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カスタマーレビュー数:22
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ロシアの哀愁の世界をたっぷりと堪能できる好ディスクである。現代のピアノ界でアシュケナージほどまろやかでたっぷりとした憂いを含んだ美音を持つピアニストはいない。とりわけ同郷の作曲家ラフマニノフの作品は得意中の得意であり、右に出る者はいない。特に協奏曲はたびたびレコーディングが繰り返されてきた。 本ディスクはアシュケナージの技巧が最も冴えに冴えていた33歳のときのもの。「逢引き」「7年目の浮気」といった映画に使用された甘美きわまりない第2番、「シャイン」で主人公が演奏する劇的な第3番。この2曲は大変ポピュラーな名曲だが、第1番と第4番もそれに劣らず見事な作品である。アシュケナージは、誇張のない抑制された非常に優れたバランス感覚をもって、緻密にラフマニノフの抒情を描き出している。アシュケナージのこれは大変優れた特徴でもあるのだが、この緻密さが結果的に音楽の全体像を、圧倒的に巨大なスケールあるものと化していく。指揮のプレヴィンもまた、ラフマニノフを最も得意とし、ここでもそんなアシュケナージにぴったりと寄り添った完璧なサポートぶりを発揮している。 単に感傷のみにとどまらない、極上の香気を漂わせたラフマニノフの心からの歌を満喫できるディスクである。(林田直樹)
【くちコミ情報】
ラフマニノフのピアノ協奏曲の全容を知るには最適です
ラフマニノフのピアノ協奏曲自体の進化の歴史を感じつつ、 アシュケナージのこの作曲家に対する敬虔なる思い入れが充分に伝わってくる2枚組。 まだまだ曲の端々に未熟さ・若さが残るものの、ラフマニノフ独特の抒情さを 感じることができる第1番。 古くから映画のBGMに使用されるなど、交響曲第1番の酷評を見事に払いのけ、 現代でも圧倒的高い人気を誇る第2番。 全4曲中、最もダイナミックな曲の展開とロシア臭さを満喫できる 完成度の高い第3番。 演奏に最も技巧を要するであろう前衛的な第4番 あまりにも感傷的で素敵な曲・演奏のために、一気に全曲通して聴けてしまいます。 個々の演奏にはアシュケナージとハティンクによる新盤やリヒテルやホロヴィッツ、 クライバーンなどの歴史的名演もありますが、 同じ面子での質の高い全曲演奏を通して聴けるという大きなメリットがこの盤にはあります。
アシュケナージの最高の名盤
70年から71年にかけて、アシュケナージが33歳の時に録音したものです。84年から86年にかけて、ハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団とも再録音していますが、私はこちらの録音の方が優れていると思います。 新盤のハイティンクの共演もいいのですが、この盤でのプレヴィンの伴奏・協奏ぶりは巧みで名人級です。 アシュケナージの演奏そのものは、新盤の方が老練さも加わって優れているかもしれません。 作曲の悪い?4番を上手く聴かせる所などは。しかし新盤はあっさりとしています。 本盤を録音した当時は、まだ旧ソ連と闘っていたのです。ラフマニノフの音楽に対して鍵盤を通して打ち注いだ熱い情念・情感が感じられます。
指がついていかないけれど熱い想いの伝わる演奏。
何度も録音していることからもわかるけれども、アシュケナージがこの曲に特別な思い入れを持っていることは確実です。しかし、どうやら指がついていかない箇所が多く(手が小さいため指が届かず中途半端な打鍵になる)、そのたびにぎくしゃくしてしまいます。私も昔は大好きな録音でしたが、いろいろなピアニストの演奏を聴くと、技術面では大きく見劣りすることがわかってしまいます。ただ、テンポの取り方やフレーズの呼吸の仕方などはとてもスムーズです。楽譜を見るとわかりますが、ラフマニノフの協奏曲はテンポが激しく変化したり、変拍子のようになる部分があり、センスの悪い人が弾くと歌いまわしが不自然になるのですが、アシュケナージはそういうことがありません。とても自然な語り口でラフマニノフとロシアへの熱い想いを紡いでいく演奏は、やや拙い技術をものともしないほど感動的です。
うーん、やはりいまひとつ。
アシュケナージ版としては、私もハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウと やったときのほうがずっといいように思えた。 もっとも、ラフマニノフのPコンについては、やはりホロヴィッツに止めをさすと思う。 特に第3については。 うまいんだが、協奏曲になるとなぜかいつも物足りない。
安心して聞ける演奏だけど
アシュケナージは素晴らしいピアニストの一人だと思う。 オーケストラ共に安心して聴ける演奏なので 初めてこの曲を聞く方でも満足出来ると思う。 けれど私は色々なアシュケナージ作品を聞いている為 これが彼の中の一番には思えなかった。 というのもせっかくアシュケナージのピアノの音を楽しんでいるのに オーケストラが一緒になると せっかくの名演が聞こえにくくなる時がある。 (ピアノ協奏曲だから仕方ないのですが) アシュケナージのはやっぱりソロ作品がすきだ。 もちろんこの盤での両方の演奏、ほんとに素晴らしい。 名演のいくつかに入る部類だと思うので聞いてみるべし
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プロコフィエフの曲ってこけおどしじゃない!
キーロフ歌劇場管弦楽団ではなく、ロンドン交響楽団の演奏だったので聴いてみました。 若手指揮者が育たない今、彼しか評価されないのかな?と思いました。 全てに軽薄で、歌が無い。テンポも彼独特の解釈で頻繁に動かす。 いわゆる、指揮台のヒーローでいたいタイプなのです。 フィリップスの稼ぎ頭だと思いますが、なぜ過大評価されるんでしょうかねえ? もっとも、過去のレコードアカデミー大賞受賞曲でも?なものがたくさんありますから、 音楽評論家様方もご苦労なさっているんでしょう。 ロンドン交響楽団って大好きな楽団なんです。とにかくレパトーリーが広く どんな指揮者にもそこそこ付いて行く。 もっとましな演奏になっていたと思うんですけどねえ・・・
ゲルギエフが敬愛するプロコフィエフの交響曲を録音
プロコフィエフの交響曲の全集となると、なかなか発売数も少ないが、ここに来て当ゲルギエフ盤が加わった。当全集の特徴として第4交響曲が1930年オリジナル版と1947年改定版の2種収録されていることが大きい。また国内盤のみ第7交響曲の終楽章の改訂版も追加収録されており、筆者も国内盤を購入させていただいた。 2007年1月からのゲルギエフの首席指揮者就任が決まっているロンドン交響楽団との録音は2004年5月に集中してライヴ収録されている。 さっそく聴いてみての感想であるが、意外なほど落ち着いてシックな色合いとなっており、グロテスクな側面よりも、叙情性や内省的なものを深く感じさせてくれるものとなっている。中でもいいのが二つの版で収録された第4交響曲である。この2版の違いは単に改定という言葉にとどまらないもので、プロコフィエフ自身、改定版を実質上の第7交響曲と見れる、との発言もしている。いずれの版でも、交響曲の中ではこの作品が特に内省的な作品であるが、ゲルギエフの叙情性を活かしたバランスの配慮は妙味を出しており、2楽章のピアノとの掛け合いや、終楽章のリズム感が抜群の聴きどころといえる。 また第1交響曲は思いのほか堅実な表現で、クラリネットもドイツ生まれの交響曲のように落ち着いた音色となっている。 第7交響曲もまるでバレエ音楽のような遊戯性と、回顧的な叙情性の交錯を意味深に描いている。 第5交響曲も乾いた響きで、ややソリッドな印象で、これは筆者にはアシュケナージとコンセルトヘボウ管弦楽団の潤いと色彩に満ちた名演の方がふさわしく感じられたが、もちろん悪くはない。 演奏を間違えると「騒々しく」なってしまう第2と第3交響曲も、さすがに手堅くまとめており、全集としての質は非常に高い。ぜひプロコフィエフの交響曲全般の評価向上への契機となってほしいものだ。
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私は、音大卒でもなければ、ピアノの専門的な勉強をしたわけでもないこと、あらかじめ申し上げておく。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、アルゲリッチ盤をきっかけに虜になり、半年くらいかけて、いろいろ聞き比べてみた。アルゲリッチ盤は、エネルギーの結晶のような作品だ。あれほどの演奏は、よほどの気力が充実していなければ難しい。なぜ、ここでアルゲリッチの話をするのか?それは、アルゲリッチが自分にとって始めてのラフマニノフだったから、というわけではなく、ラローチャの演奏が、アルゲリッチ盤と対極をなすものと感じたからだ。ラフマニノフの第三番において、アルゲリッチの演奏は、攻撃的・挑戦的かつスリリングだ。それは第二楽章から第三楽章へブリッジを架ける部分および、第三楽章のコーダにおいて顕著に表出する。展開する直前、鋭い視線で指揮者に突撃の「のろし」をあげ、一気に攻め込む、といった感じだろうか?聞いた後の爽快感は、ほかに類を見ない。対し、ラローチャの演奏は、どうだろうか?初めにこれを聞いてしまうと、恐らく退屈な演奏に思えるだろう。が、これは決して、退屈な演奏ではない。優雅と解釈するのだ。同時にスペイン女性が持つ気丈さ、芯のある粘り強さを感じさせてくれる。ところで、ラローチャは、意外と小柄な女性らしい。威風堂々のジャケット写真はそれを感じさせない。ジャケットの衣装は、錦鯉を彷彿させる色合いに見えないだろうか?難解なパッセージを優雅にかわす様子は、たとえるなら優雅に池を泳ぐ錦鯉だろう。最後に、ラローチャはピアノの女王と呼ばれているが、すでに相当の高齢だ。次のピアノの女王は、果たして誰になるのだろうか?わかる方がいれば、お教えいただきたい。
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映画音楽もクラシックなのか?そうなんですよ!
曲目リストを見ると、映画音楽も入っている。悪いとは思わないし、現代音楽(そんなジャンルは無いのだが)作曲家が映画音楽を手がけている例は、我が国の武満徹や黛敏郎など多い。しかも質が高いので、いっこうに問題は無いのだが、レーベルの問題から、オリジナルサウンドトラックを使えないのが残念なところである。また、歌曲はやはり、歌曲として録音して欲しかった。また、演奏家全てを一流どころで揃えられなかったのも惜しい。という訳で星1つ減点としました。映画音楽をクラシックとして扱う事には、賛成です。良い曲目が選ばれている故、演奏も良い物であって欲しかった。惜しい1枚です。
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【くちコミ情報】
組み合わせに必然性がない
1980年2月ロンドンで録音。ヴィヴァルディの『四季』をアバド+ロンドン交響楽団+クレーメルという組み合わせでやっているわけだが、この組み合わせの意図が全く僕には分からない。作品の地元でないオーケストラをイタリアの指揮者が振り、実際は不必要であろうクレーメルを連れてきてどんな演奏を仕上げたいのか。この組み合わせの必然性に疑問を持ってしまう。 古楽器でやろうという人たちには彼らの、自国の作曲家を自分たちの手でという人たちにはそういう人たちの強い意志と必然性というモノがあるだろう。こういう風に有名どころをただ取りそろえるだけの演奏は全く無意味だ。 クレーメルの加わった作品でもっともつまらない意味のないアルバムはこれだと断言したい。
轟音+クリスタル・ダブ。
アバドは、ここで楽曲としての魅力を極限まで追求する。 それは、イ・ムジチのイタリアンな爽やか派でも、ホグウッドのような古楽系でもない。 長調の「春」や「秋」も、軽やかで魅力的だが、 素晴らしいのは「夏」の3つの楽章だ。 弦楽は、轟音となって降り注ぎ、 圧倒的な音圧で疾走する。 アバドとクレーメルの「四季」は、聞き流すものではなく、 思わず聞き入ってしまうような種類の音楽になっている。 完璧に刻み上げたアバドの音楽と弦楽群の音圧を、 クレーメルがヴァイオリン1本の響きと存在感で支えている。 「冬」の緩徐楽章は、クリスタル・ダブとでも言いたくなるような、 透明で軽快な世界が出現する。 アバドの「四季」は、現代の音響系(エレクトロニカ)や、 ダブ・ミュージックを思わせる現代性を備えている。 それは彼がバロック音楽の原点にまで遡り、 ヴィヴァルディ音楽の魅力に肉薄しているからだろう。 音楽の根源までさかのぼり、到達した時の響きと演奏は、 つねに現在的で、古くなることがない(グレン・グールドのように)。 日本語の解説文も優れていて、 「四季」が持っている表題性、風景描写性を丁寧に説明している。 この解説文を読みながら、アバド「四季」を聴くと、 音楽がより魅力的に聴こえてくる。
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