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劉備軍の快進撃
軍師孔明の指揮のもと、劉備玄徳の軍が快進撃。 後で振り返ればこの巻の後半が劉備軍の最盛期であることがわかります。 曹操に老いが見られる中、「蜀」が主役として台頭します。 とにかく痛快で、読みだすと止まりません。
劉備率いるオールスター軍団の爆発的台頭
赤壁の戦いで死地を切り抜けて以降、時流を得た劉備が、蜀を興すまでに一気に台頭します。元々から、武将だけを見れば、魏をも凌ごうかというオールスター軍団。国土と兵力という確固たる基盤を得てからは、それまでの連敗街道が嘘のような、破竹の快進撃を見せます。 翻って曹操の凋落振りは目に余るほど。国力こそは依然三国最強でありながら、自身の指導力には明らかな陰りが見え始めます。分けても、「王佐の才」と謳われた名軍師荀イクを自害に追い込んだのは、完全な致命傷。激情した時も、自信を失いかけた時も、曹操が判断を誤らずにいられたのは、ひとえに彼の忌憚ない諫言があったからこそ。有能な重臣をフル活用することでのし上がった曹操も、いつしか袁紹などと同レベルまでに将の器を落としてしまいます。劉備に形勢逆転されるのも至極当然の流れと言えるでしょう。 物語そのものは、やや中弛みの感があります。馬超と許楮の一騎打ち、劉備と曹操の対面など、見せ場もありますが、今一歩盛り上がりきれない。あるいは、前巻の「赤壁の戦い」があまりに鮮烈すぎたためか。三国志最大の舞台である彼の戦いは、読み手、書き手ともに、一種の燃え尽き症候群を引き起こすようで、この第六巻は全体を通じ、かすかな倦怠感が取り巻いています。
神朴(しんぼく)
三国志後半。『神朴』では曹操に神懸かり的な助言をする者が登場する。予言したことがズバズバ当たる!ひょっとしたら、こういう人物のがいたのでは?と思わせる吉川氏のストーリーテリングは素晴らしい!魏の命運やいかに?
老いてもなお盛んな黄忠のように
この吉川『三国志』第六巻では70歳近くの武将・黄忠が大活躍します。 彼は関羽、張飛、趙雲、馬超とともに、劉備軍の5大ヒーローの一人とされ、劉備が漢中王になった際に、「五虎大将」という名誉の称号を与えられています。 p 三国志の時代は西暦でいうと200年前後です。今から約1800年も前のことになります。食べ物、医療、衛生状態、その他の環境に至るまで今とは比べものにならないほど悪かったはずです。 それにもかかわらず、黄忠は70歳近くまで生きているだけではなく、馬に乗って戦場を走り回り、刀を振り回して、名だたる武将を討ち取ってしまいます。 p 今現在の70歳のおじいさんからでさえ、馬に乗るばかりでなく走り回り、重い刀を振り回すということができる元気のあるおじいさんを探すのは至難の業でしょう。 三国志の時代では黄忠のような人物は今以上に稀有な存在だったに違いありません。 p そんな老いてもなお盛んな黄忠の如く、私も将来元気なおじいさんになりたいです。 p ソレデハ…
三国志を楽しみたいなら吉川英治!!
三国志を読むなら吉川英治のやつが一番です!! 書き方が上手いです、読んでいて風景が想像できます!
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【くちコミ情報】
待ってました。
約一年ぶりの新刊です。 次からのはもう少し早く出るそうですよ。
鬼頭生家編
1年2ヶ月ぶりの新刊です。 カズキヨネさんの美しいイラストが目立っています。 久しぶりの新刊ということもあって、前編を読み直しておこうかとも思いましたが、 簡単なあらすじと本編の中でも人物説明があったので、 その必要はありませんでした。 舞台は学校から華鬼の生家に移ります。 あいかわらずのシリアス展開ではありますが、 場所によっては結構あまあまですので、思わずニヤニヤしてしまいました(笑)。 「鬼」という独特な設定のためが、各キャラの背景説明がやや多めで、 ちょっとくどい感じもしましたが、 謎がそれなりに解けたのでマイナス要素にはならないかと。 期間限定特典の番外編「華の追憶」がネットから読めます。 前編にも初版限定の番外編小説がありましたが、 今回は「期間限定」(2009年1月9日まで)ですので、 無理して初版本探す必要はないと思います。 全3巻予定だった華鬼ですが、なぜが全4巻に変更になりました。 このペースだと完結は2010年(汗)。 気長に待ちましょう。
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【くちコミ情報】
亜美と大河の対象性に注目
この亜美のせいで前3分の1くらいはかなりイライラさせられるものの、話の落とし処が良かったので後味は結構いい感じです。 亜美は大河のライバルキャラですが、彼女とはスタイルも性格も正反対の「豊満、長身。外面が良くて実は超腹黒、傲慢」な女です。二人は幾度となく衝突を繰り返すものの何だかんだで、いがみあいつつも友人関係を築いて行きます。 まぁそれでもこの亜美には、私は後の巻でも幾度となく不快にさせられましたが、彼女のポジションは特に5巻以降でかなり重要になってくるうえ、彼女の真意はとらドラの登場人物の中でも最も掴みづらくもあり、注目の人物ではあります。
まったく萌えない萌えラノベ
女性作家が女性視点で描いているからでしょうが、美少女たちの内面や行動の表現がある意味「リアル」で男の考える「理想」とは離れていていわゆる萌えキャラとは一線を記すキャラばかり登場します。 男らしくて強い女の子しか出てきません。 守ってあげたいような子はいません。 きゃいーんとか〜にゃんとかいうような萌えっこは出てきません。 男キャラが逆に女っぽくて繊細で、ある意味女性の考えるやさしい理想な男像みたいな感じです。 女性作家が男性向けラノベを書くとこんな感じになるのかなと興味深い。 しかし、どのキャラも本当に魅力的でかわいらしい。 特に竜児がかわいい。
恐るべし竹宮ゆゆこ
「とらドラ」の第2巻には強烈な新キャラクター、とことん性悪な本性を天真爛漫かつ無垢な美少女という外面で覆い隠す二重人格者、川嶋亜美が登場します。 ヒロイン大河のライバルキャラとして登場した亜美のあまりのベタな悪役ぶりに、読み始めた時は正直ちょっと不安でした。心地よい文体や微妙なくすぐりのあるネタの切れ味は健在でも、ストーリーとしてはありきたりなものに墜ちていってしまうのかなと。しかしさすが竹宮ゆゆこはひと味違っていました。 一見よくある話のように見せながら、微妙に定型を外して意表をつくキャラクターや展開はデビュー作以来作者の十八番ですが、今作では亜美の性悪さを一切減じることなく、それでいてキャラクターの魅力は引き出していくという難度の高い試みを易々と達成しています。 「ラブコメディ」というライトノベルの激戦区において、早くもトップクラスになりつつある作者の活躍には今後も期待大です。
ここまで2重人格だとプロだね・・・さすが
目つきが悪いけど家事大好き「竜児」と、手乗りサイズ凶暴マスコット「大河」の奇妙な恋愛戦線を描く2作目。 今回から新キャラ、超性悪2重人格女「亜美」の登場による、大河と亜美の潰し合いが面白い。 困った亜美に大河が手を差し伸べるところがあるのですが、そこはやはり鬼の大河、きっちりとやってくれました。ええ。 また、その紛争に巻き込まれる竜児。亜美が半端でないぐらいに女の色香を振りまくものだから対処できない。 竜児と大河のそれぞれの「恋」の行く末をゆっくりと見守ってあげましょう。
虎vsチワワ
前回の終わり方からは想像もつかない展開でした。 まさかああなるとは… それにしても今回も大河はかわいかった、萌えじゃなくてかわいかったという方がしっくりきます。 ですが前の巻の方がインパクトが強かったし今回はそうでも無いかなという印象です。 んで今回は新キャラである亜美の性格によって合う合わないがあると思います。 またあの秘密が判明されるのが早すぎる感もあります。 ですがあのまま終盤まで引っ張っていったら亜美にイライラしていたかもしれませんし、あの秘密があるからこそあの状態の亜美の精神状態とかどういう気分でいるのかということが容易に想像できます。 そして毎度のことですがこの作者さんは文章のいたるところに小ネタをしこんでいて読んでて面白い。 またそのおかげで文章にアクセントがついていて良い。 今回もとても面白かった。 ですが…インコちゃんの出番が少なかったのが残念w
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その外科医は男気に溢れた神である
2007年4月23日リリース。所謂『田口&白鳥シリーズ』の第3巻。圧倒的な筆力である。他の作家の書き方が単なる空想世界の縮こまった描写だとしたら、海堂氏のそれはまさに医療の現場の声そのもので出来ている。だからリアリティが凄い。現場の罵声が聞こえてくるような錯覚に陥る。 中でも外科医速水の男気溢れる生き様の描き方はまさに剛速球投手の筆力である。氏は今の医療の現場に欠けているモノ・・・例えばオートプシー・イメージング Autopsy imaging(Ai=死亡時画像(病理)診断)や、医師用緊急ジェット・ヘリが、どういった状況下で必要不可欠で、それを阻害する主因の行動しない口舌の輩が行動する人間を批判する体質(これは医療現場だけに限らないが)がどれだけ存在しているかを知らしめるために書いているとしか思えない。それだけに読むものは読んでいて眼が覚める。 それにしても海堂氏は理系だというのになぜにこんなに国語に強いのか・・・難解な漢字の弾丸に撃たれながら最後につまらないことを思った。間違いなく今最も素晴らしい作品を書いているのはこの人だ。
面白い!!!!!
チームバチスタの栄光を読んだ方は、是非こちらも読むべきです! 最高に面白いです。 このシリーズ?のファンになってしまい、1作目を読んだあと、すぐに2作目3作目と買い、読みました! 田口、白鳥だけでなく、その周りのキャラクターも非常に面白みがあり、 ストーリー全体が最高に面白くなっています。 是非!読んでください!
おもしろかった 良い意味で期待を裏切られました
バチスタが期待通りではなく、今ひとつ読見たいという気持ちになりませんでしたが。 螺鈿、ジェネラル、ナイチンゲールと三冊一気読みでした。 三流官庁の厚生省への批判、グローバリズムの悪しき弊害への警鐘と考えさせられる点は多々有りますが、速水医師のかっこよさにしびれました。 ナイチンゲールの登場人物も魅力的でしたけど、三冊まとめと読むと一層分りやすいと思います。 お勧め!
面白かった。
「ナイチンゲールの沈黙」では非現実的な特殊能力があり、医療ミステリと言えるのか疑問がありましたが、こちらは現実的で読む手が止まらなかった。ナイチンゲールの沈黙と同時期の展開は読んでて面白かった。所々、前作で見た(読んだ)話が出てきたし、今回は殺人事件ではなく収賄疑惑なのだが、ICUという戦場がリアルに描かれていて、特にラストは一気読みしてしまった。そんな中で今回はちょっと三角関係的な恋愛感情もあって楽しめた。今まで話題にしか出てこなかった姫宮の登場も楽しめた要因だと思う。 田口・白鳥のコンビとしての活躍は今回も少なかったけど、続編が出たら読みたいと思う。
詰めの甘さが残念
チームバチスタのシリーズで同じ病院を舞台にしている。 またシリーズということで、時間的にはバチスタの約9ヵ月後が舞台設定。 今回も医療現場の矛盾点と闇をとりあげて、とても読み応えのあり、 将軍のカリスマ性に惹かれて一気に読んでしまった。 ただ残念なのが、前半の丁寧な展開に対して、後半に進んでいくほど状況が端折りぎみ。 特に前半登場した小児科の看護師がいつの間にかフェードアウト。 その説明も、なんとなく小児科で何かゴタゴタがあってその所為らしい、ということ。 これはシリーズの『ナイチンゲール・・・』を参照ということか。 後半の新たな将軍の伝説も、それだけで本が一冊出来そうなくらいなのに、かなりあっさり。 チームバチスタの田口&白鳥コンビ復活!!という華々しい文句も、実際の絡みはかなりあっさり。 ページ数が足りなかったのか、筆者のスタミナ不足か。 後半に進むにつれ、展開が雑になっていくのが非常に残念。 このシリーズはまだまだ続きそうなので、これから先に期待したい。
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孔明に尽きる
第8巻は、玄徳亡きあと孔明が主人公。またかつての三国志の英雄たちもなきあと、司馬仲達との戦いが続く。孔明の一つ一つの策が、現代のビジネスや人生観につながる。 まさに格言に近いと思います。三顧の礼から、天下三分の計〜、関羽、張飛、超雲らの優秀なプレーヤーとエース玄徳を盛上げる名参謀。まさにいろんな場面で「孔明ならどうしたか?」と考えてしまうケースもあるでしょう。 三国志という物語を超えてしまった感がありますが、最後まで主を想い、国を想う彼の一途な 「志」は今の時代に必要な「気概」だと思うのは自分だけでしょうか。また吉川三国志を読む機会を持ちたい。
諸葛菜
孔明が死ぬまで中原征服に向けてまい進しついにこれを果たせず死んでいく巻。 原書のひとつである三国志演義では司馬氏率いる晋に三国が統一されるまでを記述しているが、吉川英治の三国志は孔明の死とともに物語が終わっている。 孔明ほどの天才軍師でも中原征服をなしえなかったことに非常な残念さを感じつつ物語が終わってしまうが、篇外余禄に孔明の人となり、その後の歴史が記載されている。 この中で、「諸葛菜」は孔明のひととなりについて著者が考察を行っており、非常におもしろい。 豊臣秀吉をひきあいに出し、孔明ほどの天才でも、天才であり完璧であるがゆえ優秀な人材が他国に比して集まらなかったのでは、という考察には非常に納得感を感じる。 8巻読みとおしてみた感想として、諸葛孔明の偉大さが印象深く残る物語である。
諸葛孔明と周恩来がかさなる
自分にとって孔明の人物像を頭に描くのはむずかしかったが周恩来だと孔明のイメージにピッタリと合う感じがした。最期まで民衆の為に尽す姿が重なった。
最高でした
一騎当千の英雄の活躍が輝かしい序盤から、 天才軍師による国の存亡をかけた戦いへと 時代の成熟が感じられます。 序盤は、新しい英雄がどんどん登場し 皆が若いため、躍動感がありますが、 英雄たちが年をとり、歴史から姿を 消していくという静寂の部分も描かれています。 滅びぬものはなく、天命にさからえない人間。 これまでに読んだ歴史小説の中でも 抜きんでて面白かったです。
吉川氏一流の上質なフィナーレ
吉川三国志最後の舞台の主役に選ばれたのは、蜀の諸葛亮と魏の司馬懿。彼らが繰り広げる、実に5度に渡る宿命のライバル対決をもって、この長き物語は完結を迎えます。 面白いのは、第3次北伐で遂に実現する両雄の対峙。遠目に見ることは度々あっても、間近で言葉を交わすのは最初にして最後。その唯一無二の会話は・・「もと南陽の一耕夫」「かつて魏の書庫に住んでいささか兵法の端をかじった鼠官の輩」(笑)。兵士向けパフォーマンスの意も当然あるにせよ、常日頃お互いの才を認め合う二人からは想像できない、子供っぽい舌戦が繰り広げられ、ちょっとした可笑しさがあります。 物語そのものは若干ダイナミズムに欠けます。大軍同士、知将同士ということもあり、よく言えば重厚的、悪く言えば硬直的な戦局が多く、劉備・曹操が駆け巡った草創期のスピード感とは比ぶべくもありません。新しいスターが姜維の他に見当たらないのも寂しい限り。 八巻に渡ったこの吉川三国志は、孔明の死を持って、さっと幕を下ろします。その潔い構成が実に美しい。筆者、読者ともに情熱がピークアウトする、この英雄の最期をもって終幕とし、その後の晋による三国統一までは清流のようにあとがき的に流します。それぞれの余韻に浸りつつ、静かに本を閉じることのできる、吉川氏一流の上質なフィナーレです。
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面白い
悲惨なストーリー、主人公の心情描写のなさ、登場人物の多さ、最悪のラスト、などかなり読みずらいはずの小説。けどちゃんと面白かったってことがこの小説の凄さだと思います。なかでも主人公雪穂と亮司が絡んでる場面がなく、心情描写もない、やはりこれがこの小説の面白ろさです。小説ならではじゃないですか。自分で想像するから、出来るから面白いのです。めちゃめちゃ想像しやすく書いてくれてます。僕はラストを読み終えて解釈したことは、雪穂は亮司でさえもただ利用してただけやったんか、でした。そう解釈したらゾクゾクしてきて寒気がして、怖くて布団から出れなくなりました。やばいこの女ほんまに怖すぎる…って。 僕はこの東野圭吾って人を物を作る人として大好きになりました。 雪穂はどこまでもとんでもない女であって欲しい。 だって作り話やねんから。そっちの方が絶対面白いでしょ。
R&Yの世にも奇妙なラブ・ストーリー
本作は全13章、854頁の中に、 ある一組の男女の19年にわたる切ないラブ・ストーリーを描くものです。 もっとも、悪と企みに満ちた、決して心地よいとは言えない作品でもあります。 1973年の大阪、ある殺人事件の周辺に確かに存在していた少年と少女。 その内面を推し量ることは出来ない(一貫して二人の心理は描写されない)が、 子供とは思えない暗さや近寄りがたさを宿している。 結局、当の殺人事件が迷宮入りするのと入れ替わりに、 少年亮司と少女雪穂の、一見交わることがないようでいて、 どことなくつながりがあるような、謎めいた人生が描かれていく。 亮司はトラブルと隣り合わせの危うい人生を綱渡りのように歩み、 雪穂は超然とした雰囲気をたたえながら、野心を胸に力強く突き進み、 その障壁となる人物は、なぜか忌まわしい制裁を受けることとなる…。 そして、1973年の事件へのこだわりを捨て切れなかった老刑事が現れる時、 隠されていた恐るべき真実に光が当たる…。 本作は、そのボリュームにもかかわらず、 「真実」を知りたくてどんどん読み進められます。 主人公二人の心理描写が一切なされないという手法も、 読者に自由な想像を許すと同時に、 主人公の抱える闇の深さや切なさを推察させ、優れていると考えます。 ただし、気になった点が一つだけ。 このような「真実」に苦しみながらも、 なお、心を失わずに人生を歩まれている方が大勢おられると思います。 特に、雪穂はあくまで特殊な人間なのだと思わないとやりきれない感があります。 あと、蛇足ですが、いくつも伏線が張られているので、 気になった場面には付箋などで目印をされることをお奨めします。
悲しい純愛
一人の愛する人を守るため、幸せにするために 自分の人生をささげた男の子と、その愛に精一杯応えて 昇りつめていく女の子の物語。残酷で、悲しくてやりきれないけど 読み終えた後は、何かが心に残りました。 この二人がこんなに悲しい人生を送るはめになってしまったのは 一言で言えば、子供の純粋な魂を汚してしまった 自分勝手な大人たちのせいです。 東野さんの作品の中で、一番好きな作品。 続編の幻夜も、読むことをお勧めします。
これもひとつの愛
最初は安っぽい昼ドラのようなイメージが強かったが、多くの登場人物 との伏線に俄然興味がわいて、思いがけない展開の連続に目が離せなくなった。 過去に読んだぶ厚い本の中でも最短で読み終えました. 物語のなかで白夜行というタイトルのもとになったシーンが出てくるが、 読み終えた後はなるほどな、と思った。 東野氏は後のエッセイで、この作品をある選考員にトラウマという一言 で片づけられたことを残念がっているが、この犯罪の根底はそんな短絡 的な一言で済まされるものではないと思います。 雪穂と亮司の心理状態は書かれていないが、注意して読んでいけば あらゆる箇所で想像をかきたてる材料があります。例えば小学生の雪穂 が作った小物入れにR.Kと刺繍していることや、彼女が大阪にオープン させた心斎橋店のR&Yという店名など... いろんな男女がからみ合うシーンがでてきますが、最も愛し合っている 2人は誰だったのか. 冒頭から出てくるササガキという刑事がいい味だしてます. 後半はどういう終わり方をするのかハラハラしましたが、最後もこの おやっさんが結末を見届けてくれてほっとしました. ある男たちの下劣な欲望を発端に雪穂は冷徹な悪女になり果てるが、 その彼女を支えたものは亮司のゆがんだ愛情でもある. 読み手の想像力や恋愛経験によっても感じ方がさまざまな作品だと思います. 白夜行
面白かった!!!
今頃になって読みました。 もう、すっごく面白かったです!! 長い作品ですが、読み終わってしまうのが残念でした。 もっと知りたいことがあるのに〜!という感じで。 続編であるという「幻夜」も読んでみようと思います。
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新刊JPで紹介されていたので買ってみました。 もともと歴史物が好きだったこともあって、一気に読んでしまいました。 ヒロイン(ヒーロー?)がかわいいです。 とりかえばや物語とかざ・ちぇんじとか好きな人ならはまるのでは。 面白いですよ!
嵐に巻き込まれる作品です
ふと、ある雑誌で紹介されているのを目にして読んでみたい!と思ったものの、いざ手に取ると分厚くて、しかも上下巻とは・・・。一旦やめようと思ったが、ためらいながらも読み始めたが最後、あっという間だった。 折りしも友人の結婚式のため、沖縄へ行く直前。飛行機の中でもホテルでも、手放せずに持ち歩いてしまった。(重かった・・・さすがに結婚式には持ち込まなかったが) 首里から金城の石畳道、玉陵を巡るうちに、この壮大な物語の中へ引き込まれ、真鶴 寧温とともに琉球の最期を目の当たりにしているような、まさにテンペストの時代を巡る旅をしていたかのようだった。 琉球の歴史を、史実に忠実に再現し、さらに「教養と美の国」での政治背景が知ることが出来る非常におもしろい作品だと思う。ところどころに現代の言葉が含まれることで、意味不明だとおもっていた言葉たちが身近になってくる。 それから、登場人物それぞれに味がある。美意識というものの強さは計り知れないと感じた。これから沖縄へ行かれる方には、旅のお供に、ぜひどうぞ。 それにしても、一度でいいから真美那の「お嬢様爆弾」、やってみたいものだ。
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池永さんの著書「シャングリラ」の圧倒的な面白さを知らなければ、おそらくはこの上、下巻の厚みに怖れ、手にすることはなっかたと思います。 ましてやジャンルが琉球王朝の歴史物とくればなにやら読むのに疲れそうで、多くの人はこの2点であきらめるのではないでしょうか? しかし、結論をいうと、この本は最高に面白いですし、逆にこのページ数があるからこそ語れる物語です。いい本に出会うとその本の世界の中に引き込まれ、あたかもその人生を自分も過ごせたように感じますが、この本はどっぷりと過去の琉球王朝の世界に心が持っていかれ、読んでいる数日間は私も琉球人でした。多彩な魅力ある登場人物、錯綜する陰謀の数々、また揺れ動く人間模様等々読み応え十分です。
大河ドラマの風格!
第1章の主人公誕生の場面からエキサイティングである。神話的な背景にとぼけたユーモア、歴史には忠実だがファンタジックな世界観。琉歌や沖縄言葉に満ちながら現代語の台詞まわし。 定型的で、なおかつ絶対にいなさそうなアニメチック、メルヘンチックな登場人物たち。昔どこかで見たような、韓流ドラマの再現のような荒唐無稽な物語展開。 それらすべてに説得力を持たせ包括しているのは沖縄という土地の力に他ならない。沖縄の祭式、儀礼、歴史とその舞台こそが、この物語の要である。 過去にも沖縄を舞台にブッ飛んだ物語を描いてきた作者は、その集大成としてこの時代劇を書いたにちがいない。今最もドラマ化したい本、ナンバー1である。
スラップステッィクな歴史大河コメディ
いわゆる「歴史大河小説」を求めている人にはつらい小説だと思う。 軽い。地の文もセリフもすごく軽い。 登場人物や設定は、漫画でよく出てくるようなものばかりで、 やたら大げさに繰り返される審美的な描写は、なんだかありきたり。 でも、そのキッチュな文体と琉球詩の取り合わせが、 なかなか楽しいリズム感を作り出してもいる。 傑作ではないけど、渾身のB級大作。 「HERO」とか「LOVERS」とか、 チャン・イーモウ監督の武侠映画を楽しめる人にならおすすめできます。
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桃園の誓いを思い出す。
7巻は、関羽、張飛、玄徳とあの桃園の誓いが終焉を向かえる。 あの呂布・曹操・袁紹などとの攻防が懐かしい。 この巻は、かなり中身の濃い内容で読みごたえあり。
夢にみた漢朝再興を前に悲劇が・・・
劉備は史上最高の軍容と領地を手に入れたが、桃園の契りを結んだ関羽が呉に討ち取られ、さらに張飛までが、味方に寝首をかかれるという悲劇が・・・ 関羽の仇をうつため孔明を連れずに呉をうちに出向いた玄徳は大敗の上に病に没する。 蜀の国にとっては斜陽の道の始まりですが、これを境に主役は完全に孔明となり、孔明を取り巻く歴史の無常を感じながら一気に読みすすんでしまいます。
吉川三国志、終局へ
三国志演戯における主人公格である、劉備、関羽、張飛の桃園の三兄弟、さらには敵役の曹操までもが、相次いでその激動の生涯を閉じます。スポットライトは、蜀の大軍師諸葛亮と、遂にその姿を見せ始めた魏の将軍司馬懿のライバル対決へと移行し始め、それはすなわち、この長き物語が「終わりの始まり」を迎えたことを意味します。 ハイライトは蜀と呉の決戦「夷陵の戦い」。劉備は、重臣の言に耳を貸さず、敵将を若輩と侮った末、一夜にして大軍勢を炎の中に失う。その様は、かの「赤壁の戦い」の焼き直しを見ているかのよう。劉備はあの時の曹操と同じ轍を踏み、英雄の誉れは若き呉の司令官陸遜が得ることとなります。 際立つのは呉のしたたかぶり。三国の中で最も地味な存在でありながら、赤壁に続く国難を見事に退けてみせます。魏をあれほど苦しめた関羽を、鮮やかな計略をもって仕留めるなど、完全に一人勝ちの様相を呈しています。若干短慮の嫌いがありつつも、最後の一線では誤ることない孫権の堅実ぶりは、劉備、曹操にはない、彼の特色と言えるでしょう。 名優たちの死はあまりにあっけなく、だからこそ逆に胸を締め付けられる想いを抱かせます。関羽は仲間に見捨てられ、張飛は部下に裏切られ、彼らの武勇伝の終幕とするには何ともためらわれる無残な死に様。武人らしい華々しい最期を、と願う後世の読者の希望をよそに、冷酷な戦場の理は矢継ぎ早に彼らを退場させ、吉川三国志はいよいよクライマックスを迎えることになります。
一時代の終焉
三国志を彩ってきた豪傑の曹操や関羽、玄徳などの時代が終わりを迎えてゆく。年齢と共に、玄徳も人柄が変わっていく様が伺われる。しかしながら、魏や蜀はまだ続く。孔明が指揮を執り南蛮を制圧に向かうが、深い知略に富み、彼の凄さが分かる。最終巻がどうなるのか気になるところ。
今でもなお愛され続ける三国志の魅力!
この吉川『三国志』第七巻では三国志という物語自体が大きなターニングポイントを迎えます。今まで歴史の表舞台で華麗に活躍してきた名だたる智将や武将が怒濤の如く命を落としていくのです。私はこの巻で初めて図らずも涙してしまいました。 p 天命に逆らえず儚くも落命していくのは関羽も例外ではありません。 p 私は以前、友達13人(男:10人、女:3人)のグループで三国志ツアーと題して中国各所へ行ったことがあります。その際、関羽の眠る漢寿亭候墓(当陽)へも行きました。そこには私達の他に全然訪問者がいなかったため、がらんとしてどこか寂しくさえありました。そんな中、気が付くと女性陣が皆いなくなっているではありませんか。最初は気にも止めなかった男性陣も時間が経つにつれて不安を抱きだし、女性陣を探そうとし始めたその時… p なんと、女性陣がウエディングドレス姿で登場したのです! p すると、3人は我先にと関羽の墓の前で、結婚の誓いの言葉を述べ始めるではありませんか。しかも、「関羽様と結婚するのは私だ」「いや、私が結婚する」と喧嘩を始める始末。 男性陣は呆気にとられ、ただ呆然とその光景を眺めるしかありませんでした。 p 漢寿亭候墓にはあまり人がいなかったから良かったものの、その後訪れた世界各地にある関帝廟の総本山・解州の関帝廟の時は衆人環視の状態の中で彼女たちは果敢にも同じことを繰り返していました。 男性陣が他人のふりをしたのは言うまでもありません。 p 形はどうあれ、長い年月を経ても多くの人に愛され続ける三国志の魅力を物語っているできごとの一つだと思います。 p ソレデハ…
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【くちコミ情報】
真理は圧倒的な力をもっている
蟹工船という単品作品が一年以上もブームになっていることは、この作品の圧倒的な力を物語っている。この作品の力とは「真理」である。 働く者たちが報われることがなく、それを食い物にしていることを国家が推し進め、ついには国家が収奪者のためだけに軍隊という最大の暴力組織を動員することもためらわないという現実である。 そのことは今日にいたっても変わるどころか「資本主義の里帰り」と揶揄されるような形で継続、発展されている。 現在の派遣労働は製造現場や一般事務まで認められているが、わずか9年ほど前までは派遣労働は医師や会計士、通訳など専門的な職種しか認められていなかった。 日常的な業務での派遣労働を認めれば給料のピンハネや、雇用主の都合による解雇が安易におこなわれ働く人の権利が守られないからである。しかし、日本経団連はじめ財界からの強い要求のもとに1999年に派遣が原則自由化され、そして工場などの製造現場でも派遣が自由化された。その結果、今日では女性と30代以下の青年層の二人に一人が不安定雇用となっているのが日本社会の現実である。 この作品が現代に蘇っているのは、いまの日本社会をありのままに現しているからだと思う。 一説を紹介したい(以下、原文より抜粋) 青森辺の善良な村長さんに選ばれてきた「何も知らない」「木の根っこのように」正直な百姓もその中に交じっている。ーーそしてこういうてんでんばらばらのもの等を集めることが、雇うものにとって、この上なく都合のいいことだった (以上、終わり) 「すべては自己責任だ」と労働条件の悪さを働く人の責任にし、成果主義の導入で一人ひとりがバラバラにされ、自己の権利も労働基準法も知らされずボロボロになるまで低賃金で働かされる・・・金融不況の中で大手自動車メーカーは何千名もの派遣労働者の首切りをおこなわれようととしているなか、是非とも手にとって頂きたい。 小林多喜二の蟹工船は真理であるがゆえに圧倒的な力を持っているのです。
読んで損は無い
蟹工船と党生活者の2本立てです。 蟹工船は劣悪な環境下で自然発生的にストライキが起こる様を描いた小説(実話?)です。 決まった主人公がいないため、話が散漫となるところもありましたが、 人間の感情のうねりを感じ取ることが出来ました。 現在の「日雇い労働者」や「派遣労働者」と照らし合わせてマスコミが 騒いでいたので手にとってみましたが、蟹工船ほどではないな、と思いました。 本では、労働者は人間らしい扱いが全く無く、まさに資産階級の奴隷のような存在。 しかし、現在はまがりなりにも肉体的・精神的な自由はあり、 そこまでの劣悪な条件下ではない、自由を享受している上での甘えなのでは?と。 這い上がることが出来る時代なのに、それだけの努力をしようとしない、 現代人の甘えを戒める、そんな読後の感想を持ちました。 党生活者はしっかりとした主人公「私」がいます。 共産党の支持者であった著者、小林多喜二の実体験を基に描かれているのでしょう。 当時の思想のあり方を垣間見ることが出来ます。 母とのやり取りや同士一人一人の性格の違いなど、 人間の心の機微を描いている秀作と感じました。 今、労働組合の形骸化・労使協調などが日本の会社に見られますが、 そんなことを微塵にも感じさせない、ブルジョワジーvsプロレタリアートを まざまざと見せ付けられる一冊、読んで損は無いと思います。
まあ復活は喜ばしい、かな?
しばらく何で本書が書店に平積みにされているのか不思議で仕方がなかったが、最近になって理由は了解した。なるほどね。読まれないよりはずっといいし、評価が高いのも何よりだ。でも「面白い」と言われてしまうと、いぢわるおばさんとしては「ちょっと違うだろ」と言いたい。 以下はまったく個人的なこと。私の祖父は戦争中、海軍の軍人だった。退役していたのに再び駆り出され、駆逐艦「あさかぜ」とやらに乗っていたそうだ。「そうだ」というのは私が3歳のときに亡くなったので本人から話を聞くことができず、なぜか母を初めとする子どもたちが詳しい話を知らないからだ。惜しかったなーと思う。物心つくまで生きててくれたら実体験が聞けたのにね、おじいちゃん。 と書きながら、また脈絡なく思い出した。「物心ね、そいつがつくのは一体いくつぐらいかね?」というセリフが竹宮恵子氏の「エデン2185」にあった。うん、それは問題だな。
プロレタリア文学って枠組みが邪魔だよ
描写力がものすごい! 北の港の情景が映像として浮かび上がってくるような冒頭のシーンは圧巻だった。 プロレタリア文学っていう枠組みが本当に邪魔だし、作者自身は気づいてないのかもしれないけど、この小説にミソが付いているとしたら取ってつけたような共産党讃美の部分だと思う。 自分は共産党がどうのというつもりはないんだけど、あまりにも取ってつけたようでこの著者の書きたいという欲望とちょいと乖離がみられる。 もし、もっと悲劇的な運動の挫折を描けていたら、恐ろしいほど美しくて残酷な小説が出来上がったんじゃないだろうか。 この著者の研ぎ澄まされた感性をこんなお得な値段で感じられるんだから、食わず嫌いの方はぜひ買って読んでいただきたいものだ。 まあ、読んでも明るい気分にはならないけど。 それから、併載の「党生活者」も歪んだ恋愛小説としてよく描けていると思う。 やっていることはよくある「女に貢がせて『金がないなら風俗に行って稼げ』って言ってさあ」的な男と女の救われない話なんだけれども、自分を愛する人を愛することができない、という男を愛しているかのような勘違いをして依存していく女、っていう救われなさのばかばかしさを自覚しているのに抜け出せない男(これ、リアルに作者のことなんだろうな)をこれでもかって言うぐらいに描ききっている。 まあ、こっちの場合、共産党の工作員っていう設定は小説の構成として良い方向に働いている。 これを読むと、本人が意識していたかは別として小林多喜二は相当に党生活者としての生活にくたびれ果てていたんだろうなあ、という気がした。 こんだけ救われない人間だからこそ、これだけの表現力を身につけられたのかも知れない、と思うとなんだか哀しくなった。
「蟹工船」と「現在」のズレ
学生のときにこの「プロレタリア文学の金字塔」を読んだが、最近、本屋に平積みになっているのを見て読み直すことにした。 当時は一応「プロレタリア文学の代表作」ぐらいは読んでおこうとして読み、その歴史的意義は理解したが、正直、そのリアルな描写に感心するというよりは、拒絶感を感じた記憶がある。「現在と噛み合う話ではない」と思えた。 読み直してみた現在の感想は、やはり、しんどいと感じた。 しかし、この本が現在、若い人などの共感を得ていて、相当数の発行部数を上げているらしい。 派遣などの非正規雇用の悲惨な実態はある程度、知っているつもりだったが、この「蟹工船」に共感するとなれば、彼らの置かれている状況はかなり深刻だと思える。 「蟹工船」と「現在の社会状況」と「私の認識」、下手すれば、「現在」とズレているのは「蟹工船」では無く、「私の認識」ということになる。 この本が売れているという事実をもう少し真剣に考える必要がある。
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