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【くちコミ情報】
事実は冒険小説よりすごい
ひょんな事から著者の東チモール県知事時代日記ブログ(?)を見て、俄かには信じられませんでした。これが事実であることを、こんな仕事人がいることを。その後、著者のブログをむさぼるように追いました。本になると、現場の荒々しい息遣いはノイズキャンセルされていますが、スピリッツとして明快です。5月27日のNHKプロフェッショナルには、国連高等難民弁務官事務所ウガンダ・リラ事務所長高嶋由美子さんが登場、また、国連・法の支配・保安機構事務所DDR Sectionでは2007年12月以降、アヤカ・スズキ(AyakaSuzuki)という日本人女性がチーフを担当している。(wikiPediaより)とか、誇れるエリートがもっとクローズアップされるといいと思います。日本の子供たちのヒーロー、ヒロインとして。
平和のコスト
和解という暴力があるということ。 戦闘状態を終わったばかりの土地で、隣同士で顔を見合わせるような人たちの間に、しこりがないわけがない。和解の美談は、その情緒的な問題を置き去りにする。押し潰そうとしても消えないしこりは、より大きな傷になる。 復興事業というと、福祉や教育など、なにか綺麗なものを作ることばかり発想してきた自分の浅はかさが悲しくなる。平和は自動的に訪れると思い込むことは、自らが夢見がちな世間知らずであることを露呈する。 著者の最後の一行が、胸が痛いほど、インパクトがあった。 法律を変える前に、現行の法律の中でできることの最善を尽くしたのだろうか。 言葉を変えるだけでは意味がない。むしろ、言葉を変えただけで、内実を変えたと勘違いすることのほうが問題である。言葉を変えるのは、最善を尽くしてもなお足りないときだけで十分だ。果たして、最善を尽くしたのか。 言葉だけを変えたがる、表面を取り繕えば解決したと勘違いするような浅はかな人間ではありたくない。 できることを考えるために、行うために、多くの人にこの本を読んで欲しいと思ったし、自分は続きをもっと知りたいと思った。 その後のこと、今のことを。
一気に読んでしまいました
アフリカやアフガニスタンでの紛争のまさに当該地域での武装解除を実践された伊勢崎氏の経験は、大げさにいえば日本の宝のように感じます。実際の資金集めから中立性の維持、武装解除に至るネゴシエーションなど実地での経験を目の当たりにすると日本の報道(特にテレビ)などで議論されている国際貢献やイメージ(映像)としての平和的貢献というものがいかにずれているのかを感じます。武装解除という現地の人々にとって大切な平和への移行プロセスに軍事力(PKFなど)が欠かせない事は、この本を読む事で十分に納得させられますし、個人的にそれが戦争を放棄する日本国憲法の趣旨と矛盾するとも思えません。むしろ目的も不明確なまま海外に自衛隊を派遣されている事実や平和を語る際に軍事力を同時に語れない雰囲気が蔓延している日本への違和感がより具体的に感じられました。普段テレビによる視覚によるイメージばかりを追いかけがちですが、映像にならない悲劇や現実がある事を忘れてはいけない事を改めて思いました。
この人カッコ良い。
著者は国際NGOに所属し、アフリカ・アフガニスタン・東チモール等で紛争の解決を行ってきた。 紛争を解決する手順は通称「DDR」と呼ばれる。 それぞれ日本語では「武装解除」→「動員解除」→「社会再統合」と訳される。 簡単に言うと、ある武装組織から武器を取り上げ、解散させ、再動員されることのないように一般の社会に再統合させる一連の手続であり、国際的に内戦処理の一つの定番プログラムになっているらしい。 著者は実際に各地で紛争を解決し、DDRを行ってきており、その生々しい体験を読んでいるだけでもかなり面白い。 また、そういった体験に裏打ちされた(例えば自衛隊に対しての)説得力ある提言や正確な知識は大変勉強になる。 「日本人でこんなことやってる人がいるんだなあ・・・」というのが正直な感想であり、本書は面白く、著者はカッコ良い。 何の問題もなくオススメできる一冊である。
紛争、虐殺から停戦・武装解除へ
紛争での虐殺の抑止、加害者側を含めた和解プロセス、そしてシビリアンコントロール下の非武装中立の軍事プロによる軍事監視団による武装解除。国連軍による治安維持。 紛争現場は、私たちが考えている以上に複雑で予測がつかない状況で満ち溢れている。 国連の存在は、ベストではないが、アメリカ合衆国よりは、中立公正である故に人員を紛争に派遣する場合は、国連の決議が必要であることは他国の領土に足を踏み入れる上で非常に重要なことである。著者は、日本国内の右も左も他国に自衛隊を派遣するような状況のことを全然理解していないと喝破している。著者自身は、憲法9条支持者であるが、国内で語られる9条の支持者とは、支持の前提が異なる。 数々の国際紛争を目の当たりにしている著者にとって、武装解除に軍事力の力なしでは不可能としていると同時にお金の力は、必要な内政干渉にとってバーターとなる強力な武器であるとしている。カネを出すものは、非常に大きな貢献ができるのもまた事実なのである。 日本国内の自衛隊海外派遣に積極的な支持を出している論者が国連の指揮下に入らないで米国のサポートの存在として派遣しようとする態度に非常に危惧しており、そのために憲法9条がブレーキとして機能するため改定することはできないとしている。確かにイラク戦争の派遣は、国連のオーソライズがなく、事実上米軍の支援のためとなっている感が強い。 一方で日本の軍事的(兵力ではない)貢献の必要も説く。自衛隊の幹部を非武装中立の軍事監視団に派遣することも必要であるとしている。それにより、兵力的な海外派兵をせずに軍事的にも貢献できる可能性があることを示唆している。 それらの実現を困難にしているのが、日本の外交政策である。 また国内の自衛隊の海外派遣による力の誇示をする、又は海外派遣を容易にすることを希望する勢力を危惧する著者の気持ちに非常に共感する。国内の9条と自衛隊の派遣に関する論争は、復古主義者又は軍事オタクと危機管理に疎い画餅の平和主義者との間で行われているように思える。両者とも軍事的衝突や紛争の真実に殆ど無知なことを本書が教えてくれている。
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【くちコミ情報】
日本が進むべき道
「日本はアメリカの天領である。」このひとつの事実を正確に理解している日本人がどれだけいるのでしょうか。そして、アメリカ没落が確定的となった今、日本はどうすべきなのか?このまま世界の政治に渦の中で、「主体性」を持たず生きていくと、遠からず中国の天領となってしまうと言う事が、本書を読むと理解出来るはずです。 これだけ分かりやすく、複雑な世界の政治を解説出来る人は他に見あたりません。彼の著書を読んだ後に、新聞の国際欄を読むと、理解出来る風景が一変している事に気づく事でしょう。 黙って読め、と言える本は年に何冊もありませんが、これはそのうちの一冊です。
日本の進むべき方向性が示される
経済、外交、教育、軍事など幅広い分野の問題点や今後、日本が進むべき方向性が軽快にわかりやすく書かれています。 日頃、個人的に確信していることだけでなく、疎い経済分野で漠然と思い描いていることなどでも、私の考えと大半の部分で一致します。 知り合いの「親日」中国人とも話しますが、日本文明とは思想や文化など多くのものが輸入されながらも、良い点だけを残して吸収し、悪い点を排除して発展していったのだが、戦後、特に最近は悪い点ばかり取り入れているということ。 その原因となり続ける「A級戦犯」は戦後教育と左翼メディアでしょう。 未だに「大」新聞とやらは、アメリカが押し付けた占領基本法を絶対に護るべし!と声を荒げながら、アメリカに追従するな!と訴える欺瞞と矛盾。 戦後、ひたすら「日本」を否定・破壊し、左傾斜してきた日本。未だに「アメリカでは」「フランスでは」云々と言う輩が絶ちませんが、日本は「日本」から学ぶことが大切です。 子供たちに「日本」を学ばせる。それが教育の最も重要なことの一つです。
日本の将来を考えて…
北野氏の本は、シンプルだ。とても読みやすい。 難しいことを難しく書く人は多いが、難しいことを易しく書く人は 残念ながらほとんどいない。 しかし、北野氏は難しい国際情勢を、これ以上ないくらい易しく教えてくれる。 イラク戦争はどうして起きたのか? これからアメリカはどうなっていくのか? 中国は、ロシアはどう動くのか? そして、日本は…。 アメリカの大統領はオバマ氏に決まった。 北野氏の書く「多極体制」がいよいよ始まったのだ。 我々日本人はもう、アメリカに頼ってばかりはいられない。 では、どうすればよいのか? その答えはこの本の中にある。
歴史は切り口次第でどうにでも解釈できる、外交もまた同じ
日本は従米路線の愚かさにいい加減気付け、と叫ぶトーンは前著から続く。 日本人に深く根を張る謝罪史観は、アメリカの指示のもと歴教協など左派の教育者によるもので、早く洗脳から目覚めよと説く。まさにそのとおり。 移民労働者反対や基礎教育の重視(特に幼年期の暗誦)にも共感するが、本書には疑問点もある。 アメリカ幕府のあとは中国幕府の天領になると著者は言うが、昨今の中国食品などからくる国民の嫌中意識を考えれば微妙だ。 低額商品・普及品市場は中国に任せ、富裕層を対象にした高級品路線に特化せよとの主張にもひっかかる。 スイスや北欧などの小国ならいざしらず、日本のようなフルラインの産業構造を持つ大国は、普及品あっての高級品だし、最初から市場を絞った戦略は損ではないか?
徹頭徹尾日本の国益を論じる
著書待望の新著である。 著者は旧ソ連・ロシアに留学、カイルムイキヤ自治共和国大統領顧問をつとめたり、コンサルティング会社を経営するなど、ロシアで活躍する日本人である。 この珍しい経歴が著者の独特の分析の背景となっている。 日本から旧ソ連への留学というと共産系の知識人がまず最初に思い出される。彼らは既に過去の人材だ。現在留学というと西欧系の大学が主流であるが、彼らは西欧流の思考法を身につけて帰ってくる。著者はそのいずれでもない。旧ソ連といっても思想系の学問を積んだのではなく、外交について学んできたのである。 その原則は徹頭徹尾国益を考える。つまりは「カネ」である。国家は自己の国益を最大限にすることこそが使命なのである。 そこにイデオロギーのはいる余地は全くない。著者もこのリアリズムを我がものとして現在の世界情勢を鮮やかに分析する。欧米にもロシアにも中国にも偏らない、日本の国益を最大限追求する論説は他ではあまり見られない視点もあり、非常に興味深い。 また、さらに特徴的なのは公開情報を主として分析を進めていることである。著書にも随所に新聞や通信局の記事が引用されている。これらの記事を丹念に読み、分析することによって世界情勢の大きな動きが読めるというわけである。何も裏情報やコネに頼らなくとも世界の動きを読むことはできるのだ。冷戦時代のスパイの重要な任務が現地の新聞の分析であったことと同じである。 著者の最大の関心事は日本の国益である。 世界情勢への多様な側面からの分析はネタバレになるので詳しくは書かないが、第6章は必読である。著者の日本に対する熱い思いを読み取ることができる。日本にいる我々が日本のために何ができるのか。混迷の現在こそ著者のメッセージを受け取り、少しでも良い未来を築くための努力をしなければならないと思わされた。
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中谷 和男(翻訳)
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【くちコミ情報】
そううまくいくか
1.私なりに内容をまとめると 世界には繁栄と無縁な10億人の人がいるが、それらの人が所属国は4つの罠にはめられて身動きが取れない。これを放っておくと他の50億人にとっても不利益である。そこで、これらの国の貧困問題を解決するには、成長が大事である。その成長を促す手段4つを、的確に、かつ効率的に取り入れるべきである(罠と手段については本をお読みください)。 2.評価 単なる著者の哲学ではなく、資料を駆使した上での結論のようなので(p314〜)、門外漢の私ごときの批判は難しい(資料に当たっていないので)。ただ、直感的には、疑問がある。 まず、輸出品目を増やすのは可能か?天然資源に比較優位があれば、輸出品目を増やす気になれないオランダ病もやむないだろう。その克服ではなく、それを前提として政策を立案したほうがいいのではないか? 第2に、貿易の多様性についてだが、50億人の人には多様性は不要なのか(農業補助金はその手段だろう)。10億人と50億人でルールが違うのはやむを得ないとは思うが、違った場合の不都合も考慮しなければならないのではないか。 第3に、軍事介入について。有益だとしても、どのような哲学に基づくべきかが明らかでないし(今までの価値観を超えないと他国を納得させられないだろう)、国際連合の問題にも踏み込めていないように感じた(拒否権をなくしたほうが介入は容易になるはずで、なぜ提言しないのだろう。既得権保護か)。 3.結論 長所星5つ、短所星3つ。短所は所詮直感的なものなので、星1つ減らすにとどめ、星4つ。
同じ、人類、として。
著者は、最貧国が経済発展に見放されてしまう”罠”を、4つに分類。 それは、「紛争」、「天然資源」、「内陸国であること」、「小国における悪いガバナンス」。 翻って、なぜ、わたしの住む日本が経済発展を遂げられたのかを考えてみる。 勤勉な民族性? 日本人は、まじめだから? それを全否定はできないけれども、海に囲まれ、これといった天然資源のない日本は、地理的なラッキーに助けられていたんだ、ということを改めて強く感じた。 注意すべき点は、最貧国=アフリカではない、ということ。 アフリカにも経済的に比較的豊かな国があり、アフリカ外でも困難に陥っている国がある。 当たり前のようだが、遠い国のことなので、つい勘違いしそうになる。 また、開発援助論の中では、民族の自決権をどうするか、といったことが議題になる。 だが、本書に登場するような国には、それ以前の助けが必要じゃないだろうか。 かわいそうな人々を見て、豊かな日本に生まれた自分はまだマシ、と比較優位に立って終わり、じゃなく、 人類が歴史の中で築き上げてきた人権思想が、世界という現場で、いままさに試されているんだと思う。 ともに生きたいのか、どうなのか、助ける力があるのか、余力がないのかー。 自分という個人単位でなせそうなことを考えたり、実践しつつ、 国家や国連などの行動を、注意深くウォッチしたいという気になった。 と、同時に、日本国内にも貧困が増えてきていることを忘れてはいけない。 遠くを視野に入れることで、足元もよく見える。 かなたの誰かを知ることで、わたしへの理解も深まる。 日本語を読める人になら、誰にだっておすすめしたい1冊だ。
今日の開発問題を考える際の一級書
アフリカ問題の大家が、今日の開発問題の盲点に挑みます。ただ、大家といっても単なる学者ではありません。世界銀行の実務官僚の経験にうらずけされた実体験・豊富な資料を駆使して論議を進める姿に、英国の開発学の層の厚さを感じました。 中味といえば、漠然とした、植民地後遺症論やグルーバル化悪化論を退け、エビデンスを示しながら、先進国援助の問題、内戦がビジネスとなっトいるアフリカ諸国の現実、有効な対策を打ち出せないでいる国連機関の姿、独善的なNGOの現状を横軸に、ボトム・ビリオンの国が陥っている4つの罠の惨状を縦軸にして、世界人口の底辺の人々10億人の苦悩を記しているのは圧巻です。アフリカ問題、いや開発論を学ぶ方にとって必読の本と言ってけして過言ではありません。今、世界経済が沈滞に向かう中、このような人々の生活をどう守るのか、いや、寧ろボトムビリオンが広がるのをどう防ぐのか。80年代の世銀の構造改革路線の轍を踏まない工夫が求めれている時に、思考の出発点を提供してくれます。そういいながらなぜ評価が低いのか。それは訳文の質です。原著に忠実に訳さんとするあまり、日本語として非常に分かり難い表現が多々みられそれが核心的な部分の表現の箇所に多かったのが非常に残念でした。海外出張中にアメリカの空港で原著を入手してそちらで読了しました。少々辞書を引く労力を厭わなければ原著を読まれるのも一法です。
貧困国問題の冷静な分析と提案
世界の極貧国についての原因分析と、それに対する対処を提案した本。先進国/途上国という二分法の中から脱出し、途上国の中にさらに最底辺国という区分を設けた。この概念設定により、極貧国を途上国一般の問題から切り離して提示する。こうした極貧国はアフリカに多く存在するため、アフリカ中心の議論だ。ただし、極貧であることがアフリカ固有の問題(「アフリカ・エフェクト」)だとは著者は認めていない。 本書は事例を提示した本ではない。アフリカの貧困の実態について、事例を挙げて提示したものではない。それは、ジャーナリストが鮮やかに書いている他の本を見ればよい。本書はデータを多く用いた、抽象的分析と提言の書だ。それも、全体的にきわめて冷静な、ある意味では冷酷な分析だ。貧困から容易に抜け出すことのできない国々の現状と、それに対してできることの僅かさ。その僅かな中でも、できるだけのことをなそうと提言する著者。非情な努力である。それは、こんなに貧しい人々が生きる世界に自分が生きていることへの強い憤りに根ざしている。 著者の分析によれば、極貧国を極貧から脱出できないようにする「罠」は以下の四つである。(1)紛争の罠、(2)天然資源の罠、(3)内陸国の罠、(4)悪い統治の罠。私には特に、天然資源に関する話題に眼を開かれた。資源があるからといって発展できるというより、むしろ資源がある方がその国を発展から遠ざける。また、資源国では民主主義よりも独裁制のほうが発展は早いという指摘。さらに、近年の中国が行っているアフリカ資源外交は、アフリカ諸国を貧困に固定するだけだ、という主張。 これら原因の分析に続いて、グローバル化が極貧国に与える影響が考察される。人・金・物の高い流動化は、逆に極貧国から資本を逃避させる結果になっている、と。以上をふまえて、四つの対策手段が語られる。(1)資金援助/技術援助、(2)軍事介入、(3)法の制定、(4)貿易政策。これらは現実的に語られている。資金援助が功を奏さないのはなぜか。ある時期までは技術援助のほうが有効であること。また、軍事介入の必要性。イラク、ソマリア、ルワンダ、マダガスカルの例が引かれる。さらにあまり重視されない、法制定の重要性と、関税を中心とする貿易政策について。加えて、これらの対策の検討に基づき、各国の援助政策の誤りや、クリスチャン・エイドなどNGOの誤りが鋭く批判される。 これらの分析や対策を「上から目線」「新植民地主義」「逆差別」と批判するのはたやすい。しかし実際に先進国は「上」にいるのである。軍事介入をしなければ、国は好転しない。極貧国を特別待遇しなければ、彼らは貧困から抜け出せない。理想を語ることは容易にできても、現実にできることはごく僅かだ。本書を貫くのは、現状についての冷めた眼と、ある種の諦念であろう。 私には次の言葉が印象に残る。特にアフリカ援助に携わるわけでもなく、アフリカ問題が単に「遠い国のことでしかない」私には。 「しかしあなたの仕事が開発と関係がないために、自分には責任がないと考えてはならない。あなたは市民であり、市民であることには責任が伴うのである。[...]この過失【第二次世界大戦における政治的過失】によって彼らの子供たちは大量殺戮されることになった。再び回避可能な大惨事へ迷い込むことを阻止するのは、すべての市民の責任である。/そして、それは避けることができる。」(p.285)
“グローバルな公益”としての「10億人諸国」の問題解決
先ず、本書の原題である“The Bottom Billion(ボトム・ビリオン)”とは、豊かな世界の10億人あるいは開発途上にある40億人とは別の、後述する「罠」にかかり、「グローバルな堆積の最下辺に押し込められてしまった」(本書p.26)10億人の人びとを指す。地理的には、その人口の70%を占める「アフリカが問題の核心」(p.20)であり、《アフリカ+α、58ヵ国の小国》が対象となるようだ(p.21)。 著者のポール・コリアー(Paul Collie )教授(オックスフォード大学)は、アフリカ(経済)研究等を通じて「今も世界経済システムの底辺にある開発途上国」(p.5)の「問題の核心は成長であると確信」し、「彼らの社会における成長プロセスの失敗が、私たちの関心の中心でなければならない」(p.27)とする。「そして、この失敗からの救済が開発の課題の核心でなければならない」(同)という。 教授は、開発途上国の成長を阻害する「紛争の罠」「天然資源の罠」「内陸国の罠」及び「小国における悪いガバナンスの罠(=失敗国家)」を当書で指摘し、これら4種類の「開発の罠」に対する対応策・解決策についても、独創的な所見を披陳している。何よりも「底辺の10億人の国の問題を改善することは、グローバルな公益」(p.298)であり、教授は「定量的な研究」(p.286)の成果で、左右両派の浅薄な論理を一蹴する。 最後に、「軍事介入」についてであるが、教授はその有用性・有効性を認め、「例えばドイツと日本は永遠に彼らの歴史に隠れていることはできないし、国連安全保障理事会に入っていないことを不参加の口実にすべきではない。日独は大国であり、果たすべき重要な任務をもっているはずである」(p.300)と述べる。この点に関しては、教授の立言を字義通りに受けとることなく、日本の国情に合った慎重な対応が必要だろう。
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スイス政府(編さん)
原書房編集部(翻訳)
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【くちコミ情報】
核恫喝・内部浸透・間接侵略。思い当たることばかり。
本書は一人でも多くの方、特に若い方に読んでほしい。 災害や戦争、核攻撃に備えることをリアルに肌で感じさせて くれる一冊なのです。 戦場で軍隊同士が激突する、それだけが「戦争」の貌ではない。 本書にもあるように、軍事力の激突の前に、それはすでに始まっている。 (孫子ならずとも)無血で目的達成することが至上の勝利。 彼等はそのためなら何十年・何百年でもかけるつもりだ。 唯一の被爆国、とか言ってるなら、 核兵器に関する科学的な知識と民間防衛の普及を図りましょう。 愚かな戦争は二度と繰り返さない、とか言ってるなら、 まず法体制をきっちり整備して内を固めましょう。 チェック&バランスで組織の暴走をさせないように。 人は城、人は石垣、人は堀。 投了するにはまだ早すぎます。
すばらしい
私は共産党員です。ですが、この本は、平和を保つ私達日本国民の義務、責務が私達の頭から抜け落ちていた事を思い知らされた。 とくに、227ページの言葉にショックを受けた。 侵略にも、色々あって、目に見えない戦争もあるのだと言うこと。 私の立場にも大影響を与えた一冊であり、今の日本人には必読と思います。 軍事書のように思ってましたが、災害対策、非常事態対策などにも役に立つと思います。
今の日本人はまず意識改革から
これは、日本と同じように平和を希求する国として、永世中立を謳っているスイス政府が国民に対して配布している本です。ともに平和を求めるということでは同じ理想を目指しているんですが、日本と違って、スイスは非常にリアリスティックにその平和というものを考えて、どこにも与しないが自国を徹底的に守る兵力は持つべきだと考え強大な武力を背景に平和を守ろうとしています。このあたりは、諸国の良心に期待して、基本的には武力を頼みとしない、頼るべきものは国際世界であるとする日本とは、本当に全然方向が違う方法で平和を勝ち取ろうとしている国です。 平和を守ると考える日本にとっては、世界のデフォルトは平和であるという世界観があり、平和を勝ち取ると考えるスイスにとっては、世界のデフォルトは弱肉強食だという世界観があるのでしょう。この感覚というか世界観の違いが両国の姿勢によく現れているのがこの本だと思います。 著書の中で、スイス政府は平和を勝ち取るためには、一糸乱れぬ統制こそが大事であり他国に攻め入られない為のものであるとして、いざという時に国防がスムーズに出来るように全員が軍隊経験を持つべきだとするし、いざ守備をするためには家族の安全がなくては力が出せないだろうと考えシェルターの作成と維持を義務づけます。彼らにとっては、それもまた他国に国民を人質にされないための方策であり、平和への努力の一つです。 それに引き換えると日本はどうでしょうか。諸外国の圧力や甘言、世論の雰囲気で諸外国に事実上押さえ込まれつつあります。また海外から不平等に扱われても自らの正当性を主張できない状態になっています。これはかな危険な状況です。しかし、それすら理解できていない人の方が圧倒的ではないでしょうか。勿論、今現在注目されている自給率の低さもこういうことの延長線上にあります。 自分は軍国主義者でもなければ右翼的な考え方もありません。 どちらかといえば、かなり平和主義者です。 けれど、その平和を維持する為に、武器を携えることはともかくとして、平和を維持して自分や自分の家族そして子供達の世代の日本人が平和に暮らせるようにするためには、まず平和というのは何もしなくても自然にあるという世界観は変えないといけないし、日本もそろそろもっと真剣に今後の世界の中で平和を維持するためにどういうことをしていかないといけなかを考えるべきではないかなと思います。武器だけでなくても平和を守る為にできることはたくさんあるし、それを意識することがまず先決であると強くこの本を読むと思います。
日本流の民間防衛が必要
日本人にとってこの本の本質的価値は「戦争のもう一つの様相」という項目からである。ここには物理的攻撃に対してではなく、精神的攻撃に対しての対処の仕方が書かれている。この「戦争のもう一つの様相」という項目で書かれている事柄に現在の日本がいくつも当てはまることに危機感を感じる。「スイス」や「わが国」と書かれているものを「日本」と置き換えるとすんなり理解できるであろう。 私は日本へのスパイ活動は徐々に成功を帯びてきていると考える。一例を挙げれば、日本のある有名私立大学で国際政治学を教えている在日の某教授は韓国の新聞社に「日本の外交は誰が動かしているのか。」という名のコラムでこう寄稿したことがある(現在その記事はなぜか削除されている)【日本の大衆に迫る形と言語でもって批判的なメッセージを伝えること、『日本の良心勢力』だけでなく、政財界の指導層にも食い込むため努力すること〜中略〜在日韓国人の地方参政権獲得とともに、日本社会を内側から変化させる方法も進めなければならない。】と。 最後に本書の「戦争のもう一つの様相」から一部引用しよう。 「戦争のもう一つの様相はそれが目に見えないものであり、偽装されているものだけにいっそう危険である。それは国外から来るようには見えない。カムフラージュされてこっそりと国の中に忍び込んでくるのである。そして我々のあらゆる制度、あらゆる生活様式をひっくり返そうとする。このやり方は最初は誰にも不安を起こさせないように注意深く前進してくる。その勝利は血なまぐさくは無い。そして多くの場合、暴力を用いないで目的を達する。」
山と海
谷ごとに文化が違いライバル心を持つ国。 軍事上の要衝であったため、近隣の強国の間を綱渡りした国 国を守るため、国民を傭兵として各国に提供した国。 血筋を残すため、親兄弟が敵対する国々に分散して戦った国。 この本は、自国の民主主義体制を守るために国民のために作られた本。 この本の重みは、スイス史を知っているとより分かるでしょう。 漫画のような感覚で字面を追うだけでは理解しにくい内容。
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【くちコミ情報】
ダーリンに惚れちゃいそう
ダーリンことトニー・ラズロの観察日記。トニーっていろんなとこにこだわりあって、おおらかで、やる事いう事かわいらしくていいなあ。でも、多分これって小栗さんの観察力と筆力のなせる業って部分が大きいのだと思う。トニーの独特の思考回路と2人のほのぼの生活を楽しんでください。
古古米よりも鮮度が落ちる
前作の「ダーリンは外国人」の柳の下を狙った本。こうした二作目を書く場合は、一作目にはなかった工夫が必要であろう。私は前作で作者が敢えて触れなかった異文化の先鋭的な対立の描写を期待していた。 ところが、相変わらずパソコン・オタクで語学オタクのダンナの日常を描くだけ。幾ら語学オタクだからと言って、分からない日本語があるのは当然だろう。それを、さも可笑しげに書く姿勢が本書の内容を良く表している。洗濯機などの家電製品が使えないのは、日本のオヤジと同じで微笑ましいと言えるが、刊行本で描くような内容とは思えない。残酷シーンが苦手なのは、個人の特性であり、外国人とは関係がない。こうしたダンナをいたぶる悪女を演じる作者も悪趣味である。 ダンナの信念の強さ、物事への拘り、(ダンナが考える)正義の希求と言ったものは、実はキリスト教的発想なのだが、作者は敢えてそこには触れない。触れればホノボノ漫画とはなり得ないからだ。これでは、第一作と同じ内容を繰り返し描いただけで新鮮さが感じられない。作品全てとは言わないまでも、どこかに文化的・宗教的に越えられない高い壁を描いて、ピリリと引き締まった作品にして欲しかった。
外国人
外国人の旦那さんとの日常生活が書かれていて面白い。「ダーリンは外国人」は旦那さんとの出会いから始まり面白かったですが、その第2巻が出ました。違う文化を持った人との生活はこんな感じかぁって思えて楽しい。
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第2弾も絶好調のようです。 話のネタとしては実生活中心の他愛のないものなのでしょうが そこが・・・「ああ〜平和だなぁ〜!」と思ってしまう。 平和なこと、それが一番大事。 この本を読んでいると自然に微笑んでしまう理由も、その辺なのかな?
生活に主体を置いた第2弾
第1弾と違い第2弾は男女が暮らすコツが主体。 前作でキャラクターが突出していたトニーだが、今回はそのキャラクター性を押さえている。 日々の生活では、トニーも日本男児も同じなのかぁと思わせる。が、 そこでさおりさんが企むこと。 喧嘩してしまった後どうするか。 など、男女が一緒に暮らしていくなかで、旨くやっていきたい気持ちを どう行動していくかが書かれている。
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【くちコミ情報】
日本は良い国である悪いのはアメリカだ。
本当にアメリカというのは地球全体をアメリカ化したいのかと考えた。 もうすでに自国から大量の二酸化炭素を出しているのというのにこれ以上自分の国だけ発展を成し遂げたいと思うのならば、その考えを一刻も早く辞めるべきだ。 アメリカは、個人主義と自由主義という名の下で悪くなっていると思う。だいたい銃がないと生きていけないとはその時点で異常極まりない。銃があるからこそ悲しみがなくならないのだ。銃社会の時点で最低だ。アメリカは本当に日本を自分のものにしようとしている。 私達は、もっと日本の良いところ、文化から学べるところを学び、アメリカの影響で考えさせる能力を失ってしまった風潮を取り戻さないといけないと考える。
日本の未来はフィリピンか?
日本の未来はフィリピン、アルゼンチンどころではないのかもしれない。 「年次改革要望書」はかなり有名になってきたが、米国の一部の企業のために、公共部門の民営化がおこなわれている。郵便局や国鉄は特に問題なかったかもしれないが、他の部門、特に水道局とNHKの民営化はあぶないのではないか、「何事も過ぎたるは及ばざるが如し」という。 弁護士の事情も日本と米国ではだいぶ違うようだ。法の考え方自体が、日本は欧州を真似たといっても、英国ではなく大陸なのだ。米国が世界でも特殊な国であることがよくわかる。 とても勉強になった。 そして、一言申し上げると、日本の保守層というのは完全にダメである。完全に脅されている。とくに下劣にも青少年の心理につけこんで、偏った保守意識を育成し、庶民をロボット化するか、奴隷化するか、支配欲の実現をまるでSFか漫画のように実行しようとしているようだが、とくにその道具や手続きとして、日の丸を掲げることや君が代を推奨しようとも、その思想の根幹はとても保守とはいえない実態がこの本を読めば透けて見える。
この本は対日工作を見事に見抜いた本
こんな早くから見抜いていた気鋭の若者が日本に存在した。 日本民族は年次改革要望書の意味をもっと理解しないといけない。 今は反米=左翼の時代ではない。 関岡さんあっぱれ!
アメリカの問題でなく日本の交渉力の問題だ
入っているメーリングリストで、必読書ですと書いている人がいて、他にも支持する人がいたので読んでみた。 くだらなかった。アメリカがアメリカの国益のために日本にいろいろな要求を突きつけてくるというのは、当たり前じゃないの。どこの国がそれ以外の要求をするのよ。そんな国があったらそっちの方が大変。 要求する側にも錦の御旗が必要で、アメリカが日本の構造的問題点をしっかり突いて来ていて、日本はそれが問題点ではないと十分な反論が出来ていないと言うだけのことだ。議論に負けてるのよ結局。 しかも、読み進むと、日本の談合も長い時間機能して来たのだから良いのだとまで書いてある。これには驚いた。百歩譲って指名競争入札制度を弁護することはできる。しかし、「談合が雇用を守って来た」なんて論理がどこで通用すると思っているのだろう。 そもそも、スタートに書いてある、「2x4 は地震に弱いのにアメリカの圧力で認めた」と言うのは大嘘。阪神大震災の時に、壁が構造材になる 2x4 は地震に強かったのだ。建築学以外にも突っ込みどころが満載。もう少し勉強してください。 国際標準の議論にしても、国際政治なんてこんなもんです。学問の世界だって、西欧が牛耳っている状況は変わらない。そんなものを著者の考える“正しい主張”でひっくり返そうとしたって、できる訳がない。研究者の世界では、英語で論文を書かないと評価されないという時点で、大変なハンディキャップを背負っている。じゃあ、日本国内では日本語で論文を書きましょうと日本の内部で申し合わせても何にもならない。 そして、後半はアメリカの社会と制度の批判が延々と述べてある。内容的には特に新しい視点があるわけでない。ある制度の悪口を言おうと思ったらいくらでも言える。少なくとも、制度の長所短所を比較しないと全然生産的ではない。 アメリカの日米構造協議での行動がすべて“正しい”とは全く思わないし、アメリカ合衆国にも問題点が沢山ある事は分かっているが、構造協議での指摘のうちで本来は改革しておかないといけない事がかなり含まれていたのは事実である。それが、“外圧”を通じてしか変革出来なかった日本の体制に対する批判を持たずに、アメリカの悪口ばかり言っても、ただの国粋主義+保守主義、にしか過ぎない。
アメリカという国は・・・、日本の政府・官僚は・・・
アメリカ・中国・韓国はみな同じご都合主義国家。 といえどもやはりその中にも常識人がいるからそれらをバックアップして意識改革を促していないと。 しかし、日本の政府というのは御用聞きか!!
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【くちコミ情報】
筆者の左翼的思想甚だしい愚弄本
事実無根も甚だしい内容。 沖縄の集団自決について、当時座間味島の守備隊長だった梅沢少佐らが住民に対し自決を強要したという内容はまったくの嘘である。この件は今も梅沢さんらが著者の大江氏、岩波書店を相手に裁判を続けている。大江氏はこの本は嘘だったというのを潔く認めてほしいものである。
無題
この本の評論とはずれるます。沖縄生まれ、居住者です。小さい頃から、曽祖母に戦争の話しは耳にタコができるほど聞かされて育ちました。親類が、実際に集団自決した事も。戦争を知らない私達が議論するよりは、実際に証言者の記述を見てから意見を述べてほしいです。沖縄南部の平和資料館には、たくさんの証言文集が保管されています。ニュースや風評だけでしかこの本を語れない人、【国益】という言葉で事実を曲げようとする人、何か感じてくれたら幸いです。
国連からも圧力が
控訴審も大江の勝ち。戦争責任を認めない哀れな連中はいよいよ追い詰められる。
本当に読んでるのかな
裁判を知って勢いで書いているように見えるレビューもありますが、本当にこの本を全部読んでるのかなあ、と思ってしまいます。 沖縄と本土との関係は、今でこそ有名な芸能人たちが普通に活躍していて単なる南の県といった感じですが、歴史や戦争中の扱いを考えても、どう捉えて良いのか分からない複雑なものです。簡単に答えが出るはずもない。大江の煮え切らない文体は、その分からなさを受け止めたものだと思うし、単なるジャーナリストではない作家の作品としてそれは成功していると思う。 今の若い作家でこういった本を書ける人は少ないでしょうね。
沖縄が日本を揺るがす
「日本人とはなにか、このような日本人ではないところの日本人へと自分をかえることはできないか」 この問いの答えを見出すべく、筆者は沖縄を真剣に真摯に向き合い、沖縄に揺さぶられていきます。日本語は沖縄語の前に拒絶され、天皇の権威や存在も沖縄・沖縄人の前では曖昧化されます。日本列島で当然とされていること・ものの存在が次々と懐疑的なものに変質していきます。そのとどめは沖縄が生んだ、内容の稀薄な「本土」という名称でしょう(223-224頁)。 全体として雑誌や新聞の記事を基に沖縄と沖縄に映し出された日本を筆者は描き出しています。これは労作ではありますが、当事者との対話から文を書いていくべきではなかったでしょうか。沖縄の知識人だけでなく、沖縄に暮らす庶民の生の声を直接汲み取ることや諸問題の当事者との真剣な討論を行うということも重要であったと思います。筆者が導き出した考えには私は同意できるものが多いです。それでもそれらの中にはやや客観を欠いており、筆者の主観が先行している感じがします(例、「沖縄に属する日本」など)。 本書の刊行は1970年であり、当時と現代における問題意識は、似ているかもしれませんが、全く同じではないでしょう(「沖縄独立」は国会のテーマにはなっていない。2008年8月18日現在)。本書は歴史資料になりつつあるかもしれませんが、しかし、世の中の出来事、物事、そして当然と思い込んでいる自分自身の姿を見つめなおすきっかけを与えてくれます。今でも思考変化を促す力を『沖縄ノート』は秘めていると思います。特に、人類館事件(186頁)の記述は植民地主義(「日本に展示される沖縄」)とジェンダー問題(「鞭持つ男に罵倒される沖縄の女性たち」)へと思考空間を広げてくれました。
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やっと分かった本当の歴史
「マンガ」を謳っているだけに不安な部分があったが、出典もしっかりしているし、歴史観も「事実、史実」を基にしているから偏向のしようがなく分かりやすい。内容も単に韓国を「けなす」ことが目的ではないので、たとえてみれば「多くの日本人が理解できていない日韓の歴史を事実に沿って解説した書(マンガ)」と理解しても間違いではない。だから帯にある「危険すぎて」というのはむしろこの本にとって、というより「在日」を利用して甘い汁をすする人たちにとって「危険すぎる」本ということになり、皮肉が利いていてさらに面白くしている。
事実なんだけどね
韓国に対してこの本に関する話は事実だと思う。ディベートの際には大いに役立つだ ろう。 ただ社会人、もしくはある程度の経験をしている方ならご存知の通り、理論だけで物 事が決まったり、ディベートがうまいヤツの提案が採用されることは案外少ない。人は 理屈では動かないのだ。 本書に対する評価を「普通」とさせていただいたのは、作品の「書き方」に対して意義 があるからだ。あえて煽るような内容を書き、著者は匿名。あまりフェアとはいえないだ ろう。また本書を読んで衝撃を受けるような人は、今まで日本近現代史に関する本をあまり 読んだことがないと考えられる。そのような人がこの本を読むと、きわめてヒステリックな 反応をして、日常生活で痛いことを言う危険があると思う。 日教組の洗脳からとくには格好の本だが、劇薬なので注意して使いたい。
そもそも
嫌韓や反日といった現象自体が本質的にガス抜きでしかないというのが私の考え。 過剰に『友好』を煽られたことによるストレスが噴出しているだけ。 この本の内容に関しては、まずここから真の日本の誇りを見い出していけるような事は残念だけどあり得ない。 何故なら、著者自身の知識解釈知性の質が圧倒的に低いから。事実の誤認や拡大解釈、日本人の立場のみによる解釈多々。一次資料の明確性に欠ける。 そして内容の正誤以上に問題なのは描写の方法が愚劣であること。 相手を徹底的に卑しい、愚劣で、知性に欠ける人格として描いている。 これを読んで、日本人としての自覚が、日本人としての誇りが芽生えたというレビューが結構あるみたいだけど、正気か? 結局、科学的に語っているかのようで、この本が目指すところは実は観念的で感情的な敵対感情の醸成で…『敵』を必要とするナショナリズム…まるでこの本が嫌う某国みたいじゃないか? レビューを読んでいると、せっかく取り戻し始めていた日本人の愛国心を質を下げ、蔑む結果となったようです。 最後に、おそらく『反日』も『嫌韓』も本質的に両民を解放する手段にはなりません。 お互い、『敵』を間違えています。わかる人にはわかるでしょう。 反日の具体的イメージを伝えたという点のみ評価。
挑発的な、異文化理解の入門書
徹底的に韓国を悪とする論調で書かれており、内容の正しさや 受け手の快 不快は別として、それこそが読ませる力になっている。 上品な、”国際文化比較論”などを読んでも全く印象に残らない。 異文化の、「私たちとは違った考え方」などというものを紹介されたところで 全くピンとこない。 一方、マスコミが書き立てる韓流ブームに対する一般人の違和感が この本がヒットした一番の理由でしょう。 高評価ですが、マンガ自体はかなり不快でした。 マンガ的表現で、自説側(主人公たち)は美化し、理知的にし 韓国の立場をすべて醜く感情的で不気味に描くのは、マジメな内容を読もうという 気持をずいぶん萎えさせました。 また著者が悪とするのが、 韓国の国の指導者たちなのか、韓国の一般の人たちなのか、在日韓国人なのか なんだかぼやけています。韓国の指導者たちの世論操作で、いまの反日がある というような書き方をするところもあれば、”中華思想を持つ朝鮮人は そもそも全部悪”といったような異文化全否定とも取れるようなことも。 私はこの本を読んで、逆に自分の異文化への思い込みを自覚できた。 よく言われているように、日本人は欧米を上に見て、他のアジア諸国を 下に見る傾向があようです。世代的なものかもしれないが、私は“韓国製”っていうと なんか偽物っぽくて安物っぽい印象を持っていた。*いまは認識変わりましたが。 著者が、”韓国人は日本人を下に見ている”と主張してました。 が、自分も他の国の人間に無自覚でそういったことをやっているので お互い様な気もしました。 ただ、”マスコミが隠している情報だから、この本は真実”って言うように安易に 過信しないで、マスコミに対してもこの本に対しても冷静な視点で、自分の頭で 考えて判断してもらえたら、異文化理解のとてもよいテキストになると思います。
まともな議論
漫画だと思い期待はしていなかったが、以外にまともな議論ができている。論理のすり替えや、飛躍は見られない。 わが国では、言論の自由は法的になら認められているが、社会的には認められないことが多い。このような話題でも自由に議論できる当たり前の社会を形成していかなくてはならないと再認識させられる一冊。
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