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カスタマーレビュー数:8
【くちコミ情報】
「あぶない」アルバム
わたしのお気に入りは「マイ・フーリッシュ・ハート」である。日本語盤ではこの曲が第1曲目に入っている。 わたしは学生時代にエバンスを知らずにこのLPをうっかり買ってしまった。そして第1曲目の始まり数小節を聴いただけで、谷底へ深く落ちていくような感触を覚えた。 それ以来、わたしはエバンスのあらゆるLP、CDを買いまくった。 このアルバムは、そう言った意味で非常「あぶない」アルバムである。始めてエバンスを聴かれる方は気をつけて頂きたい。 また、このCD盤「+4」には、演奏当日にヴレッジバンガードで収録されながらも、LPの時間的制約から納められていなかった4曲が入っている。特に「ポギー」がイイ。 エバンスのゆっくりとしたピアノソロで始まるのだが、始めの1音目は単音、2音目はダブルトーン、3音目はコードになっている。エバンスが弾くと、だったこれだけでゾクッとするイントロになってしまう。 この曲もアブナイので、気をつけて頂きたい!
ワルツをジャズに最初に持ち込んだのはビル・エヴァンス
1961年6月25日 ニューヨーク、ヴィレッジ・ヴァンガードにて録音。わずか11日後、1961年7月6日に25歳の若さでラファロを交通事故で失うことになる。 ぼくはワルツをジャズに持ち込んだのはビル・エヴァンスが最初じゃないかな、と思う。ビル・エヴァンスより前のジャズ・プレイヤーでまともにワルツをやった人物を思いつかないのだ。つまりはインター・プレイのことばかりクローズ・アップされているけど、ワルツという3 4拍子の概念をジャズに持ち込んだと言うことが既に画期的だったんだな、と思えてくる。 次に思いつくのがビル・エヴァンスはおそらくショパンのワルツ、中でもディヌ・リパッティのブザンソンや14のワルツの演奏を聴いていたのではないか、ということだ。 おそらく聴いている。心なしかディヌ・リパッティのワルツのタッチとビル・エヴァンスのワルツのタッチは似たものを感じる。言い切ってしまえば、ビル・エヴァンスはディヌ・リパッティのワルツのリリシズムをジャズの世界に見事に導入したのだと思う。そこに稀代のベーシストであるスコット・ラファロのベースが絡む。ポール・モチアンのドラムが包む。もう何処にもない最高のジャズが誕生したのだ。この演奏が気に入っている人は是非ともディヌ・リパッティのワルツを聴いてみることをお勧めしたい。強く。
輸入版のほうが安いですが・・・
輸入版は同じ曲の別テイクが連続する曲順になっていますが、こちらの版は連続しないように曲順が変更されています。 その点を考慮して選択すると良いと思いました。 演奏の素晴らしさは言うまでも無いです。
美しすぎる…
ジャズ・ピアノっていろいろ定義、趣味は分かれるところだと思いますが、“美しさ”という点ではこれに勝るものはないのではないでしょうか…。 B.エバンス本人も本作でも最高の絡みをみせてくれたラファエロの死後、彷徨ったあげくE.ゴメスとの出会いで何とか音楽を持ち直したと思ったら、本タイトル名にもなっている姪っ子の父(自分の兄貴)の自殺があったりと本当に人生が翻弄され、それに連れ音楽も風貌も変遷が凄くて…。あげくに最後の作品名が“I WILL SAY GOODBYE”とまさに劇的な人生を送ったので、実際マイルス時代を含め、彼の参加作品をすべて追うことがジャズの探求そのもののような気がします。 その中で、本作は後のジャズピアノのあり方に相当な影響を与えたと思われ、それ以前にやはり美しすぎます…。ジャズってカッコいいなあ…。 クラシックやポップスのミュージシャンにも人気が高いのも納得、音楽の普遍性をまさに体現しているからに他ならないからだと思います。
ジャズ史上の至宝とも言える名演
ジャズ至上最高のトリオによる最高の演奏です。珠玉の名曲集という言葉は、このアルバムのためにあると思います。 代表作とも言える「ワルツ・フォー・デビィ」ですが、特にテイク1でのスコット・ラファロの弾くベースを中心に聴いてみると、この曲の軽やかさと同時に内在する奥深さが伺えます。エヴァンスの音楽を崩すことなく、ラファロは自分の感性の信ずるままに、雄弁で、絶妙のプレイを残しています。ベースをソロ楽器としてここまで自己主張しても崩れない演奏と構成は見事です。斬新な動きと天才の持つ閃きが感じられました。不慮の事故が無くてその後も彼が存命だったならばエヴァンスの音楽がどのように変化したのかが楽しみだったのですが。 ドラムスのポール・モチアンも二人の偉大な奏者の影に隠れていますが、上手いブラッシュさばきで、時にはバラバラな動きをするエヴァンスとラファロの接着剤的な役割を果たしています。三位一体とも言うべきジャズ・トリオの完成です。緊張感も相当ですし、白熱した演奏は名盤の誉れが高いのも頷けます。 ライブですし、録音の良さはと臨場感は特筆すべきものです。もしスタジオ録音だったらここまでのスウィング感と緊張感は生まれなかったように思います。 どの収録曲も慈しみながら愛聴してきました。何十回聴いたか分かりませんが、とにかく素晴らしい音楽なのは間違いないです。その詩的情緒あふれるリリシズムは、他のジャズ・ミュージシャンでは聴くことの出来ない繊細さを保有しています。彼の美意識に貫かれたピアノ・スタイルは、色あせることなく、今も多くのジャズ・ファンに愛され続けています。
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カスタマーレビュー数:7
【くちコミ情報】
論ずることの意味すら忘れさせる作品
1959年12月28日ニューヨークで録音。この不滅のトリオは、「ワルツ・フォー・デビー」および「サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード」の収録からわずか11日後、1961年7月6日に25歳の若さでラファロを交通事故で失うことになり、1年に満たないほど実は短命である。 このアルバムは実に静かに時を流す。しかしながらスロット・ラファロのベースもポール・モチアンのドラムもビル・エヴァンスのピアノに挑みかかっていてインター・プレイは青い火花を散らしている。一方でどこか死の影を感じるアルバムである。また、論ずることの意味すら忘れさせる作品でもある。 ピアノを弾くものにとっても、ベースを弾くものにとっても、ドラムを弾くものにとっても、何故彼らがああ表現し得たかを考えさせられる作品である。しかし聴いているうちに考えることすら出来なくなる。ほんとうのチカラを持った演奏というのはこういうものなのかもしれない。ピアニストにとっては永遠の憧れのタッチだ。
これが嫌いな人がいるだろうか?僕はあったことない。
Jazz初心者、Bill Evansを初めて聞く人、ジャンル問わず美しいピアノの音色が聴きたい人 すべてにお勧めできる作品。 従来のスタンダードナンバーを、これでもかってぐらいクリアに、これでもかってぐらい洗練 させた音色で表現してる一枚。「Come Rain O Come Shine」から「Blue In G een」まで、 水の流れのように心地よく、あっという間に流れてしまう。 モチアン、ラファロとの三位一体のバランスの良さに加えて、クラシックの影響を受けてる 印象主義的で、音の余韻が長く残る、エヴァンスの優美なタッチは耳から涼風が吹き込んで 全身にすがすがしい物が伝わっていく感じがする。 リバーサイド四部作はすべて傑作だが、とりわけこの水のように広がる浩然とした音の空間は 他の作品とは一線を引いてると思う。題名通り、一番残るものが多い一枚かもしれないな、 普段何気ない所で、ふとメロディが流れてたりするから、、、
ポートレートインジャズ
天才ビルエヴァンスの能力を最大限に見る事ができる音源です。 名曲「枯葉」は2テイク収録されていて、両方とも素晴らしい出来になっていると思います。 「いつか王子様が」も名曲ですが、エヴァンスの味が非常に良く出ていて、とてもいいです。
セントラルパークに枯葉を拾いに行きたくなる
「ワルツ・フォー・デビー」「アンダーカレント」「サンデー・アット・ビレジバンガード」と並ぶエヴァンスのベストの1枚。CDではオリジナルになかった別テークの「枯葉」が入っているが、やはりオリジナル版の「枯葉」がいい。スパイラル状に絡みつくエヴァンスとスコット・ラファロとのインタープレイを聴いて欲しい。天才ベーシスト、ラファロの死後いろいろなベーシストと共演しているが、やはりラファロ、モチアン(ドラム)とのトリオの演奏を超えるものはない。秋の寂しい日に聴くと、セントラルパークに枯葉を拾いに行きたくなる。(松本敏之)
ビル・エヴァンスがジャズ・トリオとしてのスタイルを確立した最初のアルバム
2つのテイクが収められている「枯葉」の3者のインプロヴィゼーションは格調が高くスリリングです。特にモノラル録音のテイクでのスコット・ラファロのベースがエヴァンスのピアノを前へと引導しており、どのように展開するのか予測不可能なほど変化に富んでいます。ポール・モチアンは、2人の間で接着剤的な役割をうまく果たしており、三位一体とも言えるようなジャズ・トリオの理想郷を創り出しました。 「ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ」でのリリカルなエヴァンスのピアノはいつ聴いてもほれぼれするような美しさに彩られており、内省的で音の間(ま)の静謐さが音楽に深みを与えていますね。 「いつか王子様が」の冒頭のエヴァンスのピアノ・ソロは秀逸です。このようにスウィングして軽やかな演奏もまた彼の特徴の一つと言えるでしょう。ステキな演奏で繰り返し聴くことの多いテイクです。 マイルスの『カインド・オブ・ブルー』にある有名な「ブルー・イン・グリーン」の2種類のテイクが収録されています。どちらの演奏からも暝想的な雰囲気が漂っています。耽美的だと評されますが、美しさを追及するエヴァンスはピアノを通して内なる思いを見事に描き出したからリスナーの心に残るのだと思います。一人で静かに聴いていると心が落ちついてくるのが分かります。 突然変異的に、50年代のラストにこのような新しい感覚のジャズが完成したわけで、音楽の神「ミューズ」が天から舞い降りた瞬間生まれたセッションだと言うことでしょうか。聞き込めば聞き込むほど、新鮮な思いに打たれるのは、けだし銘盤の名に恥じない作品だからでしょうね。
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【くちコミ情報】
『ワルツ・フォー・デビー』と双子のアルバム
『ワルツ・フォー・デビー』と同日の1961年6月25日 ニューヨーク、ヴィレッジ・ヴァンガードにて録音。わずか11日後、1961年7月6日に25歳の若さでラファロを交通事故で失うことになる。 言ってみれば双子のアルバムである『ワルツ・フォー・デビー』だが、実際はこちらの『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』の方が第一集だった。この日はライヴの最終日でもあったらしい。でもよく考えるとTake1からTake3まで存在するライヴということは、実際はヴィレッジ・ヴァンガードでの何日かのテイクをまとめたうち最も良くできた演奏をアルバムにしたものというのが真相なのかも知れない。そうでなければ『All Of You』や『Glo ia's Step』を一日に3回も演奏したことになる。 そういった些細なことはともかく。聴き出した瞬間から世界が変わってしまう。ビル・エヴァンスはスコット・ラファロという不世出の天才を得て、ピアノ・トリオを発明したのだ。ひたすら静かに輝くビル・エヴァンスのピアノはこのトリオの持つ計り知れない可能性を確信しているかのようだ。
Featuring Scott La Faro
リバーサイド4部作の中で、最もラファロが活躍しているのが、このライブだ。1曲目のグロリアズステップ(自作)からあいさつ替わりの長尺のソロを取る。やや大きめのベースの音が左チャンネルから聞こえる。つづく2曲目のバラッドで、リーダーはビルエヴァンスだったことに気づく。そのタイトルは、”マイマンズゴーンナウ”。本作録音直後事故死したラファロの追悼だろうか。ジャケ写の不機嫌なエヴァンスはそのことを暗示しているのだろうか。指だけでピアノを弾くポーズは、ラファロの死を意味するのだろうか。 とっても繊細で危ういバランスの上の立つ3人のプレイが、前作エクスポラレーションズを彷彿とされるライブだ。ドラムスのモチアンは少し引っ込みで、エヴァンスとラファロのインタープレイが前面に出ていところが良い。ラファロの音程がしっかりした歌うベースとリリカルなエヴァンスのピアノをじっくり聴いて欲しい。 リバーサイド4部作は、デビー、ポートレイト、エクスポラレーションズ、ヴィレッジ・ヴァンガードの順に聴くのが一番良い。
聴けば聴くほど愛着がわく
ワルツ・フォー・デビーと同日、同じヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ盤。ジャズ評論家やコアなジャズファンを自認する一部の人たちは、このアルバムのほうが、「ワルツ・・・」より出来がいいと言う。しかし「ワルツ・・・」はあんなに売れているのに、このアルバムの売れ行きはいま一つ。それは「この一曲」と言える曲、「ワルツ・・・」と「マイ・フーリッシュ・ハート」のような曲がないからだ。もちろん「不思議の国のアリス」があるが、旋律を目立たせまいとエヴァンスは弾くので、「この一曲」のインパクトがない。「オール・オブ・ミー」も同じ理由だし、明るい旋律の「オール・・・」はエヴァンスに似合わない。それにジャケットも「ワルツ・・・」ほど上出来じゃない。同じような出来、同じ日、同じ場所の録音で、こんなに評価、売れ行きに差がついてしまう。むずかしいものである。しかし、このアルバムも一聴すると、なんてことはないが、聴けば聴くほど愛着がわいてくる一枚。愛聴盤とは、こんな一枚を言う。(松本敏之)
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スコット・ラファロ(B)とポール・モチアン(Dr)を擁するビル・エヴァンス・トリオは、ライヴ活動を通じて互いの音楽的信頼感を高めてきた。結成後1年半たった61年6月25日、ニューヨークの名門ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」に出演し、歴史的ライヴ録音を行った。 スタジオ録音にはないスリリングな名演となったが、この10日後スコット・ラファロが他界。本トリオの正式なライヴ録音は、ラファロ追悼盤の『サンディ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』と本盤のみ。それでも本盤が、すべてのジャズアルバムのなかで、ソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』と並んで最高の人気盤であるのは、内容がすばらしいからである。 オープニングのバラード<1>は果てしなく美しい。タイトル曲<2>は、エヴァンスの兄娘デビイのために書かれたワルツだ。生涯を通じて何度も演奏される曲だが、ここでの演奏が最高。(高木宏真)
【くちコミ情報】
結局、これか!
このCDは、日本で最も売れているジャズのCDらしい。ジャケットもいいが演奏もいい。雑音のようで雑音でない今となってはBGMの一部と化している饒舌なオーディエンスもいい。 薄幸のベーシスト、スコット・ラファロが入っているエバンス・トリオのCDあるいはLPはこれを含めて4枚しかない。そのうちの一枚というのが”Village Vangua d”でのこのLiveともう一枚の”Sunday At V.V.”一枚というのは余りにも有名で、とやかくいまさら言うこともないが、何しろ40年以上も前のことなのだ。それが、いまだによく聴かれるし、よく売れている。ちょうど同時期のビートルズと同じように・・・・。それが、嬉しい。 だから、私も今頃になって、思い出したようにこのCDをお薦めする。 これ1枚でジャズが好きになった人を大勢知っている、それでいいのだ。
My foolish heart ・・・
「My foolish hea t」・・・、言葉にできない素晴らしさです。個人的にはJAZZピアノの究極の2曲のうちの1曲です。エヴァンスの1つ1つの音を確かめるようなピアノはもちろんのこと、最後の、客の拍手の音まで完璧な、奇跡のような曲です。 (究極の2曲の、もう1曲は、ソニー・クラークの『リーピン&ルーピン』の「Deep in a d eam」で、この素晴らしい曲には、今はいない親友への思いもあり、この曲も究極の1曲とせざるを得ません。)
別テイクが並べて収録されている理由について
多くの人に愛されているアルバムであることがレビュー数と評価から理解できます。別テイクに関するレビューが気になり、本レビューを書くことにしました。 ジャズはビッグバンドのように各パートの編曲がしっかしりていてAd-li の部分が明確に指定されるものから、主なテーマとコード進行が決められているだけで演奏の中味は演奏者がお互いの出す音に触発されながらImp ovisationで進めていくものまで多様です。特に後者において、曲の題名は同じでも違った演奏であり、それぞれの演奏が価値を持ちます。 本アルバムではボーナストラックとして"Waltz fo De y", "Detou Ahead", "My Romance"の別テイクが収録されています。これらは録音の日、保険の意味で2回録音されたものの一方ですが、高いクオリティを持つことからCD化にあたって収録されたとのことです。なお、他の曲は1発録りだったとのことです。ジャズの演奏を学んでいる人には異なった演奏を連続して聴くことで「こういうアプローチができるのか」というように演奏を学ぶのに役立ちます。 また、本録音から2週間も経ない1961年7月6日に交通事故でこの世を去ったジャズベースの変革者であるScott LaFa oの数少ない演奏の記録を後世に伝えるという重要な意味も持ちます。
最高のトリオ
ビル・エヴァンス。スコット・ラファロ。ポール・モチアン。 この三人が集まったのは奇蹟だろう。 聞けば聴くほど味がでる。 まずEvansの完成されたタッチに感動する。そしてLaFa oの雄大なベース音に敬服する。 最後に二人のプレイを最大限に引き立ててる、Motianの器用で繊細なドラミングに唸らされます。結局何回も聴いて行き着く結論は、この三人じゃなきゃ駄目だってことだよな。 ラファロとモチアンは正反対のプレイのようで、完全にとけあっていてどっちが抜けても駄目 なのが、この一枚でよくわかる。ラファロのポワーンって音に、モチアンの器用なシンバルの 響かせかたが合うんだな、これがまたさ。My Romanceのやり取りは最高だね。 そして最後に思うが、Bill Evansという人がもっともやりたかった音楽ってのは 多分、Waltz Fo De yなんだろう。この1曲で、それまでの慣習も全部ぶち壊して 新たな音楽の世界を切り拓いたのは間違いない。これが始まりであり完成でもある。
1961年6月25日
1961年6月25日、日曜日のヴィレッジ・ヴァンガード。 偶然その場に居合わせた人たちは、その名演を気づいていなかったらしい。不思議な現象である。騒がしいお喋り、女性の笑い声。しかしそのノイズが少しも名演を毀損していない。演奏は黙殺され、天使が来る場所が出来た。その天使の聴く場所に偶然マイクがセットされていたかのように、私たちは録音装置を通して奇跡を聴くことが出来る。
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このビル・エヴァンスはどうしようもなく悲しい。悲しいだけでなく、悲しさを昇華した美しさに魅了される。エレイン夫人が亡くなったのは76年。翌77年には音楽教師だった兄ハリーが自殺している。そうした私生活上の不幸な出来事が本作に不安な影を投げかけているのだ。実際1曲目のワルツはエレイン夫人に捧げる曲だし、4曲目はハリー追悼曲で、その曲名は「フォー・オール・ウィ・ノウ」に登場する“ウィ・メイ・ネヴァー・ミート・アゲイン”という歌詞に由来する。なんでもエヴァンスはロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイのデュエットによる「フォー・オール・ウィ・ノウ」をハリーに聴かせてもらったことがあるのだという。共演はエディ・ゴメスとエリオット・ジグモンドで、本作はゴメスが参加した最後のアルバムでもある。 エヴァンス・トリオというと一般に三位一体のインタープレイが有名だけど、本作はどちらかというとエヴァンス主導の演奏。録音は77年。ワーナーでの第1作ながら、発表されたのはエヴァンスの死後だった。(市川正二)
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ジャズ・ピアノ・トリオ史上、燦然と輝く「世界遺産」
2曲目、マリーナ・ショウの名唱でも名高い、ミシェル・ルグラン作曲「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」で、トリオはありえないほどの高みを極めている。 ビルのピアノももちろんだが、本作をもって彼の元を巣立って行く、エディ・ゴメスのベースが、完全に「イッテ」しまっている。 2年後、ピアノ・ソロのショート・ピース・ヴァージョンで初リリースされることになる「ウィ・ウィル・ミート・アゲイン」も、第二の頂きを形成している。 「カインド・オブ・ブルー」と同じように、作品全体が一つの凛としたたたずまいを統一的に保持しており、間違いなくビル・エヴァンスの最高傑作アルバムだとおもう。 2003年のライノ盤より追加されたボーナス・トラックは、はっきり言ってウレシイようなメイワクなような複雑な存在。 この歴史的なセッションの未発表トラックが聞けるのは慶賀すべきことだろうが、アルバム全体の統一感はどうしてくれる!? ということになってしまう。 ただ、ライノ盤から折に触れボーナス・トラックも聴き続け、最近は、ま、これもありか、という心境になっている。 「カインド・オブ・ブルー」の未発表テイクとは違い、こちらは、まったく別の曲なのだから。 それにもともと、ラストの「マッシュのテーマ」はあまり好きになれなかったから(映画も意味がよくわからん)、クロージング・テーマとして、ちょっと雰囲気が変わる「ウイズアウト・ア・ソング」か「オール・オブ・ユー」がラストでも、大差無かったのでは? というのが最近の感想です。 音質についてだが、2003年のライノ盤と比べて、ウッド・ベースがくっきり太く、存在感豊かになり、また、ブラシやシンバルの繊細な音がよく表現されているように思う。(ヘッドフォンによる個人的な聴感ですが…) ただ、ライノ盤を既にお持ちの方は、わざわざ買い換えることもないのでは? ボーナス・トラック無しの古いプラケース盤しかお持ちで無い方は、これを気に買い換えてもよいのでは? ただ、今回同時リイシューの他のタイトルがしっかり厚紙だったのに、本アイテムは薄い紙のジャケットで、大いに落胆しました。
リマスターで、かつ1,000円も安い
USインポート盤があるのに、なぜわざわざこちらにレビューを書いているのか。 それは、あまりにもこのアルバムの完成度、世界観が圧倒的だからであり、USインポート盤の3曲のボーナストラックはそれを汚す愚行であるとしか思えないからだ。 それほどまでに、このアルバムは美しい。マイルスが静かな炎と形容した彼のピアノの一つの極点であり、個人的にはこの世で最も美しい音楽であると言い切っても良い。亡くなった元妻と兄に捧げられた曲がそれぞれあり、アルバムの最後を飾るマッシュのテーマ曲のタイトルが「Suicide is Painless」だったりと、文字面の前情報だけでも十二分に悲しくなれてしまうこのアルバムだが、その内容は、そんな表層的な感傷を吹き飛ばし、全て燃やし尽くすまでに凄絶だ。 ベーシストとしては、エディ・ゴメスはラファロに敵わないのかもしれない。しかし(もちろんラファロが生きていて、このアルバムに参加したなら抑えたプレイに終始したかもしれないのだが)、ラファロの歌いすぎるベースではこのアルバムはここまで凄絶な仕上がりにはならなかったであろう。その点において、僕はこのアルバムが好きすぎることもあり、ビルのベースといえば、ゴメスが浮かんでしまうし、それだけこのアルバムにおけるゴメスのベースは完璧だと思っている。 3人のプレイヤーがそれぞれに丁々発止のライブペインティングで1つの作品を作り上げるようなスリルはここにはないが、しかし、ゴメスとジグムンドが丁寧に布を貼ったキャンバスに、正に油絵具のような情念を爆発させ、ビルがそれこそ何かに憑りつかれたかのように筆を振るった結果生まれた、あまりにも儚く美しい1枚の絵画がこの作品なのではないだろうか。 必聴。
例えようのない悲しさと空虚感が漂っています
人の寿命というのは予測がつかないものですが、エヴァンスの場合は死期を悟っていたようですね。これの制作の直前に元の妻エレインは地下鉄へ飛び込んでいますし、彼の兄ハリーも銃で頭を打ち抜くという悲劇が相次いで彼を襲います。 そしてエヴァンス自身も麻薬中毒による健康障害があり、精神的にも肉体的にも追い詰められた状態でこの『You Must Believe in Sp ing』を生み出しました。彼の「白鳥の歌」とでも言うべき悲しみが全曲からも滲み出ています。 ジャズ・ファンからは耽美派と呼ばれ、叙情的なピアノの表現者として最高ともいえる感性の持ち主ですので、身の上におこった悲しい出来事の連続により、精神的なダメージは他人が想像する以上に深く傷ついていったのでしょう。 冒頭の「B mino waltz (fo Ellaine)」には、寂寥感、無常観とでもいうべき雰囲気が漂っています。なんて悲しい音なのでしょう。自分の心の闇を覗き込み、そこに潜む悲しい思いを音に表現したかのような音楽が続きます。やるせなさ、という軽い感情ではなく、諦観ともいうべき心境に達していたのかもしれません。 「We will meet again (fo Ha y)」も同様です。美しい音楽ってなんて悲しいのだろう、という感情に襲われます。乾いたピアノの音色が一層悲壮感を募ります。 そしてラストに収録された「MASH (theme)」の副題が「Suicide Is Painless(痛みのない自殺)」であることが、このアルバムのコンセプトを象徴していると言えましょう。 エヴァンスの哀しみがストレートに伝わってくるような曲集です。 ボーナス・トラックのないUK盤だからこそ感じられる感覚かもしれません。
買うならこのUK盤を
このアルバムはレコードとCDを所有しています。 持っているCDはUS盤です。 そちらにはボーナストラックが最後に3曲入っているのですが、 それが完璧に完成されたこのアルバムの構成をぶち壊しており(いくら良い演奏でも)、 いつもあわててボーナストラックが始まる前にCDを停止しております。 せわしなくて余韻に浸れません・・・。 このUK盤はレコードどうりでボーナストラック無しのようですので、 値段は高くなっていますが、買いなおしたいと思っています。 このアルバムに限らず、名盤のCD化(言葉自体がもう古いですが)の時のあの、 ボーナストラックというのは時には迷惑なもので、つければファンが喜ぶという安直なリリースの仕方はやめて欲しいです。
かくも美しきピアノ
1977年8月23-25日、ハリウッド、キャピタル・スタジオで録音。プロデューサーには若き日のトミー・リピューマの名を見ることが出来る。 1曲目『B mino Waltz』は最初の妻とされるエレイン(一般には結婚したと考えられていたが、正式には結婚していなかったとされる)に捧げられている。ビル・エヴァンスと別れたエレインはすぐに自殺してしまった。それは1976年のことだ。4曲目『We will meet again』は兄ハリーに捧げられている。音楽教師でピアノの導き手だった兄ハリーも1977年に自殺している。この曲は兄に教えて貰った曲からきている。 そしてオリジナルではラスト・ナンバーである7は副題が『Suicide Is Painless』である。ビル・エヴァンスが死を思い浮かべながらこのアルバムでピアノを弾いていたのは間違いないだろう。彼の死はわずか3年後の1980年9月15日である。 死の影で内面的に破壊し始めていた彼のピアノは何故かくも美しいのだろう。間違いなくビル・エヴァンスのアルバムで最も美しいピアノはこの作品だ。眼を閉じて聴けば彼の思いを垣間見るような気になるのは僕だけだろうか。心にシミル作品だ。
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心に沁みるとはこのことか・・・
とにかく1曲目のメロディが泣けます。 曲を通じて同じモチーフの繰り返しではありますが、それがかえって脳にメロディーを刻み込んでくれます。 当時のビル・エヴァンスは精神的に苦しい時期だったとのこともあり、アルバム全体がメランコリックな雰囲気に包まれていますが、他の名盤と呼ばれる作品に比べても全く遜色ないインパクトを秘めていると思います。
晩年の傑作
Evansは晩年に円熟味に溢れた作品を沢山残してるが、この一枚が一番秀作だと思う。 まず切ないほど美しい、「I will Say Good ye」と「Seascape」。 音から人情味があふれでて、温かい気持ちになれる「A House Is Not a Home」など 名曲が沢山はいってます。 でも僕が一番好きなのは「THE Opene 」なんだよなー。ラファロやモチアンの時のコンビと 比べれば、確かにひけをとるかもしれないが、Gomezの、なめらかで伸びるようなベースプレイとZigmundの覇気のあるドラミングとの組み合わせもなかなか良いです。 後期は悲しい曲調が多いEvansだが、やっぱり彼が一番やりたかった音楽は、opene みたいな 三者三様の躍動感あふれる曲なんだと思う。 あとジャケットの画がいいよね。始まりとも終わりとも取れる画が・・・・・・
涙がでるような美しさに彩られた「SEASCAPE」
ビル・エヴァンスは麻薬の常習により健康を蝕み、50年という短い生涯を終えるわけですが、この『I Will Say Good ye』は、彼の最後の輝きを放ったアルバムです。 この3ヶ月後に録音した『You Must Believe In Sp ing』と共に晩年の傑作という意味では、多くの方の賛同を得られると思います。 エヴァンスは耽美的だと評されています。3曲目の「SEASCAPE」のように、ガラス細工のように繊細で、細部にまで美しさを散りばめたような演奏は他のジャズメンはもちろんのこと、エヴァンスによる過去の録音の中にもなかなか見つけ難いです。この抒情的な演奏は何回聴いても飽きるということはありません。それほど深い精神性をたたえています。もしまだ聴かれていないようでしたら是非聴いて欲しい演奏です。 このアルバムの収録前後、元の妻エレインは地下鉄へ飛び込んで自殺し、兄も銃で頭を打ち抜いて自殺するという悲劇が相次いでエヴァンスを襲います。そのような精神状態の中で収録したこれらの演奏の中に、心の安住を求めるのは当然でしょう。 「I Will Say Good ye」、「Quiet Light」、「A house Is Not A Home」など美しい曲が数多く収録されているのは、ピアノを演奏することで繊細すぎる彼の精神のバランスを図ったとのだと推測します。それによってこれだけの美しい作品を今聴くことができるわけですが。 1960年代前半のラファロ、モチアンとのトリオの美しさとはまた違ったエヴァンスの素晴らしさを感じることができるアルバムだと言えましょう。
たまらなく切なく美しい
正直知り合いのすすめで買ったCDなんですが、ほんとにI will say good yeは素晴らしく美し い曲です。2 take入っていてそれぞれ若干違います。どちらもやばいほど美しいです。ジャズはあまりよく知らなくて手持ちのCDでも10枚くらいしかないんですが、これとオスカー ピーターソンの「自由への讃歌(変ロ長調の方」はいろんなクラシックの美しい名曲と比べ ても遜色ない、もしくは上回る感動を与えてくれます。
知性とセンチメンタルの溶解点
ビル・エバンスを語る場合、ややもするとスコット・ラファロとのコラボレーション4部作に集約し、その後の音楽人生をそこからの展開、もしくは踏襲という見方をしてしまう嫌いがないだろうか。僕自身60年代初頭のエバンスの完成されたインター・プレイを評価するあまり、晩年の耽美的過ぎる彼の世界とまともに向き合っていなかった。しかし、You Musut Believe In Sp ingと出会い、晩年のエヴァンスの深い精神性とどこまでも探求していく姿に感銘を受けた。そしてこのアルバムはそれに勝るとも劣らないいわば知性とセンチメンタルの溶解点を示すバランスの取れたエバンスの晩年の到達点だと感じた。I Will Say Good yeの比類なき美しさ。Dolphin Danceのリリカルで楽しいリズム。No ody Else But Meの軽快さ。そしてエバンス自身のオリジナルOpene のアグレッシブでドライブの効いたタッチなど随所に魅力が詰まっている。このアルバムのもう一つの魅力はジャケットのすばらしさにある。夜明けかトワイライトの陸橋を走る一台の古めかしい車。それはまさにWay(人生)そのものを暗示する象徴的なイメージである。センターラインが二本延び、空の果てまで続いている。すべてのものに終わりがあるが、そこにこめられた精神は永遠である。彼の兄の死へのレクイエムであるとともに彼自身の遺言のように思えてならない。そうI Will Say Good yeこそビル・エバンスの最期のメッセージなのだ。
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こういうエヴァンスもいい
1968年のモントゥルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ演奏を収録。最初のミュージシャン紹介から最後の盛り上がりまで、臨場感たっぷり。エヴァンスのピアノにゴメスのベースが絡みつき、さらにエヴァンスが疾走を続けるという個性と個性のぶつかりあい、つまりはスリリングなインタープレイが展開。ゴメスが目立とうとし出過ぎ、という声もありますが、こういうエヴァンスもいいなあと思わせてくれる一枚。グラミー賞受賞も大いにうなずける。
リヴァーサイド諸作の次に!
ドラマーにあのJ・デジョネット(キースのスタンダーズ)を得たことで生まれた傑作ライヴ。デジョネットがマイルスやキースのもとに行かずにエヴァンストリオに在籍していたなら、70年代はトリオの第二の黄金時代になったかもしれません。他には「sec et sessions」にデジョネットとの演奏が収録されていました。発売されているCDの中にはアンコールの「quiet now」を追加収録したものもありますが、ライヴの盛り上がりを体感するためには「いつか王子様が~walkin up」で終わる本CDがベター。
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ビル・エバンスと言えば、やっぱりRIVERSIDE?
ビル・エバンスと言えば、やはりスコット・ラファロとやっていた頃の"RIVERSIDE"の初期の作品が有名で、評価も高いし、人気もあります。確かにこの頃の輝きは後にも先にもありません。サイドメンとして参加しているものには、これ等に比肩するものはありますが、本人名義のアルバムでは、確かに、これ等に尽きてしまうという感じがします。 しかしアルバムとしての完成度を別にすると、ピアニストとしてのビル・エバンスはこれ等のアルバムで尽きてしまった訳ではありません。その意味では、企画物っぽい"VERVE"時代のものも捨てがたいものがあります。とは言え、"VERVE"のものはどのアルバムを買えばいいのか迷ってしまいます。そんな人にお勧めのアルバムです。やはりビル・エバンスは何やっても、ビル・エバンスです。 一曲目の「スパルタカス、愛のテーマ」はスタンリー・キューブリックの映画「スパルタカス」のためにアレックス・ノースが書いた曲です。サンタナが"SWING OF DELIGHT"でも取り上げていましたが、やはりビル・エバンスがやると違います。こんなにいい曲だとは思いませんでした。
一度目は消されたので二度目のレビューです。
リバーサイドからヴァーヴに移籍してエヴァンスは変わった。リバーサイド後期はスコットラファロを失った痛手から回復できず、マンネリに陥っていた。ヴァーヴに移ってからは、プロデューサーのクリードテイラーの手腕にもより、ピアノトリオというフォーマット以外での録音が増え、エヴァンスのレコーディングアーティストとしての厚みが出た時期であった。 このコンピはそんな時代からのセレクトとなっていて、変化に富んだ構成(ピアノソロ、一人二重奏、三重奏、オーケストラとの共演、フルート奏者の参加、ライブ演奏)となっていて飽きさせられることがない。曲順も素晴らしく一曲一曲にオリジナル盤とは違う魅力を発見できるはずだ。エヴァンス初心者から、上級者の方まで満足させる内容のコンピである。同じくヴァーヴからのコンピ"The Best Of Bill Evans Live"と併せてエヴァンス者必携のシロモノである。
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ビル・エヴァンスの音楽観と人生観
兄のハリーとの対話を通じて、インプロヴィゼーションやハーモニー、そしてジャズへの向き合い方について語る。演奏シーンは多くない。普段からビル・エヴァンスが好きでよく聞いている人、またはピアノを弾いている人向け。プロのミュージシャンが普段何を意識しているかというのを、知る機会はあまりないのでとても勉強になった。
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ビバップ~ハード・バップ時代のジャズ・ピアノは、右手でメロディを弾き、左手でコードを押さえるバド・パウエルのスタイルが基本形だった。しかし、ビル・エヴァンスは両手を自在に使い、マイルスが夢中になったモード・ジャズをピアノに移植、それまで聴かれなかったような斬新な演奏を行った。 また、パウエル型のトリオでは、ベーシストとドラマーは主役のピアニストをサポートする脇役にすぎなかったが、59年に結成したエヴァンスのトリオ(ベースはスコット・ラファロ、ドラムスはポール・モチアン)は、3者が対等の関係でインタープレイを行った。 エヴァンスのトリオは、何もかもが新しかった。その最初の成果を記録した作品が59年録音の『ポートレイト・イン・ジャズ』。本作は同じコンセプトによる61年の作品で、「ナーディス」「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン」といった人気曲も演奏しており、エヴァンス・トリオのすばらしさを満喫できる名作だ。3人が互いのアイディアを交換しながら進めていく緊密な演奏が、スリリングであり感動的。(市川正二)
【くちコミ情報】
「ワルツ・フォー・デビー」の3倍美味しい
ビル・エヴァンスに駄盤はありませんがベストはこの一枚でしょう。 スリリングでダイナミック!ビル・エヴァンス・トリオならではの三位一体ジャズが堪能できます。
捉えよう次第、地味か?おいしい所どりか?
いわゆるリバーサイド四部作と呼ばれる作品の中では一番目立たない存在だろう。 1959録音の前作「Po t ait In Jazz」、同年に録音される「Waltz Fo De y」、 「Sunday at The Village Vangua d」に挟まれる形な訳だが、前作の水の流れのような 完璧さとも違い、のちの躍動感溢れるプレイとも、また違うアプローチを聞かせてくれる 作品だ。そういう意味では、ある意味両方を繋ぐ架け橋的な作品で、内容も、ささやかだが 実験的な色合いが濃い気がする。 この作品の面白いのは、起承転結のあり方だろう。全曲中最も、昂然とした仕上がりになってる「Is ael」から始まるSide1は、消え入るように終わる「Elsa」で幕を閉じる。 そして、Side2は徐々に闇から浮き出るような怪しさがある「Na dis」から始まり、ラストは これでもかってぐらいアグレッシブな「Sweet and Lovely」をもってきたりする。 普通に考えれば、何か異質な感覚を受ける流れは、題名通り探求心をもって臨んだ結果なのかもしれない。 サウンドに関していえば、ドラムとベースはやや抑え気味で、ピアノも、どちらかというと 繊細でデリケートな出来になってる。つまり普通に聞けば、地味な印象がぬぐえず、何か 欠けてるんだが、それでも聞くのは、もう言葉じゃなくてフィーリングなんだろう。 悪い意味じゃないんだが、この作品は、ポートレイト、ワルツ、ヴィレッジ・ヴァンガード、 の3枚を聴いてから、手を出したほうが、満喫できるのかもしれない。
素晴らしい。
「Po t ait in Jazz」や「Waltz fo De y」と並んで有名なRive side盤です。 私はこれほど透き通った音楽を聴いたことがない。 正に究極のリリシズムである。 「Waltz fo De y」は夜のバーを想起するのにこの上ないが、「Explo ations 」は例えて言えば、冬のベランダで夜空を眺めていたら流れ星を見つけた時の様な感覚である。 リリシズム溢れる演奏の中にキラリと光るフレーズがあるのだ。 私はマイルス・デイヴィスの「クールの誕生」でも演奏されているIs aelが特に好きです。 絶対に買って損はしないでしょう。
リバーサイド四部作で最も奧が深いアルバム
日本で本作のLPが最初にリリースされた時のタイトルは「探求」。ビル・エヴァンス(ピアノ)、スコット・ラファロ(ベース)、ポール・モチアン(ドラムス)の三人が、儚くも繊細なピアオトリオの美しさを追求した作品集。オリジナルアルバムに収録されていた8曲は全てバラードとミディアムからなる。同一トリオの前作ポートレイト・イン・ジャズと比べると、モチアンのドラムスが少し後退し、ファラロのベースとエバンスのピアノのソロプレイが前面に押し出されている。 リーダーエヴァンスのピアノは最初の絶頂期を迎え、その繊細で美しい旋律はリスナーの心を捉えて離さない。次々に現れる斬新なピアノのフレーズは、色あせるところがないどころか、現代においても新鮮な印象をリスナーに与える。ラファロの瑞々しいベースは、微に入り細に入りエヴァンスのピアノに絡み相乗効果を醸し出す。モチアンの控えめで的確なドラムスをバックグランドミュージックとして、エヴァンスとラファロの二人がまるで親しげに会話を交わしているかのようなやりとりだ。 ベースが陰のようにピアノに寄り添い、ほっておけば空間に消え去って行ってしまいそうなリリカルなピアノを押し留める。ポートレイト・イン・ジャズのバラ |