデオロギーにすっかり洗脳され、挙句の果てにはそのイデオロギーを普遍的モデルとして海外にまで輸出することにその情熱と知性を傾けてきました。そういう意味では1997年のアジア金融危機も軍事力を使わない戦争だったのかもしれません。しかしいつもながらこれは明らかにバランスを失したところまで行き過ぎたようです。余りにも金融が肥大化してしまったようです。そしてその陰画としての公的セクターの果たすべき役割の余りもの低下です。今後アメリカで始まるのは e- egulation, e-inte mediationの長い道のりです。かなりの抵抗はあるでしょう。でももう方向転換はなされたのです。考えてみれば、1980年以降金融危機がない時代なんてはたして何年あったのでしょうか、いつも世界のどこかで金融危機が起きていたような気がします。他国の金融危機は自国の商売の種だったわけですが、とうとう最後にやってきたアメリカの金融危機については、創造的破壊と褒め称えることは無理なようです。ところで、この時代遅れのシナリオをこれから実行しようという日本はいったい何なんでしょうか。
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間宮 陽介(翻訳)
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「世界の孤児」にならないために
はっきり言って難解です。巻末の解説や他の解説本と合わせて読むことをお勧めします。しかし現代の政治経済を考える上で、恐らくこれは必読の書です。 というのも今回の金融危機以降、世界中で新自由主義からケインズ型への経済政策の見直しがなされつつあるからです。与野党の論争でもケインズ政策が対立軸を成しており、バラマキというよりは所得の分配が争点になっているようです。「アンチ派」は、今だに内需を犠牲にした国際競争力の強化(輸出企業支援)を主張しています。 ちなみにケインズは貿易黒字の利点を認めてはいますが、それに頼った国家運営は「他国の犠牲により成り立つ重商主義時代の遺物」と見做しています。
間宮さんの大胆な”意訳”によって画期的に読みやすくなった「一般理論」。 是非、一人でも多くの人に親しみながら読んでいただきたい。
「一般理論」は難渋の書とされ、それを通読した人は意外に少ないであろう。 その大きな理由は二つある。 一つは、この書を書き上げた段階ではケインズの考えは完全に整理されておらず、内容に誤りや、混乱が少なからずあることで、読者の理解を妨げていること。 もう一つは、日本語訳が硬く、日本語の文章としても理解に苦労することである。 私は塩野谷九十九訳、塩野谷祐一訳両方に目を通したが、訳の硬さによる本書に対する親しみにくさは、依然として解消されていなかった。訳に問題があるのかと思い原書を読むと、「やはり、こういう訳にしかならないな」と言うことになってしまっていた。 とにかく、ケインズの原文自体の文章が凝っていて、小林秀雄氏の文章のようであったからだ。例えるなら、小林秀雄氏が数式やグラフを使わずに経済理論を書いた本を読むようなものと言えよう。 今回、間宮氏による大胆な”意訳”の「一般理論」により、訳の硬さによる親しみにくさが大きく克服されたことは誠に喜ばしいことであり、間宮氏の功績を称えたい。 なお、本書が難渋とされる第一の理由であるケインズの考えは完全に整理されておらず、内容に誤りや、混乱が少なからずあることで、読者の理解を妨げていることについては、長年、ケインズの研究に打ち込んでこられた塩野谷祐一氏の訳本の巻末にそれらの問題点を整理した塩野谷祐一氏による解題があるので、是非、そちらを読まれたい。「一般理論」のエッセンスが、まさにそこに集約されている。
難解だが、経済学を学ぶならば読んでおきたい
訳については比較できる立場にはないので、コメントは差し控える。 全体としては訳はわかりやすいと思うが、そもそもケインズの原著自体が難解であることで有名なので、読むのは骨であえる。 遊びがほとんどなく、理論の骨格がずしりと示されているので、本格的ではあるが、素人にとっては読むのは大変であった。 ただ、ケインズというと教科書程度しか知らないというのはもったいない。 ケインズといわれて、「失業対策に公共事業をして雇用を作れといっていた人ね」としか認識されないのではかわいそうだ。 今日では、ケインズというと公共事業で赤字垂れ流しという悪印象も強いかもしれないが、本書執筆当時は、失業率25%というまさに「危機の時代」だったのである。 多くの知識人が、大量の失業に失望し、社会主義・共産主義に傾倒してしまう中で、ケインズは資本主義を諦めなかった。 そして資本主義を復活させるべく書かれたのが本書なのだ。 一応本書のエッセンスだけを自分の言葉に直して記しておく。 有効需要の法則 (以下では、生産にかかる物的費用や機械の維持費はすべて共通なので抜いて考え、人的費用(労働)のみを対象とする) 総所得(個人の給料と会社の利益)は、総売上に等しく、総売上は、総購入費用に等しい。 所得の使い道は2つ、消費するか貯蓄するかである。 購入費用の出所は2つ、消費と投資である。 総所得が増えると、総消費も増えるが、総所得の増加分ほどには増えない(一部は貯蓄に回されるから) よって、総所得ー総消費は、総所得が増えると大きくなる さて、総所得ー総消費=総購入費用ー総消費=投資であり、投資は別の要因で決まる一定の値なので、総所得は、総所得ー総消費=投資となる分までしか大きくなれない。 つまり、政府の側が公共事業などで投資を増やさなければ、雇用量(総所得)も増えない。 利子は、我々が貨幣の有する流動性を手放すことの対価であって、貯蓄に対する報酬ではない。 すべての資産のうち自己利子率(現在のその資産の量と、一定期間後に、同じ価値を持つ量との変化割合)が最大のものと、すべての資産のうち限界効率(ある期間中に、そこからの収益・維持費・流動性などによって得る、あるいは失うと予測される割合)が最大のものとが一致したとき、これ以上投資は行われない。 そして、貨幣は、収益と維持費はほぼゼロで、需要が増大しても労働によって新たに作り出すことは出来ず、驚異的な流動性を持つため、自己利子率は全資産中で最大となる。
岩波文庫に拍手するとともに、強く強く推奨
塩野谷九十九氏の訳は未読だが、塩野谷祐一氏の訳は読了済み。塩野谷氏の授業も受けたことがあるという資格 でレビューをすると、本訳書は先行する塩野谷訳と比べてかなり理解しやすく、読み進むにつれ自ずと思考を誘発させ てくれる代物。しかも文庫なので値段やハンディさの点からもこれは買推奨!! 先行訳や、新たに蓄積された知的遺産の上に今回の新訳が出版されるわけなので、時系列から考えても間宮訳のほ うがブラッシュアップされてるのは当然だし、そうでないと改めて訳すメリットがない。ちなみに塩野谷氏の翻訳がダメな代 物だと言うつもりは全くない。例えばシュンペーターの翻訳本で、東畑訳「経済分析の歴史」、東畑・中山訳「経済学 史」、塩野谷・東畑・中山訳「経済発展の理論」を読み比べた場合、格段に「経済発展の理論」が読みやすくなって おり、訳者の差分から考えると、読みやすさの所以は塩野谷氏の力量によると思われるからだ。 塩野谷訳はケインズ全集刊行の際に一般理論を翻訳したもので、間宮訳はケインズ全集が刊行されて以後に翻訳さ れたものである。つまり間宮訳は、ケインズ全集が刊行されたことで出てきた新たな成果(そこら辺は、伊東光晴氏の 「現代に生きるケインズ」やスキデルスキーの「ケインズ伝」等を読むのがよい)や、フリードマンをはじめとする反ケインズの 流れを受け、従来までのケインズ解釈への批判と新たなケインズ像の模索といったことを踏まえて登場してきたわけなの で、塩野谷訳とは、当然のことながら時代的意義というか役割が違うだけのこと。あえて言うならば、村上春樹氏が改め て「グレート・ギャツビー」の新訳を今出すのと同じことだと思っている。つまり「あれか、これか」といったことではなく、いま間 宮訳を強く推奨する、ということである。
ケインズを超えたケインズの一般理論です
小生の学生時代には有斐閣から出ていた参考書で「一般理論」を読んだつもりでいました。原書を読んでもわからなかったからです。いまは手元にHa vest Book社の原書があります。とぼとぼ読み進めていますが、難解です。間宮氏の本書は「一字一句に至るまで」「逐語訳」を極めたと自身がおしゃるように、実に周到な的確な訳です。小生の英文解釈の教材としては、最高の出来栄えです。最近の社会科学書の翻訳はどれも時流ものばかりで、訳に間違いも多く、勉強が浅いと感じられるからです。そういう浅薄な時代の中で、本書には訳注が300あまりもある。すでに一つの研究書です。しかもその注の内容がすごい。たとえば「消費財」と原文にあるところを「消費財もしくは資本装備」とすべきだろう、とまで読み込んでいる。ここまでくると、ケインズを越えて、本来あるべきケインズの一般理論、という域に達しています。ちょうど赤塚忠氏の「荘子」の注釈本を思い出します。 また、その注釈を合わせて読むだけでも、経済学史を修めることもできそうです。ハロッド、ロビンソンなどがケインズとどういう点で結びついていたのかを詳細に知ることができます。 大学生諸氏、間に合わせの勉強も必要でしょうが、学生時代にひとつ、原書を講読したといえるためにも本書を徹底的に精読されてはいかがでしょうか。
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【くちコミ情報】
ごまかしに要注意
読者は非専門家だけという前提で書かれた本である。たまたま「双曲型割引率」について、本書がどのように解説しているのかを参照した。本書では、「第7章 近視眼的な心」のp.222以下に古典的な「指数割引」に対比させて、「双曲割引」を解説している(pp.225〜229)。ここで著者友野氏は、「古典的な指数割引は時間の経過にかかわらず割引率が一定である」という問題を指摘しつつ、「時間とともに減少する割引率」を想定した双曲型割引を説明している。友野氏は、双曲型の割引方法をあらわす式として、次の式を示している(p.227)。 現在価値=将来の名目価値 (1+d) ここで、dは時間の遅れを示すものとし、「たとえば、1年後ならd=1、2年後ならばd=2・・・である」と説明している(p224)。 多少とも理論的なトレーニングを受けた読者ならば、上の式のどこに「時間とともに減少する割引率」が示されているのか疑問を抱くはずである。それもそのはずで、この式は読者を素人と見くびってでっちあげたとんでもない代物である。最も単純な双曲割引関数は、以下の通りである。なお、V(D)は遅延期間D後に受け取る報酬の効用、kは双曲割引率である。双曲割引関数は下式のようになる。 V(D)=V(0) (1+kD) この式から双曲割引率の変化を次式で示すことができる。 −[dV(D) dD V(D)]=k (1+kD) 上記右辺から、遅延期間Dが増すにつれ、割引率が減少することが示される。本書が記述する2つの関数から描かれたはずのp.228の図も全くでたらめな図である。このことは高校レベルの数学力で見抜けるはずである。本書p.227のおもちゃのような式が双曲割引計算の基本式などと勘違いしないよう、読者諸賢の注意を促したい。 いずれにしても、入門書であればこそ、セイラーなど第一級の研究者の著作で学ぶべきだという教訓を本書は提供してくれる。この教訓を与えてくれることが本書の唯一無二の存在理由である。「標準的な経済学を超える」というレビューもあるようだが、著者自身標準的な意味で「経済学者」の範疇に含まれる人ではないだろう。
経済学の素人でも、十分楽しく読める。
人間の感情を重視する経済学、「行動経済学」についての本。 いくつもの思考実験や具体例を通して、 いかに人間の行動は合理的とはほど遠いか、考えさせられます。 私は標準的経済学のことはわかりません。 しかし、そんな私でも上記の具体例が興味深く、楽しく読むことができました。 千円手に入れたときの喜びよりも、千円なくしたときの悲しみの方が大きくありませんか? 食べ放題の店に行ったら、お腹が苦しくても元を取ろうとしませんか? 600人中、200人が死ぬ政策よりも、400人が助かる政策の方がよく思えませんか? ピンと来た方、オススメです。 400ページと新書にしては厚いし、内容がやや難しいところがあるので、 サクッとは読めないかもしれません。 しかし、何度も目から鱗が落ちるし、実生活で役に立つ知識も多いです。 飛ばし飛ばしでも、ぜひ読んでみてください。
指摘されないのか?クイズの矛盾
全体的に高い評価を得ていますが、いくつか思考の掘り下げが安易かと感じる部分がありましたので、評価を厳しくさせていただきました。 「詭弁」とも思われる論理誘導がある部分に関してどうしてもひっかかりを感じます。 いくつかあるのですが特にわかりやすいのが下記の2点。 1)文中に出てくる下記のクイズの設定に疑問 「ある致命的な感染症にかかる確率は1万分の1である。あなたがこの感染症にかかっているかどうか検査を受けたところ結果は陽性であった。この検査の信頼性は99%である。実際にこの感染症にかかっている確率はどの程度であろうか?」 著者は、上記のクイズを多くの人が間違う事実をもってして「人は事前情報を軽視する(この場合は病気の感染確率が事前情報)」としていますが、この問題にはちょっとしたトリックが隠されています。 この問題設定では、読み手は”直感的”に「検査の確立は絶対に普遍だが、感染にかかる確率は1万分の1で常に一定なわけではないよな?(その人が接触した人や事前の健康状態によって感染確率が変わるよなあ)」と感じてしまわないでしょうか? たとえばもしこの問題が、 「あるコップの水を飲むと必ず1万分の1で病気に感染するが、その水を飲んだ人間が・・・」と設定されていればどうでしょうか? これでも同じように人は事前情報を軽視するのでしょうか? 行動、認知を限りなく正確に推し量ろうとするのであれば、測定したい部位以外で余計なバイアスがかかりそうなリスクはすべて排除すべきではないでしょうか? 著者はあらかじめ人間が直感的に事前情報を軽視してしまいそうな問題を引用して「ベイズ・ルール」を説明しています。 くりかえしになりますが、「事前情報」があやふやな問題ならば、「事前情報」を軽視してしまうのは当たり前でしょう。詭弁にしかなりません。 2 著者が挙げた下記の例があまりにも安易 ある雑誌に「会社の社長の70%が毎日日記をつけていた。だから日記をつけるのは成功の秘訣」と書かれていたことを著者は批判しているのですが、 そのためにあげた例が「もし会社の社長の90%が毎日歯磨きをしていたら、歯磨きは成功の秘訣といえるのだろうか?」というものがありました。 日記のロジックを批判することそのものは間違っていないと思いますが、そこに出してくる材料が「歯磨き」とは、学者としてはあまりに安易です。日記の文脈に説得力がある(ようにみえる)のは「日記」が比較的多くの人にとって「近いようで遠い」存在だからです。「歯磨き」と「日記」はその観点で、文脈の中における本質的な意味がまるで違ってしまいます。 意味が違った文脈ならば、人が受け取る意味が異なるのは当然ですよね? 「歯磨き」のかわりにもっとこう「毎日トイレで新聞を読んでた」みたいな(笑)、もうちょっと気の利いた例を出せなかったのでしょうか? このように、著者は「本質的な意味で重要な文脈」を比較的安易に摩り替えています。ご本人も気づかれていないのかもしれませんが、「認知科学」にも近しい分野のなかで、前提条件の条件設定が雑であることが残念です。このことにレビュアーのどなたも触れていないことが不思議でなりません。 また、学者さんですから仕方がないと思いますが、新書として考えると、あまりにも文章が不器用です。
新書のレベルを超えた良書
新書版ですが内容は非常に濃い本です。行動経済学の基礎的な事項が分かり易く、しかも、理論的に説明されています。特に参考になるのは本書の巻末の「主要参考文献」です。日本語で書かれた本の場合、ほんの申し訳程度の参考文献しか挙げられていないものが(専門書を含め)数多く見受けられますが、本書では英語の文献を中心に数多くの参考文献が挙げられているので、これを参考により深い学習ができると思います。 意欲的な学習者をより「高み」に導びくという、入門書の原理原則を忠実に守る非常に良心的な本だと感じました。
既存の経済学を見直す
既存の経済学ではその議論の前提として, 完全に合理的な経済人を置いていますが, それは少し考えてみればおかしいと分かるもの。 行動経済学は人間の感情の及ぼす影響を考えに入れ, 人間の行動の本当の姿を調査しようというものです。 この本には非常に情報が詰め込まれており, 多くの行動経済学やその周辺での議論が詰め込まれています。 まだ完全には普及しきっていない分野での入門書, あるいは紹介書的な位置づけとしては非常に有用であると感じます。 この本単体では学問的な理解にとどまるかもしれないですが, 既存の経済学と組み合わせて考えてみたり, あるいは心の持ち方といったことと併せて考えていくことで, 学問だけに限らず,実用の面までにも役立ち, 様々な可能性をもった議論展開が可能になるように思います。
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おすすめ度
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【くちコミ情報】
良いんだけど・・・
良い経済学=リカード比較生産費説(ミクロ経済学) ISバランス論(マクロ経済学) という、経済学の初歩の初歩(ABCみたいなもの)を押さえているということです。 だから、経済学を知らないで、経済を語ると、「中国脅威論」とか、「貿易黒字はもうけ赤字は損」とか、「貿易黒字があるのに不景気なのはなぜ?」とか、でたらめなことを語ってしまう=悪い経済学ということになります。(日本のエコノミストと呼ばれる人たちで、経済学部出身じゃない人は、トンデモ本を書いて、平気ですから) 経済学を知っている人からみると、「常識」を語っている本です。知らない人にはちんぷんかんぷんでしょう。 ただ・・・クルーグマンは最近、「90年代の私の考えは間違っていた」と宣言しています(イギリス紙から批判されています)。というのは、グローバル化の影響について、あまりに複雑で、数値による検証ができないからです。多国籍企業は企業内に国家を抱えており、その中で貿易しています。アメリカの貿易赤字の25%は多国籍企業内貿易によるものです。だから、「国家と国家の貿易」について、今の時代、複雑すぎて数値化できないというのが、クルーグマンの主張です。
2008年ノーベル経済学賞受賞!という帯につられて買いました
「決定的な点は、限られた市場をめぐる企業間の競争とは違って、貿易がゼロサムゲームではなく、ひとつの国の利益がほかの国の損失になるわけではないことだ」「国際競争によって国が存続できなくなることはない」「貿易相手国より生産性が明らかに劣っている国でも、貿易によって通常、打撃を受けるのではなく、恩恵を受けることになる」 2008年ノーベル経済学賞受賞!という帯につられて買ってみた。予想よりちょっと古い内容の本だった。インターネットは出てこないし、ソ連が出てくるし、クリントン政権だし、Eu oの誕生はまだ疑問視されているし、中国は成長を始めて間もないし、インドはほとんど無視されているし、資源や食料の高騰や、地球温暖化も出てきません。 ただ、古いがゆえに、その後の歴史を照らし合わせて読めば、著者の見識が果たして正しいものだったかの検証と確認を行いながら読めるという利点がある。そして、その答えは、おおむねYesである。 例えば、一国の成長が生産性の向上による発展なのかそれとも単に投入量の増加によるものかの見極めが大切であり、その立場から分析すると、当時脚光を浴びていたメキシコ経済の成長は、単に投入量の増加によるものでしかなく、成長する筈だという前払いを受けているだけだからブームは終わる、という指摘は鋭い。実際、その通りになり、その後メキシコ経済は長期低迷に入っている。また、日本脅威論や、旧共産主義国への脅威論に対する当時の分析も、おおむね正しい結果になっているように、私には読める。 レスタ・サローらの並み居る超一流の学者達を敵に回して、経済学の基本から離れることなく徹底的に反論を行い、自由貿易と経済の関係の本当の姿を力強く解説する。絶対優位と相対優位の考えなど、特に自由貿易の経済原理の解説はわかりやすく、時代を超えて一読する価値がある。 ただ、内容は素晴しいけれども、やっぱり本書では扱っている世界が昔すぎて、多少隔世の感があり、かなり控えめにいってもちょっと古い。このため、どなたにも薦められるという本ではないかもしれない。
国際経済学版「ダメな議論」を斬る!
「貿易を通じて国と国とは競争している」等一般に流布しているダメな俗説を、当代一流の国際経済学者が真っ当な経済学の知識をもって論破してゆきます。と言っても専門家にしか理解できない数式などは一切出てこないのがミソ。ダメな論者のデータ処理の拙さを指摘したり、至極簡単な比率計算による影響分析で米国内の実質賃金の減少に貿易がほとんど寄与してないことを実証したり、学部生が1時間目に習うような恒等式でもって貿易収支黒字と資本流入が共存することはあり得ないことを述べたり。今年好評だった「ダメな議論」(飯田泰之著・ちくま新書)で述べられた「ダメな議論」の見分け方を彷彿させるような論の運び方は見事です。 本書の内容は'90年代前半を対象としており少し古いですが、最近の中国の経済成長に刺激された脊髄反射的な「中国脅威論」を退けるには、本書のロジックは残念なことにまだまだ必要なのです。
クルーグマンのトンデモ経済学説批判本
クルーグマンの手による 元祖 トンデモ経済学説批判本。色々な所で蔓延っている戦略的通商論やマクロでの国際競争力市場論の誤謬を徹底的に批判しています。しかも、主張の内容は比較優位のよる貿易の経済的なメリットと貿易による国内経済への影響力が過大評価されていることの2点に集約されているので、論文が非常に高度な内容にもかかわらず分りやすく読めます。
貿易の経済的意味に関する一般向け解説集。良書。
著名な経済学者クルーグマンによる一般向けの解説を集めた本。一昔前のアメリカ(現在や日本においても似たようなものだろう)に跋扈していた無責任な主張、中でもとくに貿易に関する間違った認識と煽動を批判し、何故間違っているか、そのような間違いが何故危険かを非常にわかり易く述べている。一言で言うと貿易はプラスサムゲームというだけなのだが、その説明が |