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モード理論の純な美
1959年3月2日、4月22日、ニューヨークで録音。 マイルスの代表作にあげられる本作はモード理論の美しさに充ち満ちたアルバムだ。参加したサイドメンも含め、あたかもクラシックで言えばシンフォニーの1楽章のように自分の与えられたソロ・パートを創意に満ちて純に美しく奏でる。モード理論の純な美がここにある。英語版のライナーではこの中でピアノを弾いているビル・エバンスが『インプロビゼーション・イン・ジャズ』という表題のもとに日本のビジュアル・アートを例えにあげながら解説している。この辺も是非とも一読して欲しいところだ。 閑話休題。本作そして『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』はマイルスのアルバムの中で有名評論家諸兄によって代表作としてあげられ、いまだにマイルスのアルバムの中でトップ・セールスを記録しているようだ。ジャズ評論家は各ミュージシャンから3枚くらいずつアルバムを選びだして、『決定盤ジャズ百選』みたいな本を出しているが、その際には本作と『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』は必ず入ってくる。しかしながら、そんな聴き方・選び方はマイルスの場合2つの意味で間違っているとぼくは思う。 1.マイルスのような多作かつ偉大なミュージシャンの数枚のアルバムで他のミュージシャンのように理解かつ楽しめる分けがない。 2.マイルスほど最初の『クールの誕生』から遺作『doo- op』まで変貌を続けたミュージシャンはいない。それを数枚のアルバムで知ることなど不可能だ。 プレスティッジでマラソン・セッションで録音された4部作や渾沌に満ちたジャズ・ファンクの『ビッチズ・ブリュー』、最晩年のマイケル・ジャクソンの『ヒューマン・ネーチャー』の演奏を聴かずしてマイルスを理解し、その偉大な音楽を楽しむことなどできない。それは人生の一番楽しい部分を放棄していることでもあるとぼくは思うのだがいかがだろう。
60年代モダン・ジャズへの布石と音楽の豊かさ
モード・ジャズを探求していたマイルス・デイビスがその完成と60年代のジャズに対して決定的な影響力を持った傑作アルバムとしてあまりにも有名。マイルスの抑制の効いたトランペットはモード奏法の自由で新鮮なメロディー・ラインを実現している。「ソー・ホワァット」の静謐な出だしは、ポール・チェンバースの良く響くベースとビル・エバンスのクリアーなリフから始まり、マイルス、J・コルトレーン、キャノンボールと緊張の中にも寛いだ雰囲気で続けられる。3曲目の「ブルー・イン・グリーン」はジャズにおける美の極致を感じさせるトラックである。モードはジャズに限らず現在のあらゆる音楽の幅を広げ、音楽の豊かさを切り開いた。このアルバムこそ、その原点になったといえるだろう。
カインド・オブ・ブルーとその評価について
ジャズ史上の大名作。だが、意外と批判対象にもなる。例えば、本作登場以前のハード・バップのような明解なモノをジャズの神髄とするなら、本作は当てはまらない。だから、「つまらない」と好き嫌いと批評を履違える人も出てくる。ただ、現代において本作を評するには、当時の状況への理解が必要だろう。初心者にとっては、聞きやすいけれども、少し平坦さを感じさせる部分があるかもしれない。それは、明解だが”単細胞的”でもあるハード・バップに対する意図が大きく左右しているからで、"微妙さ”や"大胆さ"というモノに注意を払う必要があると思う。また、マイルスだけではなくコルトレーンやエヴァンスの役割が大きい。時代の才能が集まって作り出された作品である。ただし名義は一人称なので、安易な神格化を招いたかもしれない。そして、それはマイルスの思惑通りではなかろうか。自分を取り巻く状況が良くなれば、部下も含めてやりたい事(やるべき事)がより自由にできる。マイルスは偉そうにしているが、実際にそれに値する役目を果たしていたのだ。マイルス論にそれるので、まとめる。例えば、本作とそれとは別ベクトルの作品(例えば、モブレーやモーガンのブルーノート1500番台)を聞き比べてみるのが、モダン・ジャズの入り口としては良いのではなかろうか。ハッキリと嫌いでない限りは、聴き続けるうちに本作はとっておきの愛聴盤になるだろう。
ジャズの金字塔!
このアルバムはジャズと呼ばれる音楽の中でも一際輝きを放っている異次元のアルバムなのです。他のジャズとはまったく異なる音楽です。でも、ジャズの中で一番かっこいいアルバムは何か?と問われれば僕は間違いなくこのアルバムを挙げるでしょう。
すみからすみまでムダのない、超大傑作!!
1959年作品ということだが、これ以来音楽業界は一体何をしていたのだろうと思うほど、新鮮で、今日のどのアルバムより新しい。 So whatは、ピアノのイントロ、ベースのあと、これまで聴いたこともなかったような新鮮な和音が弾かれる。終始ピアノがリードする。トランペットに次いで入ってくるコルトレーンはどう猛さを隠して、急に洗練されて聴こえる。アルトサックスの澄んだ高音は純粋に生理的に気持ちがいい。F eddie f eeloade はエバンス抜きのおまけ。 Blue in g eenは、ピアノの和音から入る。マイルスのソロもしびれる。意外にも、コルトレーンにまで寂寥感がひしひしと伝わる。asは抜いてシンプルにし、ピアノの和音 vs マイルスのバラードという対比を明確にしている。All luesは作品中唯一リズムが強調された曲。やはりマイルスとエバンスの掛け合いが焦点になっている。コルトレーンは壮大な表現。そして総括するかのようなエバンスのソロ。これを聴くと、多々聴かれるライブでのこの曲は少々雑である。 Flamenco sketchesは静かなピアノの主題とベースで始まる。静寂なトランぺットの主題。後のソロの世界につながるかのようなコルトレーンのゆったり気を大きくもったバラード。asのソロを経て、まさに曲の主題である、水表面をゆらゆら漂うようなエバンスが出てきて、最後マイルスが短くまとめる
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【くちコミ情報】
火の玉のような渾沌
1967年7月17日、コレクティブ・インプロビゼーションというベクトルを指し示していたジョン・コルトレーンが死んだ。多くのジャズ・ミュージシャンの精神的支柱であった彼の死後、もう一人の精神的支柱であるマイルスがどう動くか、ジャズ全体が彼の動向に注目していた。それが60年代の終わりのジャズの渾沌とした状況だった。そしてマイルスはジャズ・ファンクに突っ走る。 なぜ、ジャズ・ファンクか?その答えは同じ1967年にデビュー作『アー・ユー・エクスペリエンスト?』を発表したジミ・ヘンドリックスの音楽である。彼の音楽がいかにマイルスのジャズ・ファンク傾倒に火をつけたかをロックを聴き続けてこの時期のマイルスの音を聴いたものは誰しも感じずにはいられないだろう。一言で言ってマイルスはジミ・ヘンドリックスの音を自分のものにしたかったのだ。 よってこの時期のライブはロックを聴き続けてきてこの作品を聴く者と、ジャズをピュアに追いかけてきてこの作品を聴く者とではまったく違って聴こえてしまう。特にギターがだ。 マイルスはジミ・ヘンとファンクしたくてたまらなったに違いない。故にロックとして聴けばここでのギターは単なるジミ・ヘンの偽物である。このパラドックスと渾沌が火の玉のように燃える。 そう、1969年8月の3日間CBSスタジオで録音された本作『ビッチズ・ブリュー』から、マイルスが一時沈黙するまでの間に演奏された作品群は、ジャズ・ファンクという強烈なベクトルに、才能あるミュージシャンを次々と放り込み、その渾沌から何が見えてくるかをマイルス自身も若手も同時体験した時期だったとぼくには思える。 こういうことはマイルス以外誰もしなかったし成しえなかった。年齢がいったミュージシャンのほとんどは自らの年齢を鑑み、冒険を忘れ、スタイルを固定し、ひたすら枯れて行くような静的方向へと固まるばかりだ。しかしマイルスにとって年齢とは単なる数字であって、今日は昨日に1を足した前進の加算でしかなかった。真の天才には年齢がない。 このパラドックスと渾沌が火の玉の経験が後に自らの音楽とは何かを参加したミュージシャンに問うこととなる。それが、チック・コリアのスパニッシュ回帰であり、キース・ジャレットの静寂である。そしてそれらの開花がジャズを一段上の次元の音楽に押し上げたことはまちがいないところだ。 本作はそういうジャズやロックの様々な変容を頭に入れた上で聴くべきギグなのだとぼくには思える。
何か1枚だけ、と言われれば。
今まで聴いたロック、JazzのCDから何か1枚、と言われれば、迷った末に、このアルバムを選ぶ気がします。ロックを聴いていた私が、マイルスからJazzを聴き始めて、色々聴きましたが、このアルバム以上にカオス的で、幾ら聴いても魅力が変わらないアルバムもない気がします。 アコースティックのマイルスか、エレクトリックか、という話があり、確かにアコースティックのJazzを長く聴いてきた方々には、エレクトリックのマイルスは、何やら、おかしなことを始めたということだったでしょうし、実際、アコースティックのマイルスも素晴らしいことは間違いないので、当時の反応は理解できるように思います。 しかし、現時点においてマイルスを聴こうとする時に、特にJazzはアコースティックという前提のない側からすると、エレクトリック・マイルスのカオス的なエネルギーのある音楽の方が魅力的なのではないかと思います。マイルスはアコースティックもエレクトリックも関係なく、ただ、その時に一番カッコいい、クールだと思えることをやり続けたアーティストです。アコースティックからエレクトリックに変わったのは、単にエレクトリックの方がカッコいい音楽がやれると感じたからであり、そうでなければ、ずーっと、アコースティックを続けていたでしょう。 アルバムでは、特に1枚目の2曲が最高です。何度聴いてもすべてをつかみ切れない魅力があります。
壮大なる傑作
マイルスのおそらく最高傑作であり、そのスケールのすごさは宇宙的。ジャケットの絵画と音楽内容もピッタリしているような気がします。マイルスの作品中もっとも表現領域が広大で、聴いていて恍惚として自失する思いがする大芸術作品である。
これはジャズではなくマイルスミュージックだ!
これはこれまでの4ビートジャズではありません。いうなればマイルス・ミュージックというべきでしょう。フュージョンのさきがけという人もいますが、その後のフュージョンを聴くとフュージョンというべき音楽ではありません。ジャズではありませんが、マイルスの世界が凝縮された良い音楽であることにかわりはありません。
マイルス・ミュージックの分岐点
マイルスとビートルズをリアルタイムに感じられた1970年ころが懐かしい。僕自身が、ビートルズの解散を機にロックからニュー・ロック、そしてジャズへと歩を進めていた時期でもあった。ジャズといえば出合ったときにすでに歴史になっていたという印象が強く、ロリンズのサキ・コロもコルトレーンの至上の愛もマイルスのカインド・オブ・ブルーもすでに傑作として追いかけていた。ところが、このアルバムはリリースされ日本に入ってきたばかりで、スイング・ジャーナルでも賛否両論の問題作として話題になっていた。ジャケットのイラストもおよそジャズ・アルバムらしからぬポップな絵柄で強烈な衝撃であった。早速買い求めると、これまた、過激なエレクトリック・サウンドが充満し、複合リズムとコレクティブ・インプロビゼーションの音の宇宙に圧倒された。ことにウェイン・ショーターのソプラノサックスの凄さに度肝を抜かれた。音楽のよしあしよりもとんでもないサウンドの洪水に身を任せる恐怖感と快感に酔いしれながら脳の中枢神経を刺激され続けていた。まさに、多感な青春の只中でマイルス・ミュージックの分岐点を現時進行形で体験したのだった。
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【くちコミ情報】
怪物たちの誕生の瞬間を聴くようなアルバム
1962年2月12日、ニューヨーク、リンカーン・センターのフィルハーモニック・ホールにてライヴ録音。この後、5ヶ月後1964年7月、日本で行われた『世界ジョズ・フェスティバル』において日本のファンはマイルス・デイビス・クインテットを初めて生で聴くことになる。『Fou & Mo e』も同日の演奏として知られている。 このアルバムは、ジョージ・コールマンに対する不満が常にマイルスの頭の片隅にあるように思える。やはり、ジョン・コルトレーンの後をやるというのは大変なことだ。代わりなどいるわけがない。マイルスは常にメンバーに言い続けた。『常に新しい方法で表現しろ。』これをこなし続けられる面子しか彼のバンドには残れない。 逆に言うと残りの3人のプレイは合格点だったことが分かる。ロン・カーターは27才、ハービー・ハンコックは24才、ドラムのトニー・ウイリアムスはなんと18才だった。怪物たちの誕生の瞬間を聴くようなアルバムである。
静かに熱く燃えるマイルス
フィルハーモニック・ホールでのライヴ盤。同じステージを収録した『フォア&モア』が“動”、本作が“静”と言われるようですが、1曲目のマイ・ファニー・ヴァレンタインを聴けば分かるように、曲は”静”ですが、マイルスのトランペットはこれでもかと言わんばかりに、絶頂へ突っ走ります。そこからややおちついたオール・ブルース、アイ・ソート・アバウト・ユーが情緒あふれるマイルスのソロの聴き所でしょうか。あと、テナーサックスのジョージ・コールマンのソロも燻銀の渋さで大海をゆうゆうと泳いでるかのようです。
最高のジャズアルバム
個々の演奏者の音楽人生の中で最高の一瞬を捉えた貴重な記念すべき1964録音のアルバム。バラードの緊張感と倍テンになってからの爆発。スタンダードナンバーがここまで崇高になるのかという驚愕的な傑作。シンプルなD mセットによる天才アンソニーの驚異的なドラミング、コンテンポラリージャズピアノの正に手本になるハンコックのコードワーク&凝縮されたソロ、変幻自在のリズム隊、沈黙が音楽になっているMデビス、そしてひたすら真面目なフレージングのGコールマン。このメンバーが織り成す素晴らしいバランス。BGMで流すには目的が違うアルバム。ステラの1分55秒に出て来る観客の「Yeah〜!」もこの音楽の一部になっている。このジャズ史上最高の傑作はマイルス自伝によると、慈善コンサートの為出演者はノーギャラで、出演前にあるメンバーの1人とひと悶着あったという。同じメンバーによる「マイルス・イン・ヨーロッパ」とは違う緊張感があるのはそのためか。そういう意味でも生身の人間の“ジャズらしい”アルバム。
もっとも脂の乗ったマイルス
マイルスの言えば「カインド・オブ・ブルー」やキャノンボール・アダレイとの「サムシング・エルス」が超名盤とされているが、この盤も負けず劣らず素晴らしい。マイルスに最も脂の乗り始めた時代の一枚。1964年、ニューヨークはリンカーン・センターでのライヴ盤で、ライブ独特のノリの良さが楽しめる。トランペットの音の美しさに、瞬間に紡ぎ出すアドリブの妙は天才ならではのものだ。表題曲以外に、「オール・オブ・ユー」「星へのきざはし」「オール・ブルース」と、スタンダードの名曲がザクザク。バック陣もロン・カーター(ベース)、ハービー・ハンコック(ピアノ)トニー・ウイリアムス(ドラムス)、ジョージ・コールマン(テナーサックス)当時の最高のプレーヤー揃い。名盤であり、いつまでも持っていたい一枚。
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【くちコミ情報】
コロンビア時代の幕開け
1955年10月27日、1956年6月5日・9月10日、ニューヨーク、コロンビア799セブンス・アベニューおよび30thストリート・スタジオで録音。 本作はマイルスのコロンビアにおけるデビュー・アルバムである。タイトル曲はご存知喧嘩仲間のセロニアス・モンクの曲だが、ギル・エヴァンスがアレンジしたようだ。コルトレーンがテーマのバックで吹くメロディは本来オーケストラのために書いたものだったのをいつものようにぶらりギルのアパートにやって来て勝手に雑誌を読んだり飲み物を飲んだりしていたマイルスが聴き覚え、自分のレコーディングに使っていいかを尋ね、許可をもらったそうだが譜面は渡さなかったそうだ。しかし、その内容をマイルスは正確に覚えていて、マイルスとコルトレーンの2管編成に直して吹き込んだのだ。 閑話休題。本作そして『Kind Of Blue』はマイルスのアルバムの中で有名評論家諸兄によって代表作としてあげられ、いまだにマイルスのアルバムの中でトップ・セールスを記録しているようだ。ジャズ評論家は各ミュージシャンから3枚くらいずつアルバムを選びだして、『決定盤ジャズ百選』みたいな本を出しているが、その際には本作と『Kind Of Blue』は必ず入ってくる。しかしながら、そんな聴き方・選び方はマイルスの場合2つの意味で間違っているとぼくは思う。 1.マイルスのような多作かつ偉大なミュージシャンの数枚のアルバムで他のミュージシャンのように理解かつ楽しめる分けがない。 2.マイルスほど最初の『クールの誕生』から遺作『doo- op』まで変貌を続けたミュージシャンはいない。それを数枚のアルバムで知ることなど不可能だ。 プレスティッジでのマラソン・セッションで録音された4部作や渾沌に満ちたジャズ・ファンクの『ビッチズ・フリュー』、最晩年のマイケル・ジャクソンの『ヒューマン・ネーチャー』の演奏を聴かずしてマイルスを理解し、その偉大な音楽を楽しむことなどできません。それは人生の一番楽しい部分を放棄していることでもあるとぼくは思うのだがいかがだろう。
コルトレーンの成長に驚く
このアルバムにはマイルスのグループに参加したばかりのコルトレーンのプレイとそれからしばらく経ってからのプレイがレコーディングされています。最初のころはヘタというかダサイというか、マイルスもよくこんなテナーをグループに入れたもんだと思いますが、それからのコルトレーンの成長は著しく、なんてかっこいいんだろう!と感じてしまいます。有名なアルバムの割には聴くことは少ないですね。あんまりいい曲が入っていないからかな?
ジャズを殺したのは誰か
マイルス・デイビスはジャズの殺人者である。 チャーリー・パーカーに起用され、彼の絶頂期を目の当たりにした賢い彼は、パーカーと同じ手法、すなわちインプロヴィゼイションではパーカーを凌ぐことができないことを知り、彼とは違う道を歩むようになる。そして彼が向かったのはハード・バップ、すなわちアドリヴと全体の構成を両立させる手法であり、アドリヴ一発のビ・バップの中には求められない形式美を追求するようになる。そしてついに彼はジャズからアドリヴを追放するという離れ業をやってのける。それが60年代最後のアルバム「ネフェルティティ」であり、その後の彼はアドリヴのないフュージョンの世界へ去ることになる。 だから、ここで追求されている音楽が、彼が第一級のものとみなしたパーカーによるジャズとは異質なものであることに注意しなくてはならない。ある意味ではジャズを酒場で女性を口説くBGMに貶めてしまったのもマイルスであり、逆に厳しいアドリヴ競争からファンとジャズメン自身を救ったのもマイルスである。つまり、はっきり言ってしまえば、本作を聴いて「これこそジャズの最高傑作!」などとのたまう輩はジャズの何たるかをまったくわかっていない大馬鹿者なのである。 以上の事情を承知の上で、なお本作の美しさを愛でることができるなら、確かに「名盤」であろう。しかし、決して本作でジャズの醍醐味に触れることはできないことは知っておかねばならない。
ミュート・トランペットの美しさ
若きマイルスの上り坂だった時代の名盤。マイルスのトランペットの美しさはミュート演奏(減音器を使った演奏)にあるのではないだろうか。くぐもったような暖かみもあり、同時にキレもあるミュート・トランペットの音色は誰にもまねできない。マイルスのミュートの傑作はこのセロニアス・モンクの「ラウンド・ミッドナイト」、キャノンボールとの共演盤サムシングエルスの「枯れ葉」、それに「カインド・オブ・ブルー」の3曲にあるように思える。現代トランペットの天才ウイントン・マルサリスはマイルスを超えたと、よく言われるが、マイルスにあってマルサリスにないもの、それは「情感」であり、「歌心」である。それはジャズには必須なものだ。「ラウンド・ミッドナイト」深夜に聴きたい。(松本敏之)
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マイルスのミュート・トランペットが世界一美しい
1961年3月7・20・21日、ニューヨーク、コロンビア30番街スタジオで録音。 『サムデイ・マイ・ブリンス・ウイル・カム』の演奏は全マイルス・デイビスのトラックの中でも最上位に位置する演奏だろう。この曲のマイルスのミュート・トランペットは世界一美しい。このペットの後に登場するハンク・モブレーのテナー・サックスはその美しいパッションを空に温かく広げる。続くウイントン・ケリーのピアノは明瞭に空を響かせ、マイルスの短いミュートの後、間髪はいるジョン・コルトレーンの野太いテナー・サックスはパッションを遙か高みに吹き上げる。そしてもう一度世界一美しいマイルスのミュートがやってくるのだ。 ジャズのアルバムの中で絶対聴き逃してはならない必聴の一枚である。
マイルスをも圧倒するコルトレーンを聴け!
モブレーだけだと心配とあってこのアルバムを収録した日にゲストとして呼び戻されたコルトレーン。コルトレーンはアポロ劇場の仕事を終えて、楽器をケースにしまわないでそのまま駆けつけたという。 そのコルトレーンが参加しているDのテオ(別名ネオ)こそ、本作品のベスト曲なのだ。 サックスの音がこの曲調にぴったり。しかもメロディックときている。向かい風の中、荒涼とした砂漠を一人歩む姿がかっこいい。マイルスの演奏がコルトレーンの前座に聴こえてくる。 それほどここでのコルトレーンはすごいのだ。
暗黒王子が星の王子様をやった作品
一曲目の"いつか星の王子様が"ですが、曲が終わる瞬間に一瞬、パカンと何かが鳴っている音がするんですが、あれは何の音でしょうか? なぜかこの曲の演奏内容にマッチしていて不思議なムードを醸し出していていいですね。ちなみにこのアルバムを通して僕が一番好きなのは2曲目ですね。"オールドフォークス"って曲がとっても良いし、マイルスのミュートがちょっと擦れたような暖かくそして鋭い音を放っていて、メロディとフィットしている。凄く良い感じ。3曲目、"PFRANCING"。カウントから入るところがかっこいい! 痺れます。感触として全体的にハンクモブレーはあんまし良い音を出してない気がする。少し音がひしゃげてますね。ただ不思議にそれでも(それだからか)彼のソロを効くと暖かい感じで味があって良いですね。対照的に、1と5(特に1)のジョンコルトレーンは凄い存在感で流石なソロをやりますね。もう、お殿様という感じの輝くソロが素晴らしい。また、ウィントンケリーのピアノが、自分のアルバムでやっている時より、ずっと輝いていてとても気持ちよくそして楽しく聴ける。ああ、"I thought a out you"。大好きです。いつも聴いてます。最近マイルス聴き始めた方は、ぜひ買って聴いて下さいね。
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止めどなく楔を打ち続けるスゴイ演奏
1964年2月12日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホールでのライヴ録音。5ヶ月後の1964年7月、日本で行われた『世界ジョズ・フェスティバル』において日本のファンはマイルス・デイビス・クインテットを初めて生で聴くことになる。そしてこのクインテットを完成させるウェイン・ショーターの参加は1964年9月15日である。 同日にアルバム『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』も収録しているが、あちらのマイルスは『All Of You』以外フルーゲル・ホーン、そしてバラードが展開している。こちらはマイルスの設定したテンポが異様に速く、喧嘩腰に近い。その中を切り裂くようにマイルスのペットが止めどなく楔を打ち続けるスゴイ演奏になっていて、圧倒的にこちらの演奏に惹きつけられる。特に『ウォーキン』がスゴイ!!! 村上春樹・和田誠の名著『ポートレイト・イン・ジャズ』の中のマイルス・デイビスの紹介の中で特にこのアルバムを取り上げている。この素晴らしい文章を機会があれば是非とも読まれることをお勧めしたい。
インプロバイザー、マイルスの完成形
音楽的にも、ソロイストとしても変貌を重ね、とんでもない高い峰に登りつめたマイルスだが、楽器を鳴らすという意味においてもこの時点でおそらくピークにたどり着いたのではないだろうか。ディジー・ガレスピーの速さとハイノート、ファッツ・ナバロの豊かな音色とバランスのとれたフレーズ、クリフォード・ブラウンの火を噴くようなテンションとメロディアスなアドリブ。50年代のマイルスはこの3人に、演奏者としての資質の多くが劣っていたといえよう。ただひとつ勝ったのは、音楽を創造する力と新しさにおけるあくなき欲望であった。しかし60年代に入ってからのフリーブローイングには、テクニックにおいても、アドリブのすさまじさにおいても、時代の水準を超えたソロイストぶりがうかがえ、前出の3人の天才に引けを取らないトランペッターとなったのである。このアルバムは、マイ・ファニー・バレンタインと同じ日のコンサートでの非バラード編である。すなわち、ハイテンションでバリバリ吹きまくるインプロバイザー、マイルスの最高の姿が録音されているのだ。ソー・ホワット、ウォーキン、フォアなどは50年代とまったく異なったアプローチでハードなマイルスの魅力を引き立てている。ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウイリアムスという若手のリズム・セクションの秀逸さが光る。
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50年代末、それまでジャズの中心的なスタイルだったハードバップが、先鋭な発想をもったミュージシャンには飽き足らないものと映るようになっていた。そこでマイルス・ディヴィスは、煮詰まった音楽の一新を計るべく、ジャズの演奏原理に「モード」と呼ばれる新しい音楽理念を導入した。そのときに作ったのがこのアルバムである。 発売と同時に大きな反響を呼んだこの演奏は、新時代のジャズとして、60年代のジャズシーンを主導する重要な歴史的役割を果たした。またこの作品は、ジャズファンだけでなく幅広い層から長期にわたって支持されたこともあって、ジャズアルバムでは異例ともいえるセールス枚数を記録している。 綿密に構成された内容は、それまでのジャズのイメージを変える斬新なものだ。(後藤雅洋)
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JAZZの代名詞になってしまうといわれている、"Kind of Blue"
JAZZのアルバムの中で、世界中でもっとも売れるこの"Kind of Blue"は、 JAZZの代名詞となってしまうかもしれない、という日本のJAZZミュージシャンがいる。 数十年後の世界では、JAZZというものを紹介するときに、このカテゴリーに他のもの、 例えばチャーリー・パーカー等のビバップなどは入らないことさえ考えられるかも、と。 それはさておき、Kind of Blueである。 マイルスのアルバムの中でも、押さえたムードの中でお洒落で都会的なサウンドが静かに展開される。 タイトルどおりちょっとブルーな雰囲気。 十代の頃に何十回も聞いたアルバムだ。一言で言うとマイルスのアルバムの中でも特に格好いいのだ。 マイルスの口癖でもあった"So What?"(だからどうしたってんだ?)から始まるこのアルバムの曲は、いつでも頭の中でリフレインする。 マイルスは、最晩年に至るまで、常にJAZZ界に新しいアイデアを提供してきた。 多くのミュージシャンがこのアルバムを聴きまくって、いろんなヒントを得たのも事実だ。 マイルスが亡くなったときにキース・ジャレットが「これからは誰がアイデアを提供するのだろう」と嘆いたのは有名だ。 モード奏法の確立したアルバム云々、このアルバムについての解説は恐ろしいほどの量だ。 だけど、虚心坦懐にこのサウンドに耳を傾けてほしい。 マイルスの終生変わらなかった洗練された、繊細なサウンドを楽しんでほしい、と思う。 そして若いリスナーには、”音楽の秘境”へと突き進んでいき、つねに驚嘆すべきサウンドを作り上げていった、 この天才ミュージシャンの70年代、80年代、90年代のアルバムも聴いてもらえたら嬉しい。
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steely danへのインタービューで 「これまでのアルバムの中で一番に気に入っているレコードは?」と D・フェイゲンとW・ベッカーが尋ねられ、 まぁ通常は、「プリッツェル・ロジック」とか何とか(つまり彼らのアルバム名を)言うところなんだけど 流石ね、かれらは 二人して声を揃えて 「kind of lue」って言ってたよ。
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ジョン・ゾーンやビル・ラズウェルから先祖帰りするという、変な道筋でジャズを聴き始めた私。なので、ハードバップまでのマイルスでは名盤といわれる演奏でさえも、正直古臭く感じつつ「古典」として頭でその価値を理解していたところがあった。 このアルバムも最初に聴いてからしばらく放ったらかしだったのだが、ハードバップ時代との断絶に気が付いた時に、この作品の革新性を追体験した気になった。コード(和音)ではなくモード(旋律)により曲を進行させるというジャズのスタイルの更新がこのアルバムでなされたことは有名だが、そういった理屈を超えて、侘びサビさえ感じさせるこの静けさで、モダン・ジャズのイメージがガラっと変わってしまった。この抽象的な静けさは確かに「モダン」だ。 僕と同じような初心者の方は、これより前のハードバップ時代のアルバムと聴き比べてみてください。でも、マイルス本人は何でこの作品を失敗作と捉えていたんだろう?こうやって、数世代に渡る熱狂的ファンによって色々な伝記的事実が語られ、また後から後から過去の録音作が今後も増殖すると思われるマイルス・デイビスという海に、僕もハマってしまったのでした。。
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モードだとか、名盤だとか歴史的役割だとか抜きにして、本当に何回聴いても飽きない アルバムです。 ウイントン・ケリーとエバンスの対比も面白いです。
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さて、この名盤は、マイルスが失敗作としてとらえていることで、有名ですが…。人々の意見も別れていますけども、このアルバムの凄いところは、のちの音楽のヒントがちりばめられていることです。まずSO WHATのベースラインを早くすることで、ジェームスブラウンは、初のファンク曲を書き、ALL BLUEはEW&Fのヒントとなり、デュアンオールマンは、このアルバムを死ぬほどきき、マイルスとコルトレーンの対比を、ツインギターに置き換え、ジミヘンは、コルトレーンのシーツサウンドをギターに置き換えることで、ハードロックギターのもとをつくりました。SO WHATのように、ベースがソロを弾いて始まるなんて、それまでありませんでした。つまり、このアルバムは未来の可能性が詰まっていたアルバムだったのです。
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とても抑圧的で,頭でっかちで... 僕のJazz観とは反対に位置する音楽でした
60年代モダン・ジャズへの布石と音楽の豊かさ
モード・ジャズを探求していたマイルス・デイビスがその完成と60年代のジャズに対して決定的な影響力を持った傑作アルバムとしてあまりにも有名。マイルスの抑制の効いたトランペットはモード奏法の自由で新鮮なメロディー・ラインを実現している。「ソー・ホワァット」の静謐な出だしは、ポール・チェンバースの良く響くベースとビル・エバンスのクリアーなリフから始まり、マイルス、J・コルトレーン、キャノンボールと緊張の中にも寛いだ雰囲気で続けられる。3曲目の「ブルー・イン・グリーン」はジャズにおける美の極致を感じさせるトラックである。モードはジャズに限らず現在のあらゆる音楽の幅を広げ、音楽の豊かさを切り開いた。このアルバムこそ、その原点になったといえるだろう。
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おすすめ度
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| イン・ア・サイレント・ウェイ
マイルス・デイビス(演奏)
ウェイン・ショーター(演奏)
ジョー・ザビヌル(演奏)
チック・コリア(演奏)
ハービー・ハンコック(演奏)
ジョン・マクラフリン(演奏)
デイヴ・ホランド(演奏)
トニー・ウイリアムス(演奏)
¥ 1,890(税込)
¥ 1,796(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:45806位
カスタマーレビュー数:24
【Amazon.co.jp】
1060年代後半はロックのパワーが炸裂、その勢いにジャズが飲み込まれようとしていた時代だった。そんな時代に敢然(かんぜん)と立ち上がったのがマイルス・デイヴィス。マイルスは別にロックを演奏したわけではなかったが、エレクトリック楽器を取り入れロック・ファンをも魅了する新しい形のジャズを提示した。その金字塔ともいえる作品が69年録音の『ビッチェズ・ブリュー』なわけだが、本作はその半年前に録音した作品。 ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョー・サヴィヌルとキーボード奏者が3人、さらにギターのジョン・マクラフリンを加えた8人編成による演奏は非常に牧歌的で、そのサウンドはどこかデビュー当時のウエザー・リポートに近い感触。本当は複雑だけどシンプルに聴こえるリズムと各人のスケッチ的なソロが微妙に絡み合い、まるで絵画をみているような気分になる作品だ。なお本作のリハーサル・テイクは既発の3枚組『ザ・コンプリート・イン・ア・サイレント・ウェイ・セッションズ』で聴くことができる。(市川正二)
【くちコミ情報】
架け橋のイン・ア・サイレント・ウェイ
24ビット・デジタル・リマスター、オリジナルと新しいライナー・ノート。そしてCDジャケットの縁を透明にして一番下にペットを吹くマイルスを鎮座させるというファンを喜ばせる仕様が随所に感じられ好感が持てる。 リマスターされた音の奥には昔LPレコードでは聴き出せなかった様々な音が復活してきて嬉しい。チック・コリアとハービー・ハンコックとジョー・ザビィヌルが一緒にプレイしていて、現在では信じがたいほど豪華。自伝で称賛しっ放しのトニー・ウィリアムスがパルスの様にリズムを刻み続け、ジョン・マクラフリンがそれに彩りを添えている。 エレクトリックに入っていく決断をしているようなマイルス。 架け橋のイン・ア・サイレント・ウェイ。色々考える。
たぶん、人類史上地球から最も遠いところまで行けたポピュラーミュージック!
このアルバムで聴けるこの音楽を、楽しむ人、楽しまない人、それぞれいていいと思うけど、これが、人類の歴史の中でこの地球から最も遠いところまで行くことの出来たポピュラーミュージックのひとつであることはたぶん間違いない。(これより遠くへ行けた音楽って?サン・ラ?) ダウン・トゥ・アースの真逆な、「宇宙を感じさせる」「スペイシーな」「コズミック」なポピュラーミュージックは他にもいろいろある(エレクトリックのハービー・ハンコックやアース・ウインド&ファイアも、ジャミロクワイもそれぞれコズミック。)けれど、この「In A Silent Way」の「地球から何億光年か彼方ぶり」には驚く。でも、たとえばアース・ウインド&ファイアの音楽が、宇宙を感じさせつつ、いい意味でどこか土の香り、母なる地球の大地や文明の香りをさせているのに対して、この音楽も何だかもう完全に地球の重力から自由になってしまったような浮遊感・無重量感がある。そう、この音楽は「重さ」や「匂い」を取り除いて「(音の)色」「光」だけを残すことに成功していて、しかも驚くべきことに、カッコイイ。そして、他の宇宙を感じさせる音楽(エスニックではジャワのガムランとか、クラシックではホルストの『惑星』とか)と比較(いやな言葉だが)しても、やはりその辺りにおいてブッちぎりかもしれない。 ☆が五つどころか、何億と見える、宇宙のミュージック。 そして、こんなにカッコいいアルバムですら、簡単に「ベストの1枚」と決めさせてくれないマイルス、恐るべし。「ビッチェズ・ブリュー」とこれと、どっちがいいとか、いつまでも、いつまでも決められない、この至福。ありがとう、マイルス・デイヴィス!
夜のお供に
夜、ひとりで物思いに更けたり、ドライブしたり、飲んだり、そんな時に合う。そんなアルバムはなかなか無い。これ以降、マイルスはロックやファンク的な要素も多く取り入れ、より新たな音楽の創造をしたが、この作品も独特な雰囲気を持っている。ちょっと聴いて「スゴイ」とはならないかも知れないが、本当に飽きないアルバム。長く愛聴してます。
60年代マイルスの金字塔
1970年ころからジャズを聴き始めた僕としては、マイルスのビッチェズブリューをリアルタイムに体験した世代である。つまりジャズが何度目かの地殻変動をきたした現場を垣間見る僥倖に浴したのである。しかしこのIn a Silent Way はすでに発売済みでマイルスの超話題作として登場したビッチェズブリューの衝撃ばかりがジャーナリズムをにぎわし、前作をかき消した感があった。もちろん前作の重要性も喧伝されてはいたが、その後「キリマンジェロの娘」を買って、ややがっかりしたことも手伝い(ただし現在ではキリマンジェロはすばらしい傑作だと思っている)、なんとなくIn a Silent Way は聞かずじまいになってしまった。また、ビッチェズブリューでジャズは終わったという批評家の言葉に踊らされ、それ以後50年代のハードバップを愛好するようになったことも一因かもしれない。ビッチェズブリューは確かにすごいのだけれど、かなり気合を入れて聞かなければならない。そんなわけでIn a Silent Wayは僕にとって未知のアルバムとして想像の世界の産物と化していた。しかしついに買ってしまった。禁断の果実よろしく、そこには目くるめく美の世界が広がっていた。そして60年代マイルスの金字塔とはビッチェズブリューではなく、In a Silent Wayではないのか。キリマンジェロ、イン・ザ・スカイと移っていったマイルスは、ビッチェズブリューで急にはじけたのではなく、In a Silent Wayという完成によって、60年代と決別したのだと思う。おそらく今後In a Silent Wayの音楽としての完成度の高さはますます重要性を帯びていくに違いない。
スペース・ジャズ
当方はジャズについては全くの無知です。 アルバム全体を通しての印象は「スペーシー」の一言につきます。 決して「ムーディー」や「おしゃれ」では無いです。 なんの楽器かわかりませんがドップりはめられ、身動きできなくなる感じです。 ハウスやテクノで「ハマる」という感覚に近いです。自宅でハマれます。 ガチでジャズ好きの方、間違った感想だったらすみませんw
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おすすめ度
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マイルス・デイビス(演奏)
¥ 1,890(税込)
¥ 1,796(税込)
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ジャンル内ランキング:37330位
カスタマーレビュー数:3
【くちコミ情報】
アランフェス協奏曲
マイルスデイビスのことをよく知らなかった頃、知人からこの曲を聴かされました。 ジャズ喫茶にはよくいっていて、一日中ジャズを聴いている日もありました。 基本的には、ベースとピアノとドラムがあれば、他は特に何もいらいないという感じでした。 この曲を聴いて、ジャズとも、クラッシックとも、ポピュラとも違い、心休まる思いがしました。 それ以来、マイルスデイビスの曲も聞くようになりました。 今でもNo1はアランフェス協奏曲です。 後に、製作のいきさつをラジオの解説で聞きました。 製作のいきさつは、だからこうなんだという感想を持ちました。
Another Side Of Miles Davis
ギル・エバンス・オーケストラとマイルスが競演した第3作にして最高傑作。(第1作は『マイルス・アヘッド』、第2作は『ポーギー・アンド・ベス』) 本作の白眉は何と言ってもアランフェス協奏曲(Concie to De A anjuez (Adagio))だ。当初のLPには未収録だったConcie to De A anjuezのパート1・2をボーナス・トラックとして加えたことでより一層魅力が増した。 ロド |