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通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:79309位
カスタマーレビュー数:4
【くちコミ情報】
初心者は聴くべきでない、玄人受けするブラームス
玄人受けするブラームスである。 正直言って、このブラームスの交響曲全集の録音、ないし、同じ演奏者によるもうちょっとだけ古い交響曲全集の録音が初めて聴くブラームスの交響曲全集であった場合、たとえ良い録音、良い演奏であるのは分かったとして、どれだけぶっとんだ演奏か分からないと思う。初心者はいきなりこの盤を聴くべきでないと思う。 他のレビューアーも書いているが、第一番の第一楽章冒頭、はっきり言ってスピード違反といって良いくらい速いテンポである。しかし、改めてスコアを見直すと、Un poco sostenutoとのみ書かれているわけで、全人類の苦悩を背負ったような、とても重たい、まるで今にも止まってしまいそうな牛車のようなのろいテンポというのは果たして「正しい」姿か、というWandの問いにはっとさせられてしまう。 ときどきひっぱりだしては聴きたい盤である。
ヴァント晩年の名演奏
ギュンター・ヴァントという人はカラヤンやクライバーなどの同じドイツ・オーストリア系の指揮者から見れば、いささか月見草のような地味な人生を歩んできた印象がある。 主席指揮者を努めてきたオケもローカルながら実にシブイ音を出す北ドイツ放送交響楽団だ。 ところが、特に80年以降にその指揮に冴えを見せるようになり、彼は晩成型の指揮者の典型ともなった。 その集大成とも言えるのがこのブラームス交響曲全集だろう。録音当時83〜85歳であったとはとても思えない力強さ、巧みに計算された構成力には驚きを隠せない。 北ドイツ放送o.も元主席指揮者の要求に精一杯に応えている。 とりわけ名演は第1番と第3番だろう。1番ではまず冒頭のティンパニのすさまじいスピード感に圧倒される。また全体的にスピーディに突き進んでいて、重戦車が通りすぎていくような演奏をみせる。また、第4楽章のすさまじいクレッシェンドには本当に手に汗握る。これほど熱気みなぎる第4楽章は聴いたことがない。(特に5分40秒あたりからが本当にすごい!) このあたり、この人はフルトヴェングラーの影響をモロに受けているのではないかと思う。 それに反し、第2番でもオケをスケール豊かに鳴らす。その使い分けは見事だ。 3番も味わい深いものがあるが、特に第1楽章での精神性の深さはどうだろうか。ライブながら一瞬の隙もなく、緻密な構成力には驚かされる。また第3楽章での穏やかさが第4楽章で一転するあたりもそのすさまじい集中力を垣間見る思いがする。 第4番は第2楽章がきれいな仕上げであるが、他の楽章は意外なほどあっさりした味付け。できればもう少し抑揚が欲しかった気もする。 なお、このライブ盤ではライブ特有の演奏上の粗さやミスはほとんど見られない。
期待も評判も裏切らない名盤
カラヤン、バーンスタイン、ショルティ、クーベリック、チェリビダッケ。ヴァントは華やかな同世代のライバル達の影に押しやられ、長年不当に低い評価をされてきて、晩年ようやく実力通りの尊敬を集めた指揮者だ。 指揮のスタイルは至って地味。カラヤンとは正反対のやり方だ。だが、聴き込んでみると、その堂々たるオーソドックスさは決して聴き飽きる事無く、本当に味わい深い。寧ろ、これこそがブラームスの交響曲演奏のスタンダードとして評価されてしかるべきものなのだ。 私がヴァントの名を初めて知ったのは、彼の死後である。生演奏で彼の音楽を聴けなかったのは、口惜しい限りである。
一家に一枚!(笑) 絶対外せない名演とはこのこと!
譜面に忠実な演奏であるのに、他では決して得られない感動的な名演 !! 1番は冒頭のティンパニーが、一打一打を確実に刻み物語の幕開けを告げ、緩徐楽章ではいやみな歌い方にはならないストレートな表現で、NDRらしい美しさを知ることが出来る。そして終楽章の実に熱い(!!)クライマックスへ!2番もブラームスの精巧なオーケストレーションが、これまでもかと言うほど正確に表現されているのに、実に印象的な演奏となっている。そして、3番の熱く感動的な演奏とは対照的に、4番はヴァントの寸分の乱れも許さない正確なタクトさばきが目前に飛び出して来そうな名演で、これからブラームスを聴こうとしている人にも、ブラームスを熟知している人にも間違いなくオススメの名盤 !!
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カスタマーレビュー数:2
【くちコミ情報】
非常に完成度の高い演奏
カラヤンの1970年代のいわゆる絶頂期の録音です。前回の1960年代の録音は非常に重厚でドイツ的な演奏でした。このアルバムでは録音会場が前回のベルリン・イエス・キリスト教会から、ベルリン・フィルハーモニーにうつり、音に奥行きができています。演奏の面でも、1987年、1988年の有名なカラヤンの最晩年の録音のような、粘着質のある印象は受けません。一番、さらっとした演奏でしょう。特に交響曲第2番の、まるで谷底から雲が湧き上がってくるような幻想的な演奏はカラヤンとベルリン・フィルだからこそできると思います。
70年代カラヤンの指針
やはり70年代のカラヤンはオーケストラと共に、勢いがあります。1番は全体にわたり重厚且勢いがあり一楽章などのおおらかな感じはほかの指揮者ではちょっとありえない演奏です。カラヤンの一番に対する思いがひしひしと伝わってきて、BPOとの信頼関係の厚さから来るファクターもこの演奏の完成度に一役買っておられると確信しています。二番は全体を通して、厳格で、四楽章のフィナーレの間の取り方はさすがカラヤンと叫びたくなります。3番も同じような事が言え、名演ですが、4番は違和感があります。どことなく、硬く聴こえます。カラヤン自身も4番は得意ではないような感じで述べられておられるので、少し、判るような気がします。カラヤンの演奏は、一貫性がありベルリンフィルとの意気投合というか格闘がすべての交響曲に通じて本当に凄いです。録音もアナログをある意味極めている重厚な音に録れています。
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カスタマーレビュー数:3
【くちコミ情報】
バッハ以外のグールドの名演(4):ブラームスで味わうグールドの叙情
60年録音の不朽の名盤。古典主義の色があるとはいえロマン派の大家であるブラームスのピアノの小曲にグールドが取り組んで、ロマンの香り高い名作を生んだ。グールドの叙情に驚かされ、酔いしれる。ジャズのビル・エヴァンスの「ピース・ピース」が好きだという人は本作も必ずや気に入るだろう。本作もグールド・ベスト5に入ること疑いなし。グールドとブラームスの縁は深く、彼の死の年(82年)にブラームスの4つのバラードと2つのラプソディを録音しているが、私はこの60年の作品の方が断然好きだ。
可能な限り小さな音で聴いて欲しい。そんなブラームスだ
間奏曲 op.117-1、op.117-2が1960年9月29日。間奏曲 op.117-3、 op.118-2が1960年9月30日。間奏曲 op.118-6が1960年9月29日。間奏曲 op.116-4、間奏曲 op.76-7、 op.76-6、op.119-1が1960年11月21日。間奏曲 op.118-1が1960年11月23日、いずれもニューヨーク、コロムビア30番街スタジオで録音。グールド11枚目のアルバム。坂本龍一氏はこのアルバムをグールドの作品で一番好きだと言っているようだ。 ブラームスの『間奏曲(Inte mezzi)』というのは、集められた作品集ではない。この中で登場するop.76は『8つの小品』であり、op.116は『7つの幻想曲』、op.117は『3つの間奏曲』、op.118は『6つの小品』、op.119は『4つの小品』という各々独立した作品になっている。その中から『間奏曲(Inte mezzi)』というものだけ選び出し、演奏順も全てグールドが考え出した作品集が本アルバムということになる。その選び出す耳と曲順の構成力にまず驚く。 静かに始まり、一度op.118-6のところでクライマックスを迎える。そしてop.116-4で再び静寂となり、op.76-6で華やぎ、op.119-1で三度静寂となる。そしてop.118-1で輝き、短く一挙に燃え上がる。そしてop.118-2で静寂へと還っていく。実に美しい。グールドはいつもと違って静かに弾きあげる。グールドの美意識がよく分かる。 可能な限り小さな音で聴いて欲しい。そんなブラームスだ。この中のop.119『4つの小品』はブラームス最後のピアノ独奏作品であり、また生前に出版された最後の曲集であることも申し添えておきたい。
名盤!!
これがグールドの演奏?バッハの演奏とは全く違う叙情的でやさしい演奏にびっくりしました。私の一番好きなアルバムです。
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カスタマーレビュー数:1
【くちコミ情報】
傑作!
アマデウス四重奏団による弦楽五重奏曲は、弦楽六重奏曲第1・2番とセットになっているCDもあり、そちらを買うといいのではないかと思いますが、私の場合はそれぞれバラで購入しました。 しかし、この弦楽五重奏曲第1・2番はブラームスの曲の中でもとりわけ傑作だと言えるのではないでしょうか?少なくとも私はそう思います。 第2番に関してだけ書きますが、第1楽章からスケールがでかい演奏に圧倒されます。ウァーって思っていると、第2楽章のアダージョですよ。完全KOですな。 ホント、この様なロマン溢れる曲をブラームスは良く書いておりますが、この曲もホント素晴らしい。 そして、第3楽章も第2楽章と同様の静かだがクンクン香ってくる、何とも言えないメロディーで私を悦ばせます。 最後の第4楽章は、お得意のハンガリー調の調べで妖しく踊らせます。ホントこれで霊感が尽きたとよく言えるなというのが正直な感想です。 このアマデウス四重奏団の演奏は華がある感じ、彼らの醸し出す雰囲気も素晴らしく、私は大好きです。 お薦めです。
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カスタマーレビュー数:14
【くちコミ情報】
フランス人の考えるドイツ的なものとは・・
パリ音楽院管弦楽団を発展的に解消し、シャルル・ミュンシュの下、フランス国家の栄光とフランス音楽の象徴的オーケストラとしてパリ管が設立されたのが67年。その後ミュンシュは68年に急逝してしまいますが、この間、ベルリオーズの「幻想交響曲」と、このブラームスの録音を残しました。この「幻想交響曲」と「ブラ1」という2曲の選択について、私は大変意図的なものを感じます。つまりミュンシュは今後、パリ管が世界的な音楽市場において、単なる「フランスものの専門オケ」と見做されることを嫌い、あえてドイツ音楽の真髄ブラームスをここに持ってきたのではないでしょうか。 演奏については今では語りつくされた感があります。曰く、「フランスのオケ、指揮者なのにドイツ的な響き」とか、「燃え滾る情熱」あるいは終楽章のティンパニの轟音に度肝を抜かれる人も多いでしょう。つまりミュンシュは、西洋音楽の中心はあくまでドイツ・オーストリア音楽であることを意識し、このブラームスを、パリ管を使い、如何にもドイツ的な部分を最大限に強調して演奏したのではないのでしょうか?「フランスの指揮者(ミュンシュはストラスブール生まれなので正確にはアルザス人とでも言うのか)、フランスのオケでもブラームスをここまで立派に演奏できるんだぞ!」という意気込みは演奏からも充分に感じ取ることが出来ます。 しかし、それはあくまでフランス人の考える『ドイツ的』なもので、オケの持つ民族的特性はやはり隠しようがありません。録音の所為か分かりませんが、表現がどことなく色彩感を帯びた絵画的なものですし、基本的に明るくエレガントな弦の響きや、開放的な管楽器もやはりラテン的特質でしょう。 ひとつの資料的性格を持つディスクではありますが、ブラ1のスタンダード足り得るかはやはり??です。
大噴火!
自分は玄人的なことは一切言えませんが、このアルバムから放射されるエネルギーはとにかく凄まじい!その事だけははっきりと分かります。重厚な音から静寂な空気まで余すことなく表現できていると思いますし、第四楽章なんて感動の嵐ですよ!一人の指揮者の気魄がオーケストラに相乗効果をもたらしている。なんてすばらしいアルバム。自分も酔いながら聴いています!
ミュンシュの遺してくれた素敵な2枚の内の1枚!
ミュンシュの遺してくれた素敵な2枚の内の1枚!もう1枚はいわずと知れたベルリオーズの幻想交響曲である。パリ管だから幻想交響曲と結びつくかも知れないが、パリ管だからブラームス1番なんてと思う人も多いのでは。フランスのパリ管でも、ドイツの重鎮ブラームス、それも重厚な交響曲第1番は最高なのです。カラヤン、アバドなどのブラ1しか聞いたことの無い人は、是非、このCDを聞いて欲しい。とても安いし...絶対に損は無いと言い切れます。
やはりブラ1の最高峰
この白熱したムード。固唾を飲ませる緊迫感。やはりブラ1のナンバーワンでしょう。 第四楽章の暗雲の立ち込めた様な旋律から、歓喜の旋律への虹のかかったような美しい移行がたまりません。ラストの盛り上がりは鬼気迫り、何度泣いたか忘れました。素晴らしい版です。録音はいまいちですが、やはりオススメです
最新のリマスタリング技術で鮮やかに蘇った、ミュンシュの歴史的かつ奇跡的な名演奏!
「フランス音楽を得意とする指揮者のドイツ音楽は、イマイチ」。これが、クラシック音楽界の常識となっている。色彩的で、洗練されたフランス音楽と、堅牢な建築物のような骨太のドイツ音楽を、一人の指揮者の感性の中で両立させるのは、至難の技なのだろう。古くは、アンセルメ、マルティノン、クリュイタンス、現代では、デュトワ、小澤など、例を挙げれば、枚挙にいとまがない。 そんなクラシック音楽界の常識を破り、未だに、他の指揮者を全く寄せ付けない歴史的な名演奏との評価を受けているのが、ミュンシュのこの演奏なのだが、さらに驚くべきことには、これは、パリ管弦楽団設立直後の演奏でもあるのだ。オーケストラのアンサンブルというのは、一朝一夕で磨き上げられるものではなく、長い年月を掛けて熟成されていくものという一般常識をも見事に覆したという点を加味すれば、この演奏は、奇跡的な名演奏でもあるのだ。 ミュンシュは、フランス音楽の大家の中でも、マルティノン、クリュイタンスのような、優美で繊細な演奏を持ち味とするタイプとは一線を画した、たくましく情熱的な演奏をするタイプであり、そういった意味では、ドイツ音楽、とりわけ、「闘争から勝利へ」という楽想を歌い上げたこの曲との相性が、よほど良かったのだろう。 さて、私は、最新のART技術によって蘇ったこのCDの演奏を、手持ちの旧盤と比較しながら聴いてみたのだが、音が伸びない不満を感じる旧盤に対し、この新盤は、全く別の演奏かと聴きまごうほど、ダイナミックレンジが大幅に改善されている。最強音の音域の広がりは、想像を絶するほどであり、ミュンシュのスケールの大きい白熱の演奏の真価が、より鮮明に伝わってくるようになっているのだ。旧盤だけを聴いての評価であれば、「評判ほどでもない」というのが私の評価であり、つくづく、最新盤を手に入れたうえで、このレビューを書いてよかったと思っている。
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【くちコミ情報】
最高☆
「のだめ」を見て好きになったこの曲。確かに導入部?のピアノはうん?って 感じだが、後は全然いいです!
ブラボー
初めて聞いたときは、2番の出だしに違和感を覚えましたが、すぐに虜になってしまいました。アマゾンで他の演奏者によるラフマのピアコン2番も買いましたが、そちらは今一。このCDに出会えて本当によかったと思います。
最初にいいものを
有名な曲なので、よく耳にしますが最初に聴いた演奏が基準になるのでしょうね。我が家では、このCDが基準になりそうです。子供と聴いてます。
恋人に聴かせたい!
この曲のこの演奏って、感じませんか? 私は感じます。 イキそうになって、なかなかイクのがもったいなくってそれでも我慢できずイッってしまったというのが、一楽章のクライマックス。 アシュケナージの演奏はバランスが素晴らしく良いですね。
麻薬のような音楽!?
中毒患者のように今この演奏を聴きまくっている。 昔はラフマニノフをずっと避けてきた。 J.S.バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、マーラー…夢中になってクラシックの王道ばかりを聴いていたあの頃。 20年ほど前にクラシックばかりを聞き続けていた時期があって、次第に熱が冷めてしまったけれど、いつかまた還ってくると信じていた。 まさか、マンガ(「のだめ」)がきっかけになるとは夢にも思わなかったけれど…。 で、「のだめ」に導かれてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。 聴く度に新たな発見があって、中毒のように毎日聴き続けている。 チャイコフスキーの美しさ、ブラームスのロマン、リストの超絶技巧、マーラーの媚薬…。 避けてきた自分の愚かさを恥じつつ、この演奏を聴きながら残りの人生を生きてゆくのもいいかなっていうのが一番正直な感想。 例えば遙か遠くに見える淡い光に向かって暗い闇の中を一人歩いていくような第二楽章のピアノ。 「ひとりで行けばいい、怖いことはない」〜この曲を聴いてから、そう思えるようになった。 追記。モーツァルトでも純粋で軽やかな演奏をしていたアシュケナージの演奏のなんという美しさ! そして、RCO(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)の弦の美しさ、いや、つややかさというべきか。 特に第2楽章の終演部の、えもいわれぬ弦の響きといったら…筆舌に尽くしがたい。 円熟期の職人ピアニストとVPOやBPOを凌ぎうる名オケとの協演がもたらした奇跡のような演奏。
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ブラームス「絶対音楽」の頂点を極める名演
1948年10月24日、ティタニア・パラストでの演奏。フルトヴェングラーのブラームスでは、憂愁の深みを表現するうえで、感情移入によるテンポの大胆な緩急などについて多く語られるが、それに加えて、この演奏でのリズムの刻み方の切れ味はどうだろう。 一般に語られる4番のもつブラームスの「人生の秋、枯淡の味わい」といった抒情的な解釈よりも、古典的な造形美を最後まで貫き、絶対音楽のもつ孤高性こそを生涯、変わることなく主張したブラームスの芯の強い本質にフルトヴェングラーは、鉈を振り下ろすような圧倒的にリズミックな隈取りと時に自信に満ちた強大なダイナミクスをもって応えているように思われる。 しかもオーケストラは指揮者の意図を明確に理解し、細心の注意と最大限の集中力をもって臨場している。だからこそ、そこから湧きたつ音楽は、少しの曖昧さもなく説得的であり、深い感興をリスナーに与えることができるのだと思う。ドイツ的な名演という意味は、彼らのもつ「絶対音楽」の伝統を誇りをもって示しうるところにこそあるのかも知れないーーそうしたことをこの類い希な名演はわれわれに教えてくれている。
ねっとりした演奏
クライバー、カラヤン、ムラヴィンスキー等のブラ4がさっぱりしたものに聞こえるに対し、ジュリーニは薄すらとした粘度、このフルトヴェングラーに至っては水飴の如くねっとりした音に聞こえる。フルヴェンのCDの最大の欠陥は音の悪さである。しかし、この4番音の悪さもあるかもしれないが、そこから想起させる音の凄まじさは他にはないといっても良い。特に4楽章は、我々日本人が想像する「ドイツ臭さ」を濃厚に残しているように思える。通説の様にカラヤンがこれを嫌忌したのであれば、なんと勿体無い事を彼はしたのかと思う。
フルトヴェングラーの人間工学
どうしてクライバーがだめでフルトヴェングラーがよいのか。わたくしは後者の「信者」ではないから、論理的な答えを与えなければならないと思う。ふたりとも恣意的にテンポを動かすカリスマタイプの指揮者であることは共通している。しかしまずフルトヴェングラーはスタジオ録音がとても苦手な指揮者であることを想起すべきだ。彼の名演のほとんど全部はライヴ録音である。そこから解答のヒントがみえてくると思うのだ。武道を嗜んだことのある方はご存知だと思うが、人間にとって呼吸のリズムはとても大切だ。当然、指揮者が指揮を行うときも呼吸をしているわけだが、聴衆も音楽の進行に合わせて息を吸ったり吐いたりする。そのリズムと音楽が合わないと肉体的に不快になるのだ。 ここからこの二人の指揮者の違いがわかる。フルトヴェングラーは人間の呼吸に合わせた「人間工学的」な指揮をしているのだ。それが、音質の悪さ・演奏スタイルの古さ(決して古くない!という声が聞こえてきそうだが・・)にもかかわらず、こんにちに至るまで聴き継がれている理由ではないだろうか。
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