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なんと美しい・・・
今は亡きサー・ローランド・ハナさんの最後の録音です。ハナさんのピアノは本当に美しい・・・1曲目のシューベルトのセレナーデから最後のマーラーのアダージェットまで・・・ため息が自然と出るようなほど美しい演奏です。最近流行のヨーロッパ系のピアノ・トリオも良いですが、ハナさんのデトロイト流のトリオも美しいのです。
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来日の機会もアルバムの数もけっこう多いのに、なぜかローランド・ハナは地味なピアニストだ。これ見よがしの自己主張とは無縁、相手を引き立てるようなプレイに持ち味を発揮する縁の下の力持ち的存在だからだろう。したがってこの人の欠点は、趣味がよすぎること、人がよすぎることなのかもしれない。 しかしこのアルバムはちょっとばかり違う。あの温厚なハナが、さあどうだといわんばかりに自己主張しているのだ。夢にちなんだスタンダード曲を演奏しているトリオ作品。といっても、タイトルからイメージするロマンティックな演奏ではなく、ガンガンとかなり激しく弾きまくっているエネルギッシュな演奏だ。さらにアレンジは意表をついているし、ピアノ・スタイルも曲によって千変万化とあって、思わず拍手を送りたくなる会心作だ。 ドラマーはホーキンスやエルドリッジとの共演で知られるエディ・ロック、ベーシストはガレスピー楽団で活躍したポール・ウエスト。こういった筋金入りの2人が参加している点もこれまた本作の魅力だ。(市川正二)
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日野晧正はフュージョンもフリーも演奏する間口の広さが特徴だが、本作はこれ以上はないというオーソドックスなジャズ作品。ファッツ・ナヴァロの<1>、ブッカー・リトルの<2>、フレディ・ハバードの<9>などトランペッターが作曲した人気曲、あるいはケニー・ドーハムの録音を思い出す<5>、リー・モーガンの演奏でおなじみの<3><10>といった、トランペッター絡みの曲を集中的に取り上げている。このなるほどといえる選曲、そしてそれらをワン・ホーン編成でじっくりとプレイしている点が最大のポイントといっていい。 こうした選曲・編成はトランペッターとしての技量、ジャズマンとしての才量がすぐわかるだけに、それなりの覚悟がないと踏み切れないものだが、還暦まであと数年の日野晧正なら怖いものはない。思うがままに吹けば道は開ける、まさにそういった演奏だ。誰のものでもない、キャリアに裏付けられた日野晧正のジャズがここにある。ローランド・ハナ、ロン・カーター、ジャック・デジョネットという共演者の顔ぶれもすごい。(市川正二)
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【くちコミ情報】
ミュージカルナンバーを華やかに演奏
かつて国内未発売の幻の名盤として紹介されたローランド・ハナの初リーダーアルバム(1959年制作)。ハロルド・ローム作曲のミュージカルナンバー集で、トリオとカルテットの演奏を収録している。 まず、ブーツを履いた女性の脚と、ウィンチェスター銃をあしらったアート感覚みなぎるジャケットに5つ星を進呈しよう。本来ならLPで所有し、壁にでも飾っておきたいところだ。 そして、最初のトリオ演奏「アイ・ノウ・ユア・カインド」が絶品! この曲だけでお宝もの。たまに取り出して聞きたくなること間違いなし。 百花繚乱、咲き乱れた花の群落が目に浮ぶ、アップテンポの名旋律。ハナは霊感に打たれたように、フレッシュなセンスと、はじけるタッチで原曲をひときわき美的に描き出す。まるでバラやジャスミンの香り漂うパラダイスを一気に駆け抜けるような演奏だ。投げられたサウンドの花束に、もううっとり……。 また、その次の「フェア・ウォーニング」も素晴らしい。こちらはケニー・バレルを含むカルテットの演奏で、前曲同様、リズミカルに迫りくる曲調。バレルが暖かい音色でラブリーなテーマを奏でると、ハナがエモーショナルなアドリブの華を咲かせてゆく。 この1、2曲目が最大の聴きどころだが、最後までハナは若武者のように血気盛ん。やはり処女作だけに意気込みが違う。興味深いのは快進撃を演じるハナにつられ、バレルが満面に笑みのこぼれる明快なプレイをしていることだ。ふだん“ミステリアス・ブルー”ともいえる音色で余情豊かに迫る彼とは、かなり陰影を異にしていよう。 ちなみに、ハナの2作目に当たる「イージー・トゥ・ラブ」も同じレーベルから出ており、こちらはスタンダードが中心。オーソドックスな解釈による快演だが、ミュージカルナンバーを斬新、華麗に料理した処女作に軍配を上げたい。
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