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様々な角度からの批評が興味深い
NHKのアニメーション版に興味を持ったことがきっかけで、 原作も読み始め、見事にはまってしまった私が、「ほかに『守り人』関連の本はないものか」と 彷徨っていて見つけたのがこのユリイカ第39巻第6号。 既に他の方も書かれている通り、32pの上橋先生による書き下ろしの 守り人シリーズ 外伝 『ラフラ(賭事師)』は必見です。バルサの幼い頃、そして懐かしのジグロにも会うことが出来、 何よりも短編ながら読者をじわじわと物語世界に引き込む力は素晴らしいです。 批評、インタビューの類も充実しています。 個人的には、アニメーションの監督を務めている神山氏のインタビューが興味深かったです。 氏は、新潮文庫版『闇の守り人』の解説において、 守り人シリーズ への並々ならぬ熱意と体験を語っていたのが印象的ですが、 このインタビューにおいては、ファンタジーをいかにしてリアルに表現するのかという難しい課題を、 とても論理的なアプローチ(具体的には、作品に対するツッコミをする→解消)で解決しようとしている氏の考えが良く出ていました。 ただ、少し残念でしたのは、上橋先生と、 勾玉三部作 の作者・萩原規子先生の対談。 個人的に、お二人が物語を創る上で、どのように世界を創設し、魅力的なキャラクターを掘り下げていったのか等の裏話的なものが 聞きたかったのですが、7割がた、お二人の好きなファンタジーの話題で、「あれが良かった」「これはちょっと苦手」というような感想でした。 とはいえ、『守り人』をもっと深く、いろいろな観点から読みたいと思ってらっしゃる方には、そのヒントをくれる本であるとは思います。
特集:上橋菜穂子
作家:上橋菜穂子先生の特集号です。 「精霊の守り人」を中心に色んな方が書評を書かれています。 何と言っても「守り人シリーズ」の書き下ろし外伝があります! 上橋菜穂子先生と荻原規子先生の対談も見所です。 アニメ「精霊の守り人」の監督:神山健治さんのインタビューもあります。 一冊まるまるに近いくらい、「精霊の守り人」と上橋菜穂子先生の事が詰まっていて FANにはたまらない一冊です。



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サブカル論者どう考える?
 いみじくも押尾守氏は言った。「すべてはすでに言い尽くされており、引用にて賄うことができる」と、…。そして《笑い男事件》はほとんどサリンジャーからの引用により成り立っている。最終話では、象徴的に図書館の中での、草薙素子と《笑い男》の対話で締めくくられる。それも全てが引用から成り立っている。それもハイカルチャーからの引用により…。  大沢夏幸氏「『攻殻機動隊SAC』のヘーゲル的真実」…ジジェク流にサブカルから形而上学に到達しようとしているようだが、まるきり逸れてしまっている。国家自体をヘーゲル的主体と見做そうとしているのだ。それではまるで、悪名高き北朝鮮の主体思想(チェチェ思想)ではないか?スタンドアロンコンプレックスの最大の問題は、何ゆえ脳内ウイルス汚染されていないのに、「笑い男」が伝播したかであろう。  主体たる自我が、情報の海なのかで、彷徨し、出口を見出せない所に、『笑い男』という強烈な《他在》が現れ、それを内部として、安直にトレースしてしまし、感染が拡大したのではないか?
ファンならもっと楽しめるのでは
攻殻機動隊の特集といっても、対象はTV版アニメStand Alone Complexに絞られているので、原作や劇場版はほぼ取り上げられていません。 本号を読んだ後、ケーブルテレビで再放送されたStand Alone Complexを観ましたが、これが面白い。 全話観た後に読めば、当たり前ですが、印象も評価もだいぶ変わったものになったでしょう。



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澁澤龍彦幻想美術館に行った人は読みましょう!
大学生の時、ミーハー心で澁澤さんに憧れを頂いていました。 でも、社会人になって、「今更、澁澤さんでもあるまい」と澁澤さんに憧れる気持ちを封印して暮らしておりました・・・ そんなある日、手に取ったのがこのユリイカです。 気がつけば、没後20年だったのですね・・・ こういう特集は、買ったものの、後悔することも多いのですが、この特集はものすごくよかった。 没後20年経っているからこそ、客観的に渋澤龍彦という人が論じられています。 渋澤龍彦という人は風貌も、発言もとにかく格好良いので、ミーハー的に惹かれる人も多い人だったと思うのですが、 いざ、「彼は何者なのか?」と考えるとつかみ所がない人でもあります。 その実体をあらためて考えるのに、このユリイカ、とっても役に立ちました。 特に、今年開催された展覧会「澁澤龍彦幻想美術館」を監修した、巖谷國士さんのインタビューがよかったです。 展覧会の狙いがことばにして説明されているので、 展覧会に行った人、書籍の「澁澤龍彦幻想美術館」を買った人はこのユリイカをあわせて読んでみると、立体的に展覧会の狙いが理解できます。 私自身は、展覧会に行った後で、ユリイカを読み返して、書籍で確認してという作業を繰り返した結果、 何故、自分が澁澤龍彦という人に惹かれたのか、今になって理由がわかりました・・・




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森茉莉の文体について
森茉莉の独特の文体について、文体論の専門家である中村明がその魅力を点描しているのが参考になる。中村はかつて『名文』(ちくま学芸文庫)で、野間宏や瀧井孝作らの悪文を、特殊な名文として取り上げたが、森茉莉の文章もそれらに類するという。『名文』のほうには、森茉莉は取り上げられていないが、そこに含めることもできるだろう。 それにしても森茉莉の文体は独特である。例えば、中島敦の「光と風と夢」において、形容詞が名詞を修飾する際に、「その底に動く藍紫色の・なまめかしいばかりに深々とした艶と翳」のように、わざわざ形容詞と名詞のあいだに「・」が付されている例がある。何回となく使われるこの符号には驚いたものだ。また野坂昭如がときどき助詞を使わずに生み出す文体は独特のリズムを創出しており、他の作家と一線を画しているだろう。しかし、森茉莉の一見不可思議な句読点法は、それら以上にインパクトがあるといってよいだろう。 余談だが、どこかの出版社から『靴の音』が文庫化されることを期待しているのは私だけであろうか。

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